なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心嚢液貯留を治してもらう

2016年04月08日 | Weblog

 地域医療連携室の職員が、心臓血管センターからの返事を持ってきた。すっかり忘れていたが、2月に心嚢液が貯留して心不全症状を呈した84歳女性を救急搬送していた(2月24日に記載)。3月末に退院したとある。退院後はかかりつけの内科クリニックに通院するという。

 心嚢液が貯留して、救急搬入された翌日に増加していた。心原性酵素の上昇がないことから、病名は急性心膜炎疑いとした。転院後に心嚢穿刺を行って、ドレーンを留置したそうだ。悪性細胞も結核菌も検出されず、原因は不明だった。心嚢液貯留は治まって無事に抜去できた。ところがその後に肝機能障害が進行して、無石胆嚢炎と診断された。PTGBDの処置が行われて軽快治癒している。急性心膜炎・心タンポナーデ~うっ血性心不全~うっ血肝~胆嚢炎という流れでとらえられていた。ウイルス性心膜炎だったのだろうか。よくわからないが、とにかく送ってよかった。いつも危ないところを助けてくれる病院で、本当にありがたい。

 60歳女性が外来を受診した。糖尿病で外来通院していたが、予約日に来院しなかった。まだ残薬があるので、そのうち1週遅れくらいで受診すると思っていた。2か月前のHbA1cが6.5%で、今日は9.4%と上昇していた。子供さんが遺伝性の神経疾患から悪性腫瘍が発症して、緩和ケアを受けているとは聞いていた。その子供さんが亡くなって、好きだった食事(甘い物)をお供えして、それを食べていたそうだ。また野菜を先に食べるなど食事に気を付けていたが、それも一切やっていない。ジャヌビア50mg+メトホルミン500mgの処方だった、食事を極力以前のようにもどすことと、追加処方の希望があったので(追加しないで経過をみるつもりだったが)グリミクロン10mgを追加して、1か月後に再受診とした。いつもは濃いキャラクターの方だが、さすがに元気がなかった。

 昨日内視鏡室の看護師さんから、個人的なことでと相談を受けた。遠方の施設入所中の85歳の母親が、先月から腰痛・臀部痛を訴えているという。診療所の整形外科で診てもらって、陳旧性の腰椎圧迫骨折はあるものの、新規の病変はないと言われそうだ。処方されたリリカでかえってぼんやりしてしまって逆効果だった。自分の住居近くの施設に移らせたいが、痛みもあり入院でお願いできないかということだった。内科病棟は空いているので、今日来てもらった。背中が「くの字」に曲がって、ちんまりと座っている。ポータブルトイレへの移乗でも痛いという。X線検査をすると、確かに腰椎圧迫骨折があり、かなりの骨粗しょう症(スカスカ)だった。1~2か月の入院で処方の調整とリハビリを行って、施設入所を目指す。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする