感染管理加算の疑義照会が緩和された。院内の巡回は全員で行うことが望ましく、少なくとも2名以上で行うこと、少なくともリスクの高い病棟を毎回巡回し、それ以外の病棟についても巡回を行っていない月がないこと、となった。まあ、そうでしょう。
MCA領域の脳梗塞を発症した89歳は3回目の脳梗塞で、寝たきり状態で発語もなく、到底食事摂取できない状態となった。けっこう痰の絡みも多く、胃瘻造設の適応はなさそうだ。家族と相談したが、高カロリー輸液で経過をみることになった。息子さんは患者さんが通院していた町立病院(病床のほとんどは療養型病床)の担当医に、落ち着いたら入院治療をお願いしますと挨拶してきたそうだ。
誤嚥性肺炎で入院して抗菌薬投与で治癒した85歳男性も、嚥下訓練を開始したが、到底経口摂取できそうになかった。以前からの嚥下障害が進行していた。認知症で発語はほとんなく、寝たきり状態だった。今日家族と相談したが、胃瘻造設は勧めないことをお話した。さて高カロリー輸液にするかどうかだが、考えて返事しますということになった。
高齢者のこうした認知症の進行あるいは脳梗塞後遺症での嚥下障害に対して、どう治療するかは正解がない。あまり濃厚な治療は勧めないという指診はあるが、個別に決めなければならない。
村川裕二先生の(田宮栄治先生との共著)「みるみる心電図」を読んでいる。教科書というよりは、楽しい読み物。洞性頻拍のように見えるが、心拍数が高い心電図所見が出ていた。洞性頻拍で予想される最大心拍数は(220ー年齢)/分で、それ以上の心拍数では不整脈による頻拍だそうだ。症例は心拍数150/分で、PSVTだった。安静時150分では洞性頻拍とはとらないが、以前140/分の患者さんがいた。違和感があるが、形的には洞性頻拍だった。その後心拍数160~180/分になってPSVTだった。頻拍ではまずP波やF波を探す。Ⅱ・Ⅲ・aVFとV1誘導で見るが、P波は丸く、F波はギザギザと尖っている(はっきりした定義はないそうだ)。心房粗動(AFL)のF波はT波に隠れているので、そこに注目して読む。ギザギザ感がポイントだそうだ。カバーにある通り、みるみるわかるかどうかは別にして、みるみる楽しくはなる。