なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

精神的に不安定

2015年09月14日 | Weblog

 昨日の日直の時に20歳代後半の女性が意識障害ということで救急搬入された。当地に住んでいる兄のアパートに突然やって来た(自分で車を運転して来た)。問いかけに答えず、トイレに入ってから倒れた。呼びかけても答えないため、兄が救急要請した。

 確かに傾眠状態のようになっている。時々開眼したが、また目を閉じてしまう。問いかけても発語はなかった。頭部CT・胸部X線・心電図・血液検査を行ったが異常はなかった。点滴しているうちに、少しずつ良くなって車椅子でトイレに行けた(なかなか出てこなかったが)。県庁所在地の実家から母親がやってきた。仕事のことで悩んでいてと言う。左前腕にリストカットの後が5本くらい付いていたが、最近のではないようだ。ふらふらするので、一晩入院させてほしいと母親が言うので短期入院扱いで入院とした。必ず母親が付き添うという条件を付けた。

 今朝から嘔気を訴え、興奮していたそうだ。そうだと言うのは、その間病棟の看護師さんが対応してくれていて、病院に出てきてから報告を聞いたから(忙しい医師を夜間~早朝に起こさない配慮)。有症状時の指示をうまく選んで、安定剤や制吐剤を投与していた。病室に行ってみると、興奮は少し治まっていたが、時々気持ち悪いと叫んでいた。このまま精神科につなげた方が良いと判断された。

 以前、睡眠薬を過量に飲んで救急搬入された総合病院に電話してみた。精神科医は出ずに、相談員が出た。外来初診では受けていないという。精神科救急を大々的に行う予定と新聞に出ていた病院だが、体制はまだ整っていないのか、この程度では軽すぎるということなのか。診てもらえそうなお勧めの精神科病院を訊くと、そこは親切に電話番号まで教えてくれた。

 一番目に言われた精神科病院に電話すると、やはり相談員の方が出た。事情をお話しすると、診てもらえることになった。ただ救急搬入は避けてほしいという。両親が来ていたので、父親が自家用車を運転して、母親が後部座席で支える形で行ってもらうことにした。病棟から駐車場の車まで、車いすを出した。

 リストカットだからボーダーラインと短絡的に結び付けるのはまずいのかもしれない。病名をどうしていいかわからないが、何かつけなくてはならないので、当院の入院病名はとりあえず心因反応としておいた(紹介状には病名は記載しなかった)。

 当地の高校看護科で講義を少ししているが、私の後の講義は精神科の講義だったことがあり、その紹介した病院から若い精神科医が来ていたのを思い出した。2年前くらいにヒステリー発作で頻回に来ていた当地の女子高生は最近来ていないが、進学してこちらにはいないのかもしれない。

コメント
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