湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

辛い罠

2007-11-09 01:06:58 | B食の道


いくらカレー博士であるM氏の…もとい、カレー好きのM博士のチョイスだからとはいえ、正直あまり乗り気になれずにいた。
確かに評判らしいけど、このセンスは、いかがなものかと。

朝イチからの下北沢での仕事を終わらせて向かったのは、『マジック・スパイス』。スープカレーブームの火付け役の銘店だという(といっても、実はそんなブームがきていたことすら知らなかったんだけどね)。
平日だというのに、開店前から列ができているのだから、確かにブームのようだ。ただ「お車orUFOでお越しのお客様へ」などという貼り紙を見ると、どうもモチベーションが上がらない。
店内のメニューなども見づらくて閉口していたのだが、店員さんの受け答えは妙に心地いい。BGMもインドネシアのポップスなのかとっても軽快で、だんだん印象が変わってきた。
そして、そのスープカレーをすすり始めたころには、もうすっかり虜になっていたのである。
どうもその名前から、かつて給食に出たカレースープをイメージしていたのだが(カレーのルーを薄めた感じ)、まったく違っていたようだ。カレーの味はするものの、スープ自体は澄んでいますね。一見、醤油ラーメンのスープのよう。サラサラ。具が、よく見える。むしろ、カレー色なのはサフランライスの方で、これがまたスープとよく合う。
そうそう、スープの具の野菜がめちゃめちゃ山盛りなのも嬉しい。
そして、ピリピリくる辛さがまた後をひく。辛さのレベルを7段階の中から真ん中の『涅槃(ねはん)』にしてもらったのだが、辛くて辛くて汗が噴き出してきた。
「これなら最高峰の『虚空』でもよかったですね」と強気の発言をするM博士も、さっきからダラダラと垂れているのは汗だか鼻水だかわからない状態になっている。
とても辛いので、肉が甘~く感じられたり、サフランライスの脇に添えられたパイナップルの切れ端が嬉しかったり、こんなに楽しくおいしく食べられるカレーは初めて。ちょっと衝撃的だった。
それにしても、これだけカレーの味がして辛いのに、店内には意外にカレーの匂いが漂っていないのが不思議。ホームページ上の「固定観念、既成概念という古いモノサシを捨て…」という何とも大袈裟な表記も、あながちウソじゃあない気がしてきたぞ。
このスープカレーの中には、絶対に習慣性を生む何かが混入されているに違いない。
おぉ、それがマジック・スパイスなのか!
って、ベタベタのオチじゃあないですか(って、いいやサラサラですよ)。


こちらは、食後の「ラッシー」。M博士おすすめの甘~いヨーグルトのようなドリンクですね。辛い世界から一気に解放される瞬間がたまりません。ただ、甘い分、さっきまでのカレーの味と強烈な辛さが脳の中で反芻される感じ。


『マジック・スパイス』は、あのすずなり横丁の右脇の坂を上っていく途中。

※それでもこの日記は食べ物ブログじゃない…