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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

シリアナ。

2006-11-14 23:08:14 | 新作映画
 秋の夜長の一人映画祭第二弾は『シリアナ』

 全然映画とは関係ない話なんですけど、自分は約束を守ってくれる人が好きです。正確には、約束をすること自体が好きなのかもしれません。
 というのも、どういった用件であれ、自分みたいな人間と約束をしてくれる人って滅多にいないからなんですけどね。
 今度遊びに行きましょう、今度飲みに行きましょう、そういった口約束は理性では社交辞令だとわかっていてもついつい信じちゃうんです。もちろんそれらが実際果たされることはありません。
 まぁでもそれは仕事上の付き合いでの社交辞令なんだから、果たされなくてもどうってことはありません。特に傷つくということもない。世の中そーゆーもんだと思ってるし。
 でもそれがごく親しい(とこっちが思っている)相手だと話が違ってきて、些細な約束であっても破られるとすごく傷つくんです。そんなことで一々傷ついてどーすんの?といわれると思うんですけど、とにかくガクッとくるんです。
 だから自分が誰かと約束を交わしたら、可能な限り守りたい、そう思ってます。逆に言うと出来ない約束はしたくありません。
 やっぱり果たせていない約束があると死ぬとき心が穏やかではいられませんからね。などと大袈裟なことを言いつつ、しばしば約束したこと自体を忘れちゃうんですけど。(←めちゃめちゃダメじゃん。)

 前置きが長くなりましたけど、この『シリアナ』を見(てレビューをす)ることもある人との約束だったんです。自分としてはさっさと『シリアナ』を見て、レビューを書きたかったんですけど、前評判を聞く限り『シリアナ』ってやたら小難しくて重い話っぽかったから正直見るのは気が重かったんです。
 でも実際鑑賞してみたら全然そんなことはなくて、単純に楽しめました。
 レビューとか読んでいると予備知識が必要とか書かれているのをよく目にしたんですけど、そんなこともないんじゃないかなぁって自分は思いました。
 作品の中に出てくる石油企業にしろ、王家にしろ、現実を反映したものであっても所詮架空の存在だし。まぁ中東地域は石油の利権を巡って常にきな臭い、ぐらいのことを知っていれば充分じゃないでしょうか。
 話が脱線するけど、やっぱり予備知識が必要な映画っていうのは(よほど特別な場合を除いて)二流ではないでしょうか。以前から興味を持っていたテーマが扱われている映画があるからその映画を観に行く、映画で扱われていたテーマについて興味を持ったから鑑賞後さらに自分なりに調べてみる、そういったのはごく自然だと思います。
 でも一本の映画を観に行くためだけにその映画で取り扱われている事柄について知らなければいけないだなんて自分から言わせてもらうと馬鹿馬鹿しいです。
 これは別に映画だけではなくて、小説でも漫画でも音楽でもそうです。あとがきを読まなければ結末に納得できないミステリー小説だなんてナンセンスです。同様に予備知識がなければ理解出来ない映画も二流です。
 作者は作品の中だけで想いのすべてを語るべきだと思うのです。
 そういった意味では『シリアナ』は決して二流ではありませんでした。
 ただ、、、そこで語られるストーリーそのものは別に難しいとは思いませんでしたが、作品の展開がひたすら淡々としていて見ていて非常に疲れました。やたら一本調子で、別につまんないというわけではないのに、いつになったら終わるんだろうって、そのことばかり気になりました。
 結局のところ同様のテーマを取り扱っているといえる『華氏911』の方がメリハリがあって作品的に優れていると思えますし、同じ製作スタッフが作ったという、アカデミー賞を受賞した『トラフィック』も未見なのですが、『シリアナ』を見た限りでは手を出そうという気にはなれませんでした。
コメント (10)
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