なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

丹毒

2022年12月10日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、隣町の救急隊から高熱の85歳女性の搬入依頼がきた。前日に町の診療所で診療所で顔面の蜂窩織炎と診断されていたそうだ。ふらついて動けないらしい。

 発熱外来(コロナの検査から)の扱いになり、その診断で良くても年齢的に入院になる。来てもらうことにした。山間部から来るので救急車でも30分以上かかる。

 コロナの検査(抗原定性試験)は陰性だった。顔面の発赤があるが、境界明瞭かというとそうでもないように見えた。左の鼻に小さく黒色の痂疲があり、そこを傷つけて菌がはいったのかもしれない。

 搬入されて少しすると、(病院の暖かさで)顔面の赤みが強くなっている。最初に見た時よりも境界明瞭に見える。左の耳介にも発赤があり、これは「丹毒」になる。

 診療所では前日にレボフロキサシン500mg内服が処方されていた。皮膚感染症には適切でなかったことになるのかもしれない。

 胸部X線で肺炎はなく、有意な尿混濁もないようだ。除外診断としても、血液培養2セットと尿培養は提出しておいた。セファゾリン点滴静注を開始して翌日には解熱していた。

 

 この患者さんは数十年前に左肘関節の手術を受けていた。家族の話では「失敗では」と言っていたが、それ以来脱臼したままになっているという。(昔々の当院整形外科で扱った手術)

 

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