火曜日の救急当番だったが、内科の若い先生がそこと他の日を代わってほしいといわれて、交代していた。
昼前に救急車の音が聞こえたので、救急搬入かと思ったが、実際は当院から地域の基幹病院への転送だった。どんな症例だったのかと確認した。
68歳男性が屋外で測量を仕事をしていて、ふらついて転倒して近くにあった石碑に右上背部を打撲したそうだ。吸気で打撲部の痛みがあった。
胸腹部CTで右第8-10肋骨骨折があり、骨折した肋骨が肺に突き刺さっている。まだ量は少ないが、気胸を来して液体貯留もあった。外傷性血気胸(肺挫傷も)だった。
転倒して頭部打撲はしておらず、意識消失もなかったが、頭部CTを確認していて異常はなかった。頭部打撲による頭蓋内損傷疑いもあるが、転倒の原因が頭蓋内病変発症(くも膜下出血など)の原因のこともあり、必要な検査だった。
また心電図も検査していて、転倒が心原性の失神(前失神)の可能性もあり、これも必要な検査だった。
先方の病院の整形外科に連絡していたが、血気胸もあるので外科の扱いになるのかもしれない。呼吸器外科医もいるので、そこは何とでもなるのだろう。
放射線技師さんがCTの三次元構成できれいな肋骨像を作成してくれるので、とても助かる。