なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆嚢癌?

2016年04月18日 | Weblog

 若い外科医が消化器科医に68歳女性のCT画像をみせて、相談していた。1週間前から右季肋部痛があり、内科医院を受診した。両側肺にCTで見ると陳旧性と判断される線状陰影があり、血液検査で炎症反応が軽度に上昇していることから、肺炎として経口抗菌薬で治療をされていた。良くならないので先週末に当院受診となった。CTで肝右葉全体に広がる病変を認めた。

 一見して肝膿瘍かと思ったがどうも違うようだ。発熱はなく、外来に普通に歩いてきている。炎症反応上昇と肝機能障害は軽度だった。CTでは胆嚢を指摘できない。今日外来を再受診するので、腹部エコーと腫瘍マーカー提出を追加するということだった。CEAとCA19-9は正常域だった。クラビット内服を処方していたが、炎症反応と肝機能は若干だが軽快している。腹部エコーでは壁の不規則な肥厚を伴って胆嚢が描出された。膿瘍(液体)かと思われる部位は思ったより充実性の変化だった。胆嚢癌が肝床部から肝臓へ進展しているのだろうか。患者さんの希望で、当地の基幹病院へ紹介することになったが、さらに大学病院へ紹介になるかもしれない。

 昨日入院した嘔気の続く51歳男性は、今日上部消化管内視鏡検査を行った。医局で話をしていたので、隣で消化器科医もいっしょに見ていた。胃は穹窿部から前庭部まで、びらんが散在していた。浅い線状潰瘍と表現したほうがいいところもあった。十二指腸休部にも多発性にびらんがあった。少なくとも嘔気を説明する病変はあったことになる。食事を出してもいいと言ったが、あまり乗り気ではなかったので、とりあえず夕から流動食とした。

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