ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

文芸散歩  金田鬼一訳 「グリム童話集」 岩波文庫(1-5冊)

2013年03月30日 | 書評
ドイツ民俗研究の宝庫「児童と家庭向けのおとぎばなし」 第90回

* KHM 151  ものぐさ三人兄弟
王様には三人の息子がいました。誰を世継にするか、ものぐさ度で判定することになりました。三人は自分のものぐささを自慢げに吹聴します。一番末の息子は、自分が絞首台で首に縄をかけられて、誰かがナイフを渡したとしても自分は面倒だから死んだ方がましだと考えるといって王様を感心させました。世継は末弟に決まりました。

* KHM 152  牧童
賢い羊飼いの男の子がいました。その評判は国の王様の耳には入り、王様は男の子を呼び3つの謎掛けをしました。第1問は大海の水滴の数、第2問は空にある星の数、第3問は永劫とは何秒のことかということです。男の子の答えはかならずしも理解できませんが、「一休さんのトンチ比べ」のようなもので屁理屈に過ぎません。参ったというか反論するかそれは王様次第です。

* KHM 153  星の銀貨
小さな女子の父も母も無くなって、酷い貧乏なくらしでもっているものはパン一切れでした。女の子は信心深い人でひたすら神様を信じておりました。路で会った腹を減らした人にそのパンをあげ、かぶるものがない人に自分お帽子をあげ、着る物がない子どもに自分の胴着を与えて自分は裸になりました。そのとき空から降る星の如く、女の子の頭に銀貨が落ちてきました。一生涯女の子はお金持ちで暮らしました。流星は幸運をもたらすという民間信仰と考えられます。
(つづく)



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