なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

間質性肺炎?

2015年09月25日 | Weblog

 昨日は、麻酔科研修をしていた若い先生(もともとは呼吸器内科)の送別会があった。大学病院の呼吸器内科へ移ることになった。本来の診療科だが、人がいないので外部の病院への出張が多くなると医局長に言われたそうだ。内科で人工呼吸器管理になった患者さんのことで相談したり、自分が当直の時に診た肺炎の患者さんの主治医になってもらったりした。さらに平日日中の救急当番や当直にも入ってもらって、病院としてかなり助かった。病院長の挨拶も、ぜひまた戻ってきてほしいだった。性格的には、これまで在籍したひとつの診療科に多数の医師がいる大病院よりも、当院のような中規模病院が向いているような気がした。当直の当番表作成を担当している外科の副院長は、いつでもいいので、当直に来てほしいとラブコールを送っていた。

 3日前に肺炎として入院した70歳代後半の男性は高熱が続き、検査値と胸部画像が悪化していた。内科の若い先生が主治医だが、間質性肺炎でしょうかという。これまでの画像を検討すると、5年前に胸膜直下にわずかな間質性陰影がある。3年前にはその間質性変化が少し増加していた。2週間前に深部静脈血栓症からの肺血栓塞栓症疑いで血管外科で撮られたCT画像では、特に右肺に間質性変化が増加していた。ただし、その時には無熱で炎症反応の上昇もない。入院時の胸部CT,今日の胸部CTでは間質性変化が進行している。気腫性変化も伴っているために、網状陰影が間質性肺炎にしては大きなツブツブに見える。それと左右差があり過ぎるくらいにあり、右肺の陰影が派手なのに、左肺の陰影はあまり目立たない。セフトリアキソンで治療していたが、抗菌薬に感受性のない細菌性肺炎なのかもしれない。間質性肺炎のマーカーは提出していないが、LDHが上昇してきている。聴診所見はVelcroラ音よりはcoarse cracklesを聴取した。

 間質性肺炎なのか、現在の治療に反応していない細菌性肺炎なのかの鑑別だが、判断が難しかった。ここは専門医に頼む方がいいと思われた。基幹病院呼吸器科の先生に連絡すると、診てもらえることになり、救急搬送となった(酸素4L/分でSpO2が94%)。

 午後に脳神経疾患がメインの病院の副院長(神経内科)が、新たに創設する病床の宣伝?のため来院した。地域医療連携室担当の先生(副院長)が対応するそうだが、約束の時間まで余裕があったらしく、大学の同級生ということで私が呼ばれた。講演会でちょっと見かけたことはあるが、久しぶりに会ったことになる。診療圏として被っているところはあるが、微妙にずれているので、当地域の基幹病院ほどの交流はこれまでなかった。脳神経外科医も複数いるので、日中の頭蓋内出血なら対応できるという。搬送先の脳外科として、その病院も候補のひとつにさせてもらうことにした。

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