なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

直腸癌

2015年09月12日 | Weblog

 気管支拡張症・慢性呼吸不全で在宅酸素療法を受けている60歳代後半の男性が、肺炎を併発して内科クリニックから紹介された。入院後は抗菌薬投与で軽快して、治癒退院の予定だった。喀痰培養で緑膿菌が検出された。入院中に排便時に血液が付着して、それは半年前からあるという。 直腸指診でがっちりと腫瘤(癌)を触れて、直腸癌だった。

 下部消化管内視鏡・上部消化管内視鏡・胸腹部造影CT・スパイロ・心エコーと検査と進めた。肝臓に転移があり、肺にも小結節があり、転移と思われる。スパイロは当然混合性障害がある。心エコーによる心機能評価だけは正常だった。来週の外科カンファランスに検査をした消化器科医が出すことになっているが、手術は難しそうだ。肺の問題がなければ、当然手術を行って、術後化学療法になるはずだが、麻酔科・外科はどう判断するか。

 一人暮らしで連絡する身寄りはない。何かあったら、市役所の担当者に連絡することになっていた(入院時に挨拶に来ていた)。本人に病状をお話して今後のことを決めることになる。

 昨日高血圧症で通院している80歳台半ばの男性が、腹痛が1週間に2回あったと内科新患を受診した(受診時には腹痛なし)。昨年末に黄疸で受診して、胆嚢結石・総胆管結石と診断された。内視鏡的総胆管結石摘出術を基幹病院消化器科に依頼した。その後いったん退院となって、外科でラパ胆を行うよう勧められたが、断ってしまった。今回は肝機能障害・炎症反応上昇はなかった。腹部エコーでも胆嚢炎の所見はなく、胆嚢結石そのものによる心窩部痛だった。家族が基幹病院に連絡したそうだが、ふだん通院している当院を受診するように言われたそうだ。手術に同意したので、当院の外科で手術することにした。胸部・腹部X線、心電図、スパイロ、心エコー、上部消化管内視鏡検査と一気に検査して、来週腹部造影CT(外科に相談したら時間が経過しているのでもう1回するよう言われた)を行って外科紹介にすることにした。

 以前この患者さんの居住地の病院にいて、当院に移った。しばらくして、ひょっこり当院を受診してきて、その後継続して通院している。高血圧症の治療だけなので、近くで診てもらうよう勧めたが、そのまま通院している。理由はなじんでいるからだそうだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする