明治座にて、新春初観劇をいたしました。
わたしにとって、明治座は初めての劇場です
劇場内の造りが、ちょっと博多座に似ていました。
いつも行く劇場では絶対にいただかない、大御所・ベテラン歌手の皆さま方の舞台のチラシをいただきました
さてさて『女たちの忠臣蔵』は‥‥
有名な“忠臣蔵”の四十七士の妻や姉や恋人たちの、哀しいお話でございます。
愛する人から、とり残されてしまう女たちの悲しみの物語でございます。
一路真輝さんがご出演です
退団以来、初の時代劇です。
一路さんのお役は、大石瀬左衛門の姉、“大石つね”。
盲目の設定なので、目線を定めないでの立ち居振舞いや、お琴の演奏や、お習字など(舞台上で白い屏風に大筆で書くのです)、役の形を整えることが、まず大変だったろうなあ…と思いました。
一路さんは、綺麗な富士額なので、江戸の武家の鬘がとてもよく似合っていて、お着物でのしぐさもきれいで、ミュージカルの人が時代劇に紛れ込んだ違和感は全くありませんでした。
せりふも、生の声を舞台上のマイクで拾う形だったのですが、とても自然で聞きやすかったです。
弟だけを頼って生きてきた“つね”の、見せかけの気丈さの裏に押し込まれた、脆さや弱さが、とてもせつなかったです
セリョージャを想うあまりに、もの狂うアンナを、彷彿とさせるものがありました。
高島礼子さんの大石りく(水ごりの場面が本水でしたどの場面もしみじみとせつなかったです。)
高橋恵子さんの搖泉院(お芝居に引き込まれました。静かさの中に凜と炎が燃えているような。)
藤田朋子さんのしの(四十七士の恋人。鼓の演奏が見事でした。)
熊谷真実さんの八重(遊女に身を堕とした四十七士の妻。大熱演でした。)
一路真輝さんのつね
この5人に纏わるストーリーが、討ち入り前と後で、オムニバス形式で進行していきます。
5人同士の絡みは、りくとつね以外にはないので、“忠臣蔵”という柱はあっても、芝居全体としては散漫な印象を受けました
ひとりひとりの物語は、それぞれとてもいいのだけれどね…
だから、舞台転換がとても多く、そのたびに一旦幕が降ります。
その2~3分の間は、お芝居の雰囲気に合った、もの悲しい雰囲気のBGMが流れていました。
ただ、幕が上がって次の景が始まっても、大道具さんの金槌とかの作業の音が聞こえているのは、ちょっとね‥‥
「忠臣蔵」というと、雪です
これが、どの景でも、降ること、降ること、降ること、降ること
容赦なく客席まで、吹雪のように舞ってきます
もったいないようなセンターの前方席だったのですが、雪(紙吹雪)まみれになりました
上の座席からは、とても壮観だと思います
雪まみれもまた、楽し
お正月の明治座は、お着物の方が多いかな?と思いましたら、それほどはいらっしゃいませんでした。
でも前方席だけみると、お着物を綺麗に着こなした奥様方が多かったです
そして‥‥
遅ればせながらm(__)m
一路真輝さま
お誕生日おめでとうございます
心穏やかに過ごせる、佳い年になりますように