※西武ホールディングスとサーベラス社の関係については「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」の記事をご参照ください。
昨日6月1日、西武ホールディングス(HD)の筆頭株主である米投資会社サーベラスが西武HDへの敵対的TOB(敵対的な株式公開買い付け)の結果を発表しました。
それによると32.44%の株式を保有していたサーベラス社は保有比率を3.04%高め、35.48%になったようです。
株式全体の3分の1超を確保したことで、株主総会で重要議案を否決できる「拒否権」を手に入れ、西武HDの経営への影響力が強まりました。
ただしサーベラス社がTOBで取得上限としていた44.67%には遠く及ばず、今回のTOBへの賛同はあまり得られなかったとも言えます。
これは西武HDの株主の方々が良識を示した形で、サーベラス社の強引なやり方には賛同しなかったということです。
ひとまず第一の山場であった敵対的TOBが終了したことで、今後の山場は今月25日に開催される「株主総会」に移ることになります。
サーベラス社はこの株主総会において、取締役を8人推薦して送り込む計画を立てています。
そのため株主総会に向けて、西武HDとの間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が繰り広げられるとも言われています。
とはいえ敵対的TOBがあまり賛同を得られなかったことを見ても、プロキシーファイトでサーベラス社が勝ち株主総会での取締役選任に必要な出席者の過半数の賛成を得ることは難しそうです。
西武HDにとってはだいぶ光明が見えてきたと思います。
サーベラス社は当初、西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止やプロ野球の埼玉西武ライオンズの球団売却など、無茶な要求をしていました。
特に波紋を呼んだのが西武鉄道の赤字路線の廃止で、これには沿線自治体が激怒することになりました。
4月5日に書いた「サーベラス社に続々と上がる反発の声」という記事で書いていますが、この時点で東京都、埼玉県合わせて合計16の自治体から抗議の声が上がっていました。
こういった抗議の声が、株主の方々に敵対的TOBへの賛同を思い止まらせたような気がします。
沿線自治体から抗議の声が上がるのは、公共性の高い社会インフラである鉄道路線を一気にいくつも廃止にすることによる人々の生活の混乱、地域経済への影響などを考えれば当然のことです。
ハゲタカヘッジファンド、サーベラス社はこういったことをまるで考えずに無茶な要求をしていて、ハゲタカはあくまでハゲタカなんだと思いました。
東京と埼玉の多数の自治体に影響を及ぼすとんでもないことを仕掛けたものだと思います。
何はともあれ、敵対的TOBが思いのほか支持を得られなかったことで、サーベラス社の思惑にも狂いが生じたことでしょう。
プロキシーファイトになってもサーベラス社は敗れると思います。
一連の行動の動機が「保有している1000億円超の西武HD株を出来るだけ高値で売り飛ばして儲けたい」なので簡単に引き下がりはしないでしょうが、西武HDには西武グループを守るべく、公共性の高い社会インフラである鉄道を守るべく、頑張ってほしいと思います。
昨日6月1日、西武ホールディングス(HD)の筆頭株主である米投資会社サーベラスが西武HDへの敵対的TOB(敵対的な株式公開買い付け)の結果を発表しました。
それによると32.44%の株式を保有していたサーベラス社は保有比率を3.04%高め、35.48%になったようです。
株式全体の3分の1超を確保したことで、株主総会で重要議案を否決できる「拒否権」を手に入れ、西武HDの経営への影響力が強まりました。
ただしサーベラス社がTOBで取得上限としていた44.67%には遠く及ばず、今回のTOBへの賛同はあまり得られなかったとも言えます。
これは西武HDの株主の方々が良識を示した形で、サーベラス社の強引なやり方には賛同しなかったということです。
ひとまず第一の山場であった敵対的TOBが終了したことで、今後の山場は今月25日に開催される「株主総会」に移ることになります。
サーベラス社はこの株主総会において、取締役を8人推薦して送り込む計画を立てています。
そのため株主総会に向けて、西武HDとの間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が繰り広げられるとも言われています。
とはいえ敵対的TOBがあまり賛同を得られなかったことを見ても、プロキシーファイトでサーベラス社が勝ち株主総会での取締役選任に必要な出席者の過半数の賛成を得ることは難しそうです。
西武HDにとってはだいぶ光明が見えてきたと思います。
サーベラス社は当初、西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止やプロ野球の埼玉西武ライオンズの球団売却など、無茶な要求をしていました。
特に波紋を呼んだのが西武鉄道の赤字路線の廃止で、これには沿線自治体が激怒することになりました。
4月5日に書いた「サーベラス社に続々と上がる反発の声」という記事で書いていますが、この時点で東京都、埼玉県合わせて合計16の自治体から抗議の声が上がっていました。
こういった抗議の声が、株主の方々に敵対的TOBへの賛同を思い止まらせたような気がします。
沿線自治体から抗議の声が上がるのは、公共性の高い社会インフラである鉄道路線を一気にいくつも廃止にすることによる人々の生活の混乱、地域経済への影響などを考えれば当然のことです。
ハゲタカヘッジファンド、サーベラス社はこういったことをまるで考えずに無茶な要求をしていて、ハゲタカはあくまでハゲタカなんだと思いました。
東京と埼玉の多数の自治体に影響を及ぼすとんでもないことを仕掛けたものだと思います。
何はともあれ、敵対的TOBが思いのほか支持を得られなかったことで、サーベラス社の思惑にも狂いが生じたことでしょう。
プロキシーファイトになってもサーベラス社は敗れると思います。
一連の行動の動機が「保有している1000億円超の西武HD株を出来るだけ高値で売り飛ばして儲けたい」なので簡単に引き下がりはしないでしょうが、西武HDには西武グループを守るべく、公共性の高い社会インフラである鉄道を守るべく、頑張ってほしいと思います。