なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃瘻造設

2015年09月09日 | Weblog

 今日は脳梗塞で入院していた80歳代後半の男性の内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を行った。この方は糖尿病で通院していたが、何故か経口血糖降下薬を処方すると、どれも具合が悪くなると言って飲めなかった。糖尿病薬以外も飲もうとはしないので、思い込みのようだった。一人暮らしで、山間部で犬・猫と住んでいた。通院は娘さんがその都度連れて来ていた。入院してインスリン注射を導入すると、これは受け入れた。操作の容易なイノレット30Rにして、大分怪しかったが何とか習得して退院した。

 血糖コントロールは悪く、常にHbA1cが10%以上で経過していた。再度の教育入院は絶対にイヤで、話をしている最中から帰ろうとする。インスリン注射をしているかどうかも確認の仕様がなかった。それから数年して、さすがに一人暮らしが無理となり、娘宅に同居した。娘さんが朝夕注射をしてくれるので、血糖は少しずつ良くなった。

 先月の終わりに、食事をしなくなり、発語もしないと連れて来られた。頭部CTで多発性脳梗塞があり、どれが責任病変か確定できない。50歳代のころに脳動脈瘤のクリッピングを受けていて、MRIが撮れない。脳梗塞として治療を開始して頭部CTを再検すると、新たに左内包にラクナ梗塞を認めた。不全麻痺と構語障害、さらに嚥下障害があった。ST介入で嚥下訓練をしたが楽しみ程度でしょうということになった。

 今日造設して、経管栄養を開始していくが、おそらくインスリン強化療法にしないと血糖コントロールはつかない。けっこうな手間になり、仕事をしている娘さんが自宅で世話するのは無理なようだ。療養型病床にお願いするしかないようだ。

 もう一人の80歳代男性は誤嚥性肺炎で入院して、内科の若い先生が担当していた。肺炎は治癒したが、嚥下障害(脳梗塞後遺症)で食事摂取が進まなかった。胃瘻造設を提案したが、それはしたくないという家族の希望で、高カロリー輸液に切り替えて嚥下訓練を継続していた。入院から4か月粘ったが、やはり嚥下は難しく、胃瘻造設に同意した。

 消化器科医と二人で、内視鏡係りと穿刺係りを交代で行った。私の患者さんは、内視鏡挿入で胃に2か所のⅡa病変があった。消化器科医はそちらに関心がいって撮影しまくっていた。生検もしたが、大勢に影響ないので経過観察になる。

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