静岡県の吉原に出かけた時、わざわざ一駅分、工場の林立する中をテクテク歩いて『比奈カフェ』に寄ってみた。
何度かメディアで見かけたこともあり、周辺ではけっこう有名なカフェでらしい。
トラックが猛スピードで行き来している道の脇、広い敷地の奥に箱型のプレハブ風の建物が建っていた。背景は煙突である。まるで昭和40年代の風景（笑）。
ところが中に入ってみたら、いかにもイマドキのカフェだった。残念ながらお昼にたっぷりのランチを食べてしまったので、飲み物だけをオーダー。それでも、ゆっくり心地よい時間を過ごせた。テーブルの間隔も広くてとてもいい空間だ。
ただ、あまりにも普通に馴染んでしまい、あれあれ？自分はどうしてわざわざここに来たのかと思いはじめる。僕は、この土地ならではの特徴を求めていたのではなかったか。
しかし、実はここは周辺の人にとっての洗練されたカフェであって、僕のような観光客をターゲットにしていたわけではなかったのだ。だってよく考えてみたら、そもそも観光客はこのあたりには来ないもんね。
評判通りとってもすてきなお店だったのに、自分の勘違いでなんだか印象が弱くなってしまい、日記に書くことすら忘れていたのである。
