アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

性犯罪を実名で告発してはいけないのか!

2013年06月10日 | 日記・エッセイ・コラム

NahatisaiWansutoppu 小学5年生(当時)の少女が義父から性的暴行を受けた事件の第2審判決が6日福岡高裁那覇支部(写真左)でありました。加藤慧太被告(31)に対する懲役7年の1審判決を1年減刑する不当判決でした。さらに驚いたのは、その減刑理由です。
 1つは、1審判決後、損害賠償金(882万円)を一括で支払ったこと。もう1つは、被害者母娘が実名で事件を公表したことで「精神的負担の全てを被告人に責任を負わせるのは妥当でない」と。驚きました。怒りを抑えることができません。
 1つ目は金で事件の本質を隠ぺいするもの。金がある者は刑が軽くなるのか。それ以上に許せないのが2番目です。被害者の母親は田中真生さん。この「日記」でも何度か書かせていただきましたが、事件を契機に性被害者を早期に1カ所で救済するための「ワンストップ支援センター」を沖縄に設立するため、まさに身を削って奮闘されている方です(写真右は田中さん母娘が作った「会」のロゴ)。私もメールでお話ししたことがありますが、その姿勢には頭が下がります。
 田中さん母娘は性被害者が泣き寝入りする社会がなくなるように、そして「ワンストップ」が1日も早く実現するように、渾身の勇気をふりしぼって実名で告発したのです。それがこともあろうに加害者の減刑理由になるとは・・・。どう考えてもおかしい。性被害者は黙っておとなしくしていろというのか。日本の司法は性犯罪に甘すぎる。橋下発言が頭をよぎります。絶対に改められなければなりません。
 もうひとつ問題なのは、新聞報道です(全国紙はチェックしていません。すみません)。今回の高裁判決について、琉球新報は7日付記事では加藤被告の名前は出しましたが田中さんの名前は伏せ、9日付解説では田中さんの名前も出しました。一方沖縄タイムスは7日付記事、9日付解説とも、加藤被告の名前も田中さんの名前も伏せています。その意図は書かれていません。書いていないこと自体問題です。もちろん性被害者をすべて実名で報道すべきだというのではありません。それを原則にすべきだとも思いません。すべては被害者本人の意思です。今回の場合、被害者はもとより加害者の名前まで伏せるのは、裁判所の不当な言い分に同調するものだと言わざるをえません。

 <今日の注目記事>(10日付沖縄タイムス1面・平安名純代米国特約記者から)

 ☆<嘉手納基地 評価額1位 米国外基地資産順位6年連続>
 「全世界の米軍基地や施設を対象に、米国防総省がまとめた2012会計年度の資産評価に関する報告書で、米国外基地のなかで空軍嘉手納基地の資産価値が最も高いことが8日までに分かった。嘉手納基地の1位は6年連続。/トップ4には、嘉手納のほか、横須賀、三沢、横田で、上位20位以内に7カ所の在日米軍基地が入っており、資産価値の高い米軍基地が日本に最も集中していることが分かる。米本土を含む全世界の米軍基地・施設数は5211。そのうち米本土内に4451、七つの米領に94、米国以外の40カ国に666となっている。国別では、最多がドイツ(232)で、次いで日本(109)、韓国(85)の順となっている」


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