この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

カオス。

2006-11-25 23:30:31 | 新作映画
 ジェイソン・ステイサム主演、『カオス』、Tジョイ久留米にて鑑賞。


 先日鑑賞した『トゥモロー・ワールド』に関して、自分は脚本的に弱い作品だ、という旨の発言をしました。どこらへんが弱いかというといくつかあるのですが、例えば主人公セオの元妻であるジュリアンは車での移動中、暴徒の襲撃により命を落とします。このあと暴徒の正体がジュリアンの部下の知り合いであることが判明します。つまり、襲撃そのものが部下の指示によるものだったんです。そうすると変です。なぜなら車には物語の最重要人物である女性キーも同乗しているのですから、襲撃するにしても車に向けて発砲するのはおかしいです。というか、そもそもなぜ襲撃しなければいけないのかがわかりません。部下が組織を乗っ取るため?だとしてもキーの身を危険に晒すはずがありません。
 自分にはただ展開上の都合によって(よくよく考えると物語としては不自然だけれど)ジュリアンには退場を願った、そうとしか受け取れません。
 とはいえ、それらの脚本における弱さが鑑賞中にはほとんど気にならないほど『トゥモロー・ワールド』の映像には迫力があります。クライマックスの戦闘シーンなどそれこそ息を飲むほどの迫力で、観るものの多くが圧倒されたのではないでしょうか。
 そういった映像の迫力があってこそ、この映画の伝えようとするメッセージが、自分は“子供は世界の宝だ”と受け取りました、説得力を持つのだと思います。

 一方、『カオス』はまず脚本ありき、の作品です。こういった作品では例えどんなに映像に迫力があったとしても『トゥモロー・ワールド』のような脚本の弱さがあってはいけません。物語が破綻していると観ている側としては白けるばかりです。いくら真相が意外なものであってもお話に無理があっては「んなわけねぇ!!」って突っ込まれるだけですから。
 その点『カオス』はよかったです。真相がわかって、「うわ、やられた!」と思いました。登場人物の一人がやたらと行動が不自然なので、ははーん、こいつが真犯人だな、と思ってたら見事に裏を掛かれました。
 正直腑に落ちない箇所もいくつかありました。例えばデッカーによって銀行襲撃犯が仲間との落ち合う場所と時間について口を割らなかったらどうしてたのだろう、って疑問に思いました。まぁあれだけ頭のいい犯人ですからきっと予備プランも準備していたのでしょう。笑。
 ともかく、まず脚本ありきというスタンスの『カオス』は自分の好みの作品でした。ドンデン返し系の作品が好きな方にはお薦めです。

 次回鑑賞は『暗いところで待ち合わせ』の予定。
コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする