アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

日曜日記52・大相撲と自衛隊・「引きこもり」と家族・鳴らない音響式信号機

2019年06月02日 | 日記・エッセイ・コラム

☆大相撲と自衛隊

  日ごろは大相撲千秋楽の表彰式など見ないが、5月26日は見た。トランプが出るからだ。見て驚いた。観客全員起立しての「君が代」斉唱(これには別に驚かないが)、その伴奏をしたのが、なんと「航空自衛隊音楽隊」(場内放送)なのだ。

  これはいつものことなのだろうか?それとも、トランプと安倍の観戦に合わせた特別の演出なのだろうか?(次の場所の千秋楽に確かめてみよう)
 それはともかく、大相撲と自衛隊の結合は意味深だ。大相撲と天皇制との深い関係はこれまで何度も書いてきた通り。つまり大相撲と自衛隊の接近・結合は、天皇(制)と自衛隊のそれに通じる。

  さらに、トランプ杯は今後毎年5月の夏場所の優勝力士におくられるという。ここに大相撲を介し、天皇(制)と自衛隊とアメリカ(日米同盟)のトライアングルが出来上がっている。

 ☆「引きこもり」と家族

  川崎の殺傷事件で、「引きこもり」に対する偏見が助長されないように、との警鐘が関係者から鳴らされているのは重要だ。 

 そんな中、沖縄で「引きこもり」の支援をしている「アトリエみらい」の東邦治理事長が、「沖縄は横のつながりが強く、子どもが引きこもると親も親族などの目を気にして引きこもる場合が多い」(1日付沖縄タイムス)と話しているのが気になった。

 これは「本土」にも言えることではないか。「本土」は横のつながりが弱い一方、「世間の目」が冷たく、本人とともに親(家族)も苦しい立場に追い込まれているのではないか。

  今回の事件の社会的根源にどうメスを入れればいいか。即答は難しいが、思うのは、本人はもちろん、家族をけっして追い込んではいけないということだ。本人と家族に対する「社会」の視線と支援が問われているのではないだろうか。

☆鳴らない音響式信号機 

 近所の信号機は青になるとメロディが流れる。が、早朝バイトに行くときは鳴らない。それは気づいていたが、さほど気にとめなかった。しかし、これには大きな問題が内包されていることを最近知った。

 音響式信号機は全国に2万4000台ほどあるらしいが、その多くは午後7時から翌朝8時までは鳴らないそうだ。なぜか。「夜間の近隣住民の生活に配慮」しているからだという。実際に「近隣住民」から苦情が出たのか(全国で出たとは思えない)、それとも行政(警察?)の忖度かは知らないが、信じがたい理由だ。家屋からかなり離れている信号機のあれほどの音が「迷惑」とは。

  聴覚障がい者の団体からは声明や要望書が出されているという。迷惑なら音を小さくしてもらってもいい、押しボタン式にしてもいいから、夜間でも横断できるように音を出してほしい、と。なんとつつましい要望だろう。

  ことほど左様に、「日本社会」は障がい者の人権が保障されていない、生きにくい社会だということだ。その背景(根底)には、障がい者に対する差別がある。
 ハンセン病家族訴訟弁護団の徳田靖之弁護士の言葉が想起される(5月19日のブログ)。
 「差別をつくっているのは国だが、直接の加害者は隣近所の一般市民だ」

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 前回(2017年11月)出版したものの続編で、17年6月から今年5月7日までの「アリの一言」の中から天皇制に関するものを拾いました(前書きと資料1点=明仁天皇の生前退位ビデオメッセージ)。印刷部数の目安のため、以下の要項で予約を募集します。
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  〇代金のお支払い=振込先を本に同封しますので、お手元に届いた後にお振込みください(2冊以上の場合は1000円×冊数)
  〇予約締切=ご予約は6月6日で締め切ります。予約数以上に印刷しますので、後日のご購読お申し込みも可能です(部数のある限り)
  〇予約お申込み=件名に「本予約」とお書きのうえ、お名前、ご住所(お送り先)郵便番号、部数を以下のEメールアドレスにご送信ください。  Eメールアドレス:satoru-kihara@alto.ocn.ne.jp
 全くつたない内容ですが、何かの参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。


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朝鮮敵視の偏向報道は日本をどこへ導くか

2019年06月01日 | 朝鮮・韓国差別とメディア

     

 NHKは5月31日夜7時のニュースで、「北朝鮮、対米交渉キーパーソン粛清か」との「ニュース」を、川崎の殺傷事件に次ぐ準トップで、5分間にわたって流しました。「朝鮮日報」の記事を検証することもなくそのまま流し、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)に対して「粛清国家」のイメージを植え付けるもので、きわめて重大な偏向報道と言わねばなりません。

 同種の「報道」は夕方のTBS「Nスタ」でも行われました。6月1日付の新聞も、産経をはじめ同様の記事が予想されます(ブログ執筆時は朝刊発行前)

