あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

『芸予ブルー』_テーマカラー of 印象派_”瀬戸内シーカヤック日記”

瀬戸内シーカヤック日記: なぜか。。。竹原~大三島キャンプツーリング

2010年09月05日 | 旅するシーカヤック
2010年9月4日(土) 今日は、盆連休の島根半島&しまなみキャンプツーリング以来、約半月振りとなるキャンプツーリング。 目指すは生野島。

朝9時。 いつもの浜を出発する。 せっかく久し振りの生野島なので、ゆっくりと一周してみるかな。
 
バウを南南西に向け、契島に向けて漕ぎ進む。 途中で、西から大きなブイの様な物体が、白波を立てながらゆっくりと近付いてくるのが見えた。 ありゃなんだ?
しばしカヤックを停止させて待っていると、海上保安庁の消防艇。
 
契島は、亜鉛工場の島。 島のすぐ傍を漕いでいると、作業員の方が手を振って下さった。 うれしくなって、こちらも手を振り返す。 海のすぐ傍に居られた方からは、『お、どっから来たんや』 『竹原からでて来たんですよ』

『どこまで行くん?』 『ぐるっとこの島を回って、キャンプしようと思うてます』 『それにしてもその舟は、ひっくり返っても大丈夫なんか?』 『ええ、なかなかひっくり返らんのですよ』 『じゃあ、行ってきます』

海を独りで旅していると、こんなちょっとしたコミュニケーションでも、とてもうれしいものだ。
***
大崎上島との間の瀬戸を漕ぎ進み、生野島の桟橋に10時半に到着。 なんだか嫌な雰囲気。 人の気配がする。
 
桟橋を回り、浜が見えるところまで行くと、『ガーン。。。 いやあ参ったなあ』 浜には一隻のボートとジェットスキーが数艇。 いやはや。

久し振りの生野島キャンプを楽しみに漕いできたのだが、これでは諦めざるを得ない。 『さあて、どうしよう?』

大崎上島の西側には、大串海水浴場がある。 残念だがそっちに行ってみようか。 バウを西に向け、船島まで漕ぎ進んだ時に、ふと思い付いた。 『待てよ』
カヤックを停め、ペリケースからiphoneを取り出し、地図をチェックする。 『あ、やっぱりそうなんだ』 
***
ここからだと、大三島でよくキャンプする浜の方が近いじゃないか。 天気予報だと明日も風波ともに安定しているようだから、帰りも心配なさそうだし、大三島に変更するか。
再びバウを東に向け、垂水港近くの浜に一旦上がり、すぐ傍にあるコンビニで、お昼ご飯用のお弁当と熱中症対策のスポーツドリンクを購入。 『じゃあ、行きますか』
 
佐組島の南を抜け、神殿島を経由して、大三島の鏡崎へ。 それにしても暑い暑い。 漕いでいると、全身から汗が噴き出してくる。
当初の予定通りなら、生野島でのんびりまったりビールをプシュッと飲っているはずなんだけどなあ。。。

12時半。 浜にシーカヤックを引き揚げ、日陰に入ってお弁当を食べる。 水分を補給し、しばしきれいな海に浸かって体を冷やす。 『ああ、生き返る』

再び漕ぎ出し、13時半過ぎに、ようやく大三島の海水浴場に到着した。
***
ハッチを開けて荷物を取り出し、何度も往復してキャンプ道具と食料を運び上げる。 『ああ、疲れた』
休憩と買い出しを入れて、出発してから約4時間半のツーリング。 8月はシーカヤック教室と、お散歩ツーリングだけだったから、久し振りにしっかり漕いだなあ。

日陰に陣取り、クーラーバッグからビールを取り出し、『プシュッ』 独り静かに乾杯だ!
しばしのんびりと休憩した後は、テントを張り、荷物を放り込む。 さて、風呂に入りに行くとするか。
 
いつものように、島の道を歩いてまずはスーパーに行き、明日のスポーツドリンクと朝食用のパン、そしてビールの追加を仕入れる。 そこから『マーレグラッシア』へ行き、潮風呂とサウナ、水風呂のトライアングルをゆっくりと楽しみながら、潮抜きをし、体の疲れをほぐしていく。

午後4時過ぎに風呂から上がったが、まだまだ日は高い。 外に出る気がしないので、休憩所で5時までゆっくりと体を伸ばす。
***
日が傾き、少し南西寄りの風があるのでましではあるが、それでも歩いているとジワリと汗がにじんでくる。
浜に戻ると夕食の準備。
 
今日も、いつものように簡単手抜きメニュー。
ミートソーススパゲティとトマトソース煮込みハンバーグ。 薫製生肉と愛媛の青のりテンプラ、そして冷や奴。

そしてなにより大事なビールは、氷水でキンキンに冷やしてある。 こんな暑い日のキャンプでは、冷え冷えビールがなによりのごちそうだ!
まずはビールを『プシュッ』 『トクトクトクトク』 『いただきまーす』 『ゴクリ、ゴクゴク』 うん、もう一杯!

