なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳梗塞

2016年04月17日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。89歳男性が右半身麻痺で救急搬入された。呼びかけても疼痛刺激でも開眼しないが、反対側の左上下肢を盛んに動かしている。これまで左頭頂葉と右後頭葉に脳梗塞に既往があった。頭部CTで出血性病変はなく、頭部MRIで左MCA領域に梗塞巣を認めた。脳萎縮があるので、脳浮腫がきても呼吸抑制はないと判断される。急性期を過ぎても、右半身麻痺・失語症・嚥下障害が残ってしまうと予想される。嚥下障害で経口摂取できない時に家族と相談することになりそうだ。

 

 あとは他県から観光に来た人たちも救急搬入された。ひとりは車で当地の山に来たが、緩いカーブで一瞬意識が消失して、路肩の方に突っ込んだ。スピードはあまり出ていなかったのと、ブレーキをかけたのかもしれない。救急隊の話では車のフロントがへこんだが、エアバックは茶道しない程度だという。救急隊到着時には意識清明で、特にこれといった外傷もなかった。高血圧症・糖尿病・心房細動で大学病院に通院しているという。血糖は167mg/dlと低血糖ではない。頭部CTは異常なし。心電図は心房細動があるが、心拍数は正常域にあって、除脈~pauseはない。大学病院で今月ホルター心電図を受ける予定だったという。症状があっての検査ではないそうだが。JAFといっしょに一旦置いてきた車のところまで行って戻ってきた奥さんと一緒に帰宅とした。新幹線で帰るという。

 もう一人は別の他県から来て、お城の天守閣に登った時にめまいがして嘔吐が続いた。救急隊から連絡があった時に、回転性かどうか聞いてもらった違うという。ただ、救急隊は眼振を認めていた。搬入時には眼振は認めなかった。やはり回転性でも周囲の景色が流れるのでもないと言っていた。その後奥さんに訊くと、発症時には天井が回ると表現したそうだ。BVVPでいいようだ。外来で経過をみているうちに、症状消失して帰宅となった。

 当院看護師さんの夫、51歳男性が4日前から嘔気嘔吐が続いて、食事がほとんどとれないと受診した。腹痛はなく下痢もない。先々週に風邪症状と高熱が3日間あったが、それは軽快消失した。4日前には頭痛で内科医院から当院に紹介されて、頭部CTが施行されたが異常なしだった。今は頭痛はない。2月に検診を受けていて異常はなかった、上部消化管内視鏡検査・便潜血(2日)も異常がない。今日の血液検査でも異常はなかった。奥さんの希望もあり、入院として点滴を継続して、明日腹部エコーと上部消化管内視鏡検査を行うことにした。

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