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静岡県の吉原の9.2km、20分の単線を、元・京王井の頭線の車両が1両で運転されている。それ位の知識はあった。
でも、一昨年清水に向かう途中、吉原駅を通り過ぎたとき、あまりにかわいらしいそのビジュアルに、いつかは行ってみようと思い続けていたのだ。いまだに離職票やら健康保健の失効証明が届かないのをいいことに(笑)、今のうちにと出かけた。
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平塚から1時間半ほどで吉原駅に到着する。ここからホームの端っこまで歩き跨線橋を渡ると、ジュラルミンの車体の前後に赤い顔を貼り付けた岳南鉄道の電車が迎えてくれる。
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キュート!
近代的な車両が単行というアンバランスに、ぐっとくる(笑)。
電車なので、あのディーゼルの音や振動、匂いとは全く異なるが、とにかく楽しい。もちろん、先頭の座席に張り付いて運転士ビューである。おっさん一人ニコニコ。周りの人、ドン引き? いえいえ、乗客わずか、平日最高!
さあ、景色だ。もともと工場のために敷かれた鉄道なので、のどかな風景とか、美しい眺めなどは現れない。
それが、いい。
ほぼ工業地帯の殺風景な20分が潔いのだ。
いやいや、岳南原田駅から比奈駅の間にハイライトがやって来た。工場の中を突っ切るのだ。複雑に交差するパイプの中を、一気に駆け抜けていく。ここは、鉄道マニアだけでなく、工場萌えの人々にもコタエラレナイはず。未来都市を疾走するアトラクションのようである(そうでもないか)。
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一人盛り上がる中、到着するほとんどの駅が、無人駅というのもシビれる。誰もいないのは、なんでもできるということ(笑)。もちろん、オイタはいけませんよ、大人ですから。30分おきにしか電車はやって来ないので、ホームのベンチでのんびりできるのということです。
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終点の岳南江尾駅に到着するころ、他に客はいない(笑)。
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さて、今日は途中何度か乗り降りして、運賃が850円かかったのだが、土日はフリーパス400円がお得だ。
有人駅で購入したパンチを入れてもらった硬券、降り際に運転士さんに「記念にもらえないか」と尋ねたら、「どーぞー」とのこと。こいつは嬉しい。
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沿線は工業地帯と書いたが、吉原本町駅の周りは大きな商店街が広がっている。昭和の香りを残す所もあり楽しくなってきたが、歩き足りなかったな。
今日は、マニアでいう“乗り鉄”だったが、次回は本来の“輪行”で再訪しようと誓うのであった。
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