 「朝鮮日報」の記事は、韓国統一省副報道官が同日の記者会見で「内容は確認できていない」と述べたように(写真中)、きわめて疑わしいものです。それを「事実とするなら」(NHKアナウンサー)という言葉を最後につけただけで、さも事実であるかのように延々と流すなど、報道機関としてあるまじき行為です。人を殺人者よばわりする風評を何の検証もせずに「ニュース」にすること変わりません。

  その一方で…。

 5月21日付の中国新聞第2社会面の雑報欄に、「拉致被害疑いの男性発見」の見出しで、次のような記事(共同電)が小さく載りました。
 「千葉県警は20日、『北朝鮮による拉致の可能性を排除できない』行方不明者883人のうち、1992年に失踪した50代の男性を今年4月に国内で発見したと発表した。…『特定失踪者問題調査会』は…53歳の元陸上自衛官と明らかにした」

 「北朝鮮に拉致された」と言っていた男性が実は日本国内にいたという事実です。
 これは氷山の一角です。「特定失踪者」が日本国内で発見されたのは今回が初めてではありません。朝鮮新報(29日付)によれば、少なくとも「13年8月と9月、14年11月、15年6月と10月、16年6月と12月」にも国内で発見されています。

 これは何を意味しているでしょうか。政府が発表してきた「拉致被害」の実態がきわめて不正確なものであり、「失踪事件」を「北朝鮮による犯罪」としてきた政府と日本のメディアの”拉致キャンペーン“がいかに偏向したものであるかを示すものではないでしょうか。

 朝鮮側は今回の千葉県警の発表についてこう論評しています。
 「朝鮮中央通信社論評(26日付)は、日本当局がけん伝する『拉致問題』の詭弁を如実に示しているとし、安倍政権は『詐欺と謀略のベテラン』だと揶揄した。労働新聞27日付論評は、空前絶後の特大型の拉致犯罪(植民地支配下の「慰安婦」、強制徴用など―引用者)を抱えている日本が、過去の罪悪を清算する考えは全くせず、かえって国内で行方不明となった人々をわれわれと故意に結び付けているのは、反朝鮮謀略の極みであると糾弾した」(29日付朝鮮新報)。

  問題は、この事実を日本のメディアがどう報道したかです。

  失踪者が国内で発見されたという千葉県警の発表を報じたのは、先の中国新聞(共同)のほかは、毎日新聞と産経新聞がいずれも第2社会面で雑報扱いしただけで、朝日新聞、読売新聞はまったく報じませんでした。NHKも同様です。
 朝鮮中央通信や労働新聞の論評にいたっては、1行でも報じた新聞、テレビは皆無でした(広島で私が見た限り)。

 朝鮮を「悪」とする新聞報道は垂れ流し、都合の悪い警察発表は無視(軽視)し、朝鮮側の主張は歯牙にもかけない―これが朝鮮を敵視する偏向報道でなくて何でしょうか。

 もちろん、朝鮮に対する偏向報道は今回に限ったことではありません。「発射実験」をめぐる一連の報道もその典型です。朝鮮を「悪」とみなす偏向報道は日本メディアの例外なき宿痾です。

 その結果、「市民」には朝鮮に対する先入観が植え付けられ、差別が増長されます。そして安倍政権は「強まる北朝鮮の脅威」なる幻影をふりまき、それを口実にアメリカ製の巨額の兵器を大量購入し、社会保障など生活関連予算を圧迫しながら、大軍拡を強行します。

  かつて「鬼畜米英」のプロパガンダが日本をどこへ導いたかを振り返るまでもなく、朝鮮を敵視する偏向報道がこの国をどこへ向かわせようとしているのかを、「日本市民」は冷静に考えなければなりません。

<お知らせ 『象徴天皇制を考えるⅡ』ご予約案内>

 『「象徴天皇制」を考えるⅡ その過去、現在、そして未来』を自費出版します。  前回(2017年11月)出版したものの続編で、17年6月から今年5月7日までの「アリの一言」の中から天皇制に関するものを拾いました(前書きと資料1点=明仁天皇の生前退位ビデオメッセージ)。印刷部数の目安のため、以下の要項で予約を募集します。
〇本の体裁=B6判、モノクロ、ソフトカバー、233ページ(1テーマ見開き、計110テーマ)
〇価格=1冊1000円(送料込み)
〇本の発送=7月上~中旬予定
〇代金のお支払い=振込先を本に同封しますので、お手元に届いた後にお振込みください(2冊以上の場合は1000円×冊数)
〇予約締切=ご予約は6月6日で締め切ります。予約数以上に印刷しますので、後日のご購読お申し込みも可能です(部数のある限り)
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 全くつたない内容ですが、何かの参考になれば幸いです。よろしくお願いいたします。

     

 

 


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