あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

大御心 『 天皇親政とは、大御心とは 』

2020年05月31日 14時50分56秒 | 大御心


大御心
神国の中核となっているのが現人信仰である。
日本民族の祖先神のうち、もっとも重要視され、信仰の中心になっているのが、天照大御神。
これは 古代における太陽信仰と偉大な祖先神と 合体した人格神であるが、
この太陽信仰こそ、農耕民族である日本人の民族性の核心を成すものである。
この太陽神と祖先神の合体した人格者である天照大御神の、
直系の子孫が天皇であるというのが現人神信仰なのである。
天皇を現人神または現御神 アキツミカミ と称するのは、
天皇が神であるという意味でなく、
天照大御神と それにつづく祖先神の神霊を体現して国民に臨む、
つまり神と同一の心境、
純粋無私の精神で君臨するという意味である

・・・
大御心 「 罪あらば我を咎めよ天つ神 民は我が身のうみし子なれば 」 

大御心

罪あらば我を咎めよ天つ神
民は我が身のうみし子なれば

目次

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1 秩父宮と天皇
先般、不幸にして勃發いたしました陸海軍將校の、首相暗殺事件につき、
聖上陛下にはいかに御宸念遊ばされましたことか、洵に恐懼の至りに堪えぬところでございます。
しかし乍ら今回の事件は偶發的に起こったものでなく、
その根底には國家の現狀と將來を深憂する多數の皇軍將校と、愛國靑年群が存在いたします。
政黨政治は國家百年の大計を捨てて、目前の党利党略に抗爭を事とし
財界は皇恩を忘れて私利私欲の追求に餘念がありません。
近年の經濟不況によって、一億國民の大多數は塗炭の苦境に呻吟いたしております。
洵に餓民天下に満つと申しても過言ではありません。
天下萬民の仁父慈母に存します聖上陛下におかせられましては、
この國民の困窮を救うため、速やかに昭和維新の大詔を渙發あらせられ、
内は百僚有司の襟を正さしめ、財界の猛省を促し、上下一體となって國利民福の實をあげ、
外に向っては國交の親善を増進して、大いに皇威を發揚し、
以て帝國興隆の基を築かれんことを、
草莽の微臣、闕下にひれ伏して、謹んで奏上仕ります。
・・・西田税  秩父宮に託した天皇陛下への建白書
・・・紫の袱紗包み 「 明後日参内して、陛下にさし上げよう 」 

陛下、現實は建白書にある通りです。
『 餓民天下に満つ 』 これですよ !
世界恐慌で繭の価格が下がり、飯米も買えない農家が娘を賣る。
『 途端の苦境に呻吟』
陛下はどれだけ國民が窮乏しているかご存知ないでしょう。
政治家はなにもしない。
『 國家百年の大計を捨てて、目前の党利党略に抗爭を事とし 』
その通り !
政友会と民政党は交互に政權に就くたびに、相手方の汚職事件を暴くことに血眼になっている。
財閥は 『 私利私欲の追及に 』 巨利をむさぼる。ドル買いがいい例です。
陛下 これが現實ですよ !   判りますか。
政治を變えなくてはならない。それには天皇大權を發動して、
憲政の正道を一時外れてでも非常措置をとるべきです。

・ 
昭和天皇と秩父宮 1 
・ 
昭和天皇と秩父宮 2 

當時ハ満洲事變勃發ニ伴ヒ、國内ノ空氣自然殺氣ヲ帯ビ、
十月事件ノ發生ヲ見ル等 
特ニ軍部靑年將校ノ意氣熱調ヲ呈シ來レル折柄、
或日、
秩父宮殿下參内 陛下ニ御對談遊バサレ、
切リニ 陛下ノ御親政ノ必要ヲ説カレ、
要スレバ憲法ノ停止モ亦止ムヲ得ズト激セラレ、
陛下トノ間ニ相當ノ激論アラセラレシ趣ナルガ、
後ニテ 陛下ハ、 侍從長ニ、
祖宗ノ威徳ヲ傷ツクルガ如キコトハ自分ノ到底同意シ得ザル処、
親政ト云フモ自分ハ憲法ノ命ズル処ニ據リ、
現ニ大綱ヲ把持シテ大政ヲ総攬セリ。

之レ以上何ヲ爲スベキ。
又 憲法ノ停止ノ如キハ明治大帝ノ創成セラレタル処ノモノヲ破壊スルモノニシテ、
 斷ジテ不可ナリト信ズル  
ト 漏ラサレタリト。
誠ニ恐懼ノ次第ナリ。

・ 
本庄日記 ・ 大御心 「 陛下と秩父宮、天皇親政の是非を論す 」

陛下ハ、
憲法第四條 天皇ハ 「 國家ノ元首 」 云々ハ即チ機關説ナリ、
之ガ改正ヲモ要求スルトセバ憲法ヲ改正セザルベカラザルコトトナルベシ、
又 伊藤ノ憲法義解ニハ 「 天皇ハ 國家ニ臨御シ 」 云々ノ説明アリ。
と 仰せらる。
・ 
本庄日記 ・ 大御心 「 國家立前云々は即ち機關説なり

