この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

「凄い」としか言いようがない『JUNK HEAD』。

2021-03-29 23:54:17 | 新作映画
 堀貴秀監督、『JUNK HEAD』、3/28、KBCシネマにて鑑賞。2021年14本目。

 日曜日、疲れ切った体にビシビシ鞭打って観に行ったのが『JUNK HEAD』というストップモーションアニメ映画です。
 自分の中の映画の神様が「これだけは何があっても観に行け」と五月蠅いので仕方なく観に行った『JUNK HEAD』だったのですが、何て言うか本当に「凄い」映画でした。
 自分の語彙力では「凄い」としか言いようがなくて、普段は自分の語彙力の貧弱さに落ち込むことすらあるのですが、この作品に関しては「凄い」としか表現出来ないことに、まぁこの作品に限っては仕方ないな、と思えるほど「凄い」のです。

 ストップモーションアニメ(-ション)、ご存知ない方に説明すると、人形を一コマ一コマ少しずつ動かして静止画を撮影し、それを連続再生することで動画にするという書いているだけで気の遠くなるような映像技法のことです。
 有名なところでは『ウォレスとグルミット』がそうですね。
 ただ最近はストップモーションアニメなのにCGで補完した作品も多くて、それならいっそ最初からCGでよくない?と思ったりもします。
 
 この作品が作られる切っ掛けとなったのは、監督兼声優兼原案兼脚本兼絵コンテ兼編集兼照明兼デザイン兼人形原型兼衣装兼音楽兼音響効果その他の堀貴秀氏が某アニメがほぼ一人の人間の手によって作られたということを聞くに及び、じゃあ自分にも出来るのではないか、と思ったことだそうです。
 ぶっちゃけ、自分にも出来るのではないかと思うことって誰にでもありますよね(対象が何であるにせよ)。
 でも自分にも出来るのではないかと思って始めたことで、ここまでのものを作り上げた人ってそうはいないと思うのです。

 何がどう凄いのか、一例を挙げると、、、例えばドイツを舞台にした作品で、登場人物は全員ドイツ人であるはずなのに、それを演じる俳優がアメリカ人であるため、ドイツ人であるはずなのになぜかしゃべっているのが英語、というようなことは映画ではよくある話です。
 で、『JUNK HEAD」の舞台は3385年の地下都市です。
 そんな遠い未来のお話で、キャラクターたちが日本語を話していたら、よくよく考えたら変ですよね?
 でもそんなことを気にしていても仕方がないからキャラクターたちは日本語を話すのですが、『JUNK HEAD』の場合、キャラクターたちが話しているのが架空の言語なんです(観客はそれを日本語字幕で理解する)。
 一つの作品を作るために言語まで創作しますかね?
 普通はそこまでしない、でもそこまでやっちゃうのが『JUNK HEAD』なのです。

 正直面白いかどうかで語れる映画ではありません。
 ともかくお近くの映画館で上映されていたら是非あなた自身の目でその凄さを確かめに行ってください。
 凄いです。

 お気に入り度★★★★★、お薦め度★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする