なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

感染防止対策加算のラウンド(院内巡回)

2016年04月25日 | Weblog

 昨日は内科系の日直を終えた後、当直は外科系医師の全科当直になるため、院内に泊まって待機していた。糖質制限的には問題のあるカップラーメンを食べ終わって休んでいると。、午後10時に連絡が来た。救急搬入された50歳女性の意識障害がよくわからないという。救急室に行くと、ストレッシャーに横向きに寝ていた。呼びかけても開眼しない。

 救急当直の看護師さんに事情を聞いた。なんでも夫と不仲でもめていたそうだ、それが昨日は仲直りすることになり、一緒に飲酒し始めた(ビール500ml程度)。夫がトイレに行った後に、転倒して意識障害に陥った。それを見たこの患者さんが、過呼吸状態となり、意識朦朧となった。夫は当地域の基幹病院に救急搬送となり、妻である患者さんは当院に搬入されたというわけだった。

 一瞬痛み刺激を加えてみたところ、開眼した。話かけるとちょっと会話ができたが、また閉眼して過呼吸になる。手指は突っ張ったような印象がある。当直医が一般的な血液検査を提出していて、血液検査でわかる病状でもないとは思うが、特に異常はなかった。バイタルはまったく問題ない。何だか精神科的な印象を受けて、後で看護師さんも受診する科が違うと思いましたと言っていた。精神科通院の既往ははっきりしなかった。更年期障害的な症状で通院していたと救急隊の聞き取った既往があったが、詳細はわからない。

 精査すべきかちょっと迷ったが、2時間くらい外来で経過をみることにした。アタラックスPの点滴を側管から入れることにした。2時間経って診に行くと、穏やか顔つきで寝ていた。息子と娘が付き添っていたが(夫の方は娘婿が付き添っているそうだ)、最近不眠が続いていたという。ひと寝入りして落ち着けば帰宅できると思っていたが、家族もせっかく気持ちよさそうに寝ているのに動かすのもかわいそうということで、そのまま朝まで寝かせることになった。息子ひとりが付き添って、あとの人たちは帰宅とした。朝7時に診にいくと、過呼吸もなく落ち着いていた。帰宅して、自宅で休みましょうというと頷いた。夫は検査で異常がなく、意識も戻って帰宅になったそうだ。排尿失神だった?

 今日はICT会議で、感染防止対策加算のラウンドの話も出た。加算をとるためには、感染制御チームが1週間に1回程度の院内巡回を行う必要があるというものだ。岩田健太郎先生がブログで批判していた件だ。当院でも今月から始まった。中規模病院なので、まあなんとかなるが、毎週は負担が大きい。感染管理の指導に来てもらっている大学病院感染症科の先生の話では、大学病院では巡回の部署が多すぎて大変なので、3チームで分担して回るそうだ。おそらく全国的に困っているのだろう。感染症学会では、「院長室まで巡回するのか」という話も出て大笑いだったが、人がいるところは全部巡回が原則なので(院内保育園があればそこも)、冗談では済まなくなる。

コメント
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