アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

アニメ「琉球王国」・・・製作エネルギーは「怒り」

2013年06月02日 | 日記・エッセイ・コラム

Anime2Anime1 ドキュメンタリー・アニメ「琉球王国-MADE IN OKINAWA」の上映と製作者の木下小夜子監督のトークが1日那覇市内でありました。アニメはもちろん、木下さんの製作姿勢、生き方に胸を打たれました。
 アニメは2004年に製作。わずか17分43秒の中に、薩摩Anime4Anime3_2
藩の侵略(1609)から沖縄戦での集団強制死(写真上)、現在の米軍基地まで歴史上忘れてはならない主な出来事を網羅。昭和天皇(皇太子時代)の沖縄訪問(1921)や人類館事件(1903)などあまり取り上げられない出来事も盛り込まれています。(写真中)。セリフはほとAnme6Anime5_2んどなく、アニメ独特のユーモラスな動きの中に重いテーマが充満。1つひとつは細切れなので、「これをきっかけに学習してほしい」と木下さん。
 製作中に公私ともに分身だった夫の蓮三を失い、失意の底に。それでも意を決して完成させたエネルギーの源は、「理不尽に対する怒り」だと言います。「琉球はもともとインターナショナルな素晴らしい国だった。それが日本の属国、植民地化された。この理不尽に対する怒りをアニメで世界中に知らせるのが私の使命だと思った」。
 「怒り」を「力」に。それが「公害」からはじまり「ピカドン」「最後の空襲くまがや」などこれまでの作品に貫かれている木下さんの製作姿勢です。「日本からは沖縄が全然見えていない。でも沖縄からは日本がよく見える」。その苛立ち・怒りは蓮三さんが描いたイラストにも表れています(写真下。右は取材に応える木下小夜子監督)。
 沖縄人ではない木下さんがなぜ沖縄のことに一生懸命に?と聞かれることも。そのとき木下さんは答えます。「同じ地球人だから。人としてつながっているから」。
 ここにも一人、心血を注いでオキナワへの「理不尽」とたたかっているヤマトンチュウがいます。
 (アニメのDVDは学習会などには無償で提供されます。問い合わせは、スタジオロータスTEL03-3585-0696、FAX03-3585-8665)

 <今日の注目記事>(2日付琉球新報1面トップから。沖縄タイムスも1面)

 ☆<歴史教科書 不確定な記述制限 自民公約追加安 「自虐史観」と指摘
    新任教諭研修を義務化>
 「自民党は参院選公約に、公立小中学校教諭の能力向上策を柱とする新たな『人材確保法』制定を明記する方針を固めた。・・・新任教諭を本採用する前に1年間の研修を義務付けるとともに、校長や教頭への登用に新たな条件を課すなど『資格』の厳格化を盛り込む。・・・公約はまた、教科書検定をめぐって日中戦争中の南京虐殺の犠牲者が『誇大に独り歩きしている』との保守派研究者らの指摘を念頭に、確定した事実以外は本文に記載しない原則を打ち出す。保守層に訴える狙いだが、教育への政治介入が強まるとして野党を中心に反発が出そうだ」
 教科書がまた攻撃されます。教科書からさらに真実が消されていきます。一番に消されるのは「従軍慰安婦」や「日本軍による集団強制死」でしょう。


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