立憲國の天皇は、憲法の枠の中にその言動を制約せられる。
この枠を勝手に外して、任意の言動にでることは許されない半面、
同じ憲法には國務大臣についての規定があって、
大臣は平素より大なる權限を委ねられ、重い責任を負わされている。
この大臣の憲法による權限、責任の範囲内には、天皇は勝手に容赦し、干渉することは許されない。
それゆえに、内政、外交、軍事のある一事につき、
これを管掌する官庁において、衆智を傾けて愼重に審議した上、
この成果をわたしの前に持ってきて裁可を請うといわれた場合、
合法的の手續きをつくしてここまでとり運んだ場合には、
たとえそのことがわたしとしては甚だ好ましからざることであっても、裁可するのほかはない。
立憲國の天皇の執るべき唯一の途である。
もし、かかる場合 私がそのときの考えで脚下したとしたら、どういうことになるか。
憲法に立脚して合法的に運んだことでも、
天皇のそのときの考え一つで裁可となるか、脚下せられるか判らないということでは、
責任の位置にいることはできない。
このことは、とりもなおさず天皇が憲法を破壊したということになる。
立憲國の天皇として執るべからざる態度である。
断じて許されないことである 」
・ 
大御心・「合法手續ならば裁可する、其れが立憲國の天皇の執るべき唯一の途である

2 農民亦自ら樂天地あり
・ 天皇と農民
將校等、殊ニ下士卒ニ最モ近似スルモノガ農村ノ悲境ニ同情シ、
關心ヲ持スルハ止ムヲ得ズトスルモ、之ニ趣味ヲ持チ過グル時ハ、却テ害アリ
トノ仰セアリ。

之ニ就キ、餘儀ナク關心ヲ持スルニ止マリ、
決シテ趣味ヲ持チ、積極的ニ働キカクル意味ニアラザル次第ヲ反復奉答セリ。
陛下ハ此時
農村ノ窮狀ニ同情スルハ固ヨリ、必要ナルモ、
而モ農民亦自ラ樂天地アリ、
貴族ノ地位ニアルモノ必ズシモ常ニ幸福ナリト云フヲ得ズ、
自分ノ如キ欧州ヲ巡リテ、自由ノ氣分ニ移リタルナランモ心境ノ愉快ハ、
又其自由ノ氣分ニ成リ得ル間ニアリ
・・ト
・・・ 本庄日記 ・ 大御心 「 農民亦自ら楽天地あり 」
・・・これを読んで、秩父宮殿下の如く
實際に兵の家庭の事情に触れられた方とはお考えが違うと思った。
農村で娘の身賣りをしなければならない者に樂天地などあったであろうか。
陛下は政治に御熱心で
側近の人々から様々な情報を御聴取遊ばされておられたようであるが、
私は側近の人々の氣持が分らない。
陛下のお側近く仕える人々は、すべて名門の出である。
これ等の人々は 當時の逼迫した大陸の情勢や國内の農村の窮狀、勞働者の生活状態を見て、
靑年將校がどんな心情を抱いていたかなど 全く理解していなかったのではないかとしみじみ思った。
まさに陛下は雲の上におわしめたのである。
・・・大御心 『 まさに陛下は雲の上におわしめたのである 』 

 

3  天皇親政
一君萬民、國民一體の境地、
大君と共に喜び大君と共に悲しみ、
日本の國民がほんとうに、天皇の下に一體となり
建國の理想に嚮って前進することである
・・・
青年将校運動とは何か  から
・・・
天皇と青年将校のあいだ 1 一君万民、君臣一界の境地 

軍人勅諭 「朕は汝等軍人の大元帥なるぞ」 
朕ハ汝等軍人ノ大元帥ナルゾ。
サレバ朕ハ汝等ヲ股肱ト頼ミ、汝等ハ朕ヲ頭首ト仰ギテゾ、
其親ハ
特ニ深カルベキ。


教育勅語

相澤中佐事件は、

わが建國以來の歴史や、軍人への勅諭、敎育勅語、大日本帝國憲法 等によつて、
眞面目に敎育を受けた軍人が敢行した事件である。
當時の將兵が軍隊敎育によつて敎えられていたのは、
わが國柄が萬邦に優れた所以は、天皇の御親政にある ということであつた。
天皇の御親政とは、心理即應の政治ということであり、
造物主の意思そのままの政治ということである。
しからば、その眞理とか造物主の意思とかいうのは、何を意味するのかといえば、
それは、
「 総てのものの間に大調和あらしめて、万人をしてその生存の意義を全うせしめる道 」
を いうのである。
・・・ 
注目すべき鵜沢博士の所論 
・・・
天皇の大御心にも副う所以であると考えてやつたのである 

「 敎育勅語に國憲を重んじ、國法に遵い、とあります。自分はこの勅語を重んじ、從うものであります 」
「 それでは、被告は国法の大切なことは知っているが、今回の決行はそれよりも大切なことだと信じたのか 」
「 そうであります。 大悟徹底の境地に達したのであります 」
・・・ 
所謂 神懸かり問答 「 大悟徹底の境地に達したのであります 」 

相澤事件
《昭和10年》 八月十二日
此日午前九時過、永田軍務局長、中佐相澤三郎の為、局長室にて斬殺さる、
午後一時二十分 人事局課員 御用邸に三代、
右永田局長を中将に進級内奏を請ひしに因り 直に伝奏せし処、
陛下ニハ、
陸軍ニ如此珍事アリシハ 誠ニ遺憾ナリ。更ニ詳シク聽取シ上奏スベク 
仰セラレ、
尚ホ
此儘水泳ニ出テ差閊ナキヤ
ト 御下問アラセラル。
之ニ對シ繁ハ、誠ニ申譯ナキ出來事ニシテ、
今後特別ノ波瀾アルベシトハ想ハザルモ、

充分注意スベキ旨、奉答シ、
且ツ 御運動ハ御豫定通リ遊バサレ度旨御願ヒセリ。
眞ニ恐懼ノ次第ナリ。
本庄日記 ・ 大御心  「 陸軍に如此珍事ありしは 誠に遺憾なり

・・・次頁  
大御心朕が憾みとするところなり に 續く