内田けんじ監督、大泉洋主演、『アフタースクール』、6/1、ユナイテッド・シネマキャナルシティ博多にて鑑賞。2008年25本目。
自分が好きな映画評論家の一人に柳下毅一郎という人がいて、この人は映画の評論とはこうあるべし!といった感じの御手本みたいな評論を書く一方、本当にすごいと思うのは自腹で『銀幕版スシ王子!~ニューヨークへ行く~』や『少林少女』などのダメ映画を観に行って、きちんとその映画のレビューを書いているということだ。
無論柳下氏がそれらのダメ映画を観に行くのは悪趣味だからというわけでなく、邦画バブルを憂いて、真に日本映画を愛すればこそである。
映画『少林少女』を、メディアに踊らされて、へぇ、柴咲コウが主演で『踊る大捜査線』のスタッフが作ってる映画なんだ、面白そう♪といって観に行くのであればわからないでもないが、事前にちゃんと作品の内容、出来を把握して、そのダメさ加減を嘲笑するためでなく、レビューを目的に観に行くということはなかなか出来ることじゃない。
少なくとも自分は出来ない。タダでもいいといわれても観る気になれない。自分の好みの映画を観に行くだけで精一杯だ。それすら観逃してしまうこともある。
だから自分は映画評論家柳下毅一郎を心から尊敬している。
ただ、日本の映画界が、柳下氏がいうような末期状態にあるとは自分は思っていない。
『少林少女』や『スシ王子!』のような映画が公開される一方、去年であれば『キサラギ』や『アヒルと鴨のコインロッカー』のような良質の日本映画も公開されているからだ。
そして『アフタースクール』である。
こういうような映画もあるなら日本映画界も捨てたもんじゃない、と思う。
正直、途中まではひどく退屈だった。ちょっとしたクスッと笑えるようなシーンもあるにはあるものの、物語がただひたすら淡々と進んでいき、だらだらと観ていた。
だが、そういった退屈な展開すら実はミスリードだったと気づかされたとき、やられた!と思った。この騙され感は悪くない。むしろ爽快ですらある。
小説でいえば伊坂幸太郎の作品を読んでいるような感じに似ているかもしれない。
ラストシーンも爽やかで非常に気持ちがよかった。
この映画の特集を組んでくれたテレビブロスにはやはり感謝しなければいけないな、と思う。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
自分が好きな映画評論家の一人に柳下毅一郎という人がいて、この人は映画の評論とはこうあるべし!といった感じの御手本みたいな評論を書く一方、本当にすごいと思うのは自腹で『銀幕版スシ王子!~ニューヨークへ行く~』や『少林少女』などのダメ映画を観に行って、きちんとその映画のレビューを書いているということだ。
無論柳下氏がそれらのダメ映画を観に行くのは悪趣味だからというわけでなく、邦画バブルを憂いて、真に日本映画を愛すればこそである。
映画『少林少女』を、メディアに踊らされて、へぇ、柴咲コウが主演で『踊る大捜査線』のスタッフが作ってる映画なんだ、面白そう♪といって観に行くのであればわからないでもないが、事前にちゃんと作品の内容、出来を把握して、そのダメさ加減を嘲笑するためでなく、レビューを目的に観に行くということはなかなか出来ることじゃない。
少なくとも自分は出来ない。タダでもいいといわれても観る気になれない。自分の好みの映画を観に行くだけで精一杯だ。それすら観逃してしまうこともある。
だから自分は映画評論家柳下毅一郎を心から尊敬している。
ただ、日本の映画界が、柳下氏がいうような末期状態にあるとは自分は思っていない。
『少林少女』や『スシ王子!』のような映画が公開される一方、去年であれば『キサラギ』や『アヒルと鴨のコインロッカー』のような良質の日本映画も公開されているからだ。
そして『アフタースクール』である。
こういうような映画もあるなら日本映画界も捨てたもんじゃない、と思う。
正直、途中まではひどく退屈だった。ちょっとしたクスッと笑えるようなシーンもあるにはあるものの、物語がただひたすら淡々と進んでいき、だらだらと観ていた。
だが、そういった退屈な展開すら実はミスリードだったと気づかされたとき、やられた!と思った。この騙され感は悪くない。むしろ爽快ですらある。
小説でいえば伊坂幸太郎の作品を読んでいるような感じに似ているかもしれない。
ラストシーンも爽やかで非常に気持ちがよかった。
この映画の特集を組んでくれたテレビブロスにはやはり感謝しなければいけないな、と思う。
お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。