しだいに傾いて行く夕日を眺めながら、薫製生肉をパクリとやり、ビールをグビリと飲る。 至福の一時。
 
生野島の浜では、夕日を眺めることができないが、ここ大三島の浜では、夕日が大きな楽しみの一つ。 沈み行く太陽は、毎回違う景色を見せてくれるのだ。
***
2010年9月5日(日) メッシュテントでも、さすがにこの異常気象の9月初旬は、暑くてなかなか寝付けなかったので、半パンだけになり、団扇で煽いでいたら、いつのまにやら寝入っていた。 朝はさすがに涼しく、目が覚めると、寝ぼけ眼で探したTシャツを身につけ、もう一眠り。

テントから這い出したのは、ようやく明るくなりつつある5時半。
今日は、朝の7時半過ぎが満潮で、その後は引き潮になるため、出発が遅くなると逆潮となるのである。 と言う訳で、朝早く出発し、潮止まりを狙って竹原まで漕ぎ戻ろうと言う計画。

フライパンに少量のオリーブオイルを垂らし、昨日の残りの薫製生肉と玉子二つを放り込んで目玉焼きを作る。 食後は、ようやく顔を出した太陽に、テントやシュラフを干しながら、ドリップコーヒーをゆっくりと楽しむ。 
***
荷物をパッキングしていると、朝の散歩をしておられたおじいさんが。 『おはようございます』 『ああ、おはよう』
『どこから来たん?』 『はい、昨日は竹原から漕いできました』 すると驚いたように『え、竹原からか』 『ええ、そうなんです』

『今日は?』 『竹原まで戻ります』 『どれくらいかかる』 『そうですね。 2時間半か3時間くらいですかね』
『ところでこの舟は、ひっくり返らんのか?』と、定番の質問が。

様々なところでお話ししていると、カヤックを見て、『ひっくり返らないのか?』と、毎回のように聞かれるのである。 それはまるで、冬にロードスターをオープンにして走っていると、『寒くないのか?』と、半分呆れた様な顔で聞かれることに似ている。

いずれの例も、自分が体験した事がない事は分からないという事である。 シーカヤックはとても安定しており、余程の事がないと沈する事はないし、冬のロードスターも、ヒーターをかけていればとても快適なドライブが楽しめる。

『これは何人乗り?』 『これは一人用なんです』 すると笑いながら、『ほうか。 それにしても、こりゃあ恋人と来んにゃあいけんなあ。 一人じゃさみしいじゃろ』 私は苦笑いしながら『ええ、そうですね』 四十半ば過ぎのおやじに、そんな事言われたってねえ。。。 いったい何歳に見られているのだろう?

それにしても、やはりソロキャンプツーリングってさみしいイメージなんだろうなあ。 これも、体験した事がない事は分からない事の一例なのか? それとも、ソロキャンプツーリングが楽しめる人と、そうでない人が居るのだろうか?
***
荷物をパッキングし、カヤックに積み込んで行く。 それにしても、これだけの装備が運べるのはシーカヤックならでは。 バックパッキングや登山じゃあ、こうはいかない。
 
昨日より多めの水分を準備して、朝7時10分に浜を出発した。
 
今日も最高のツーリングコンディション。 風もなく波もない、まさに瀬戸内らしい穏やかな海。

今日は、竹原まで最短コース。 鏡崎まで30分。 神殿島までで50分。 唐島までは1時間半。
まだ朝早いので、太陽がギラギラ照りつける厳しさはないが、それでも汗が噴き出してくる。 途中、大音量で音楽を流しながら、若者グループが乗ったボートが、すごいスピードで前を横切って行った。
阿波島の辺りだったのだが、そのボートが契島辺りまで行ってもまだ音楽が聞こえてきていたから、どれだけ大音量で流していたかが分かる。 いやはや、夏の海も、いろんな楽しみ方があるものだ。

9時10分。 大三島の台から竹原の的場まで約13kmを、出発してからちょうど2時間で戻ってきた。
今年、38&39漕ぎ目となった、予定外の大三島キャンプツーリング。 とても暑くはあったが、久し振りにしっかりと漕ぐことができ、なかなか充実したツーリングとなった。 それにしても暑すぎる! 早く秋が来ないかなあ。

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