内科新患を、発熱・咳・食欲不振で85歳女性が受診した。インフルエンザ迅速試験でB型陽性と判明した。胸部X線で主に右肺に浸潤影が散在して、肺炎を併発していた。尿中肺炎球菌抗原が陽性で、肺炎球菌肺炎だった。今月から来た内科の先生にコンピュータ入力を覚えてもらいながら、一緒に診ることにした。治療はラピアクタ点滴静注とセフトリアキソン点滴静注で開始した。点滴500ml2本も入れる。喀痰培養も提出した。
内科に新しい先生はもともとは外科医で勤務医をしていたが、父親の医院を継承した。ところが多額の借金があり、またスタッフも8名かかえていて経営が成り立たないとすぐに判明したそうだ。なんとか処理をしてその後は内科的な仕事をしながら職を探していたらしい。当院の外科医と同門同期で、当院の内科系不足を補充してほしいと依頼して来てもらった。消化器系は得意だと思うが、循環器呼吸器はいっしょに勉強していく。
県立がんセンター緩和ケア科から59歳女性が亡くなったという報告書が来ていた。経過が丁寧に書かれていた。そういえばそんな人がいたと思い出した。一昨年の10月に内科医院からの紹介で当院内科を受診した。頸部リンパ節が複数腫脹して、胸部X線・造影CTでは両側肺門リンパ節・縦隔リンパ節が腫脹して、脾腫もあった。当院外科で生検しているうちに急変する可能性を危惧して、悪性リンパ腫疑いとして、そのままがんセンター血液内科へ紹介した。頭頸部外科で頸部リンパ節生検を行って、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫と診断された。その後、血液内科でR-CHOP療法その他の治療を受けて、緩和ケア科で治療を受けていたらしい。私が外来で診たのは紹介で受診した日の2時間くらいだろうか。
3月29日に循環器科に入院した64歳男性は、入院後に大量の排尿があり、心不全症状は改善した。大学病院循環器科の先生と相談していたが、そのまま当院で治療を継続している。白血球数は正常域でCRPは1.0前後で推移している(ウイルス感染だとこんなもの?)。受診時のCK-MBは正常域。DCMということになるが、それ自体はごみ箱診断なので、その原因は何かとなるそうだ。発症が急性~亜急性となると、心筋炎からの変化なのか。大学病院での心筋生検などの精査を勧めるという。