
最近、ネットショッピングで「すてきなあなたに」(大橋 鎮子)(暮らしの手帳版)を購入しました。
この本は、同じタイトルで「1~5」まであるようです。それで、私が買ったのは最初のものです。ですから、内容はとても古いのです。
実は、この本は、もう30年以上も前に、夫の母が私にプレゼントしてくれた本でした。結婚した頃のことだと思います。
夫の母は、私が夫と知り合う前から病気でずっと入院しており、その後病院の退院と同時に介護施設に入所してしまって、そこで生涯を終えました。
今思うと、とても良い母でした。ずっと病気で身体が不自由だったのに、明るくてさっぱりした性格でした。結婚が決まったときも喜んでくれました。
それで、私にこの本をプレゼントしてくれたのです。それは昭和57年ころのことです。
おそらく、付添いさんと一緒に車椅子で本屋さんに行って選んでくれたのでしょう。
ところが、私はこの本を見て、あまり読みたいとは思えなかったのです。ちょっと開いても関心が持てずに、そのまま放置しておきました。そして、何年も何年もずっと読まないままでいました。
そして、今から4~5年前にこの家に引っ越すことになったのですが、そのとき、家じゅうの多くの物品を処分しました。そして、この本も捨ててしまったのでした。いや、もしかしたら、もっと以前に処分したのかもしれません。とにかく読まないまま手放しました。
ところが、最近になってそのことがすごく気になっていました。せっかく義母が私のために買ってくれたのに読みもしないで捨てるとは何事でしょうか。読まずとも持っていればよかった。
覚えているのは、題名と、それからカバーのデザインです。白地に緑の木のようなものが並んでいました。
ネットで検索してみると、見覚えのある本の写真が目に留まりました。
1年くらい前、今にも注文しようと思ったことがありました。古本の情報をみると、55年ころの発行のものが、「多少の日やけや使用感あり」などということで売りに出されていました。それは、ちょうど私が義母からもらった年代のもののようでした。
でも、そのまま決断がつかずに注文をしませんでした。
今回、またなぜか気になりだしました。ある朝、早く目覚めてパソコンを開いて、本のネットショップを見ていたとき、ふと思いついて注文しました。
30年前、開いてみて面白くないと思った本ですから、今も自分の好みでない可能性が高いですが、それでも義母の選んでくれた本だから、自分に合わずとも、そして古くとも、持っていていいんじゃないかと思ったのです。
「汚れがなくかなり良い状態」というようなのを選んでみました。
本は、すぐに届きました。見ると、なんと発行が今年の6月のものではありませんか。
第38刷になっています。定価は1714円+税なので、1850円くらいです。
今でも普通に書店で売ってるんでしょうか。新品同様です。
古本として送料込みで600円くらいで買えました。
義母からのプレゼントなので、今さらですが、少しずつ読んで行こうと思います。
義母は、教養のある人で、本や新聞をよく読んでいました。病院や介護施設にお見舞い行くと、役に立ちそうな新聞の切り抜きを私のための取っておいてくれて、私に持たせました。
ところが、私はそれも読んだことがなく、ことごとく読まずに捨てていました。
もし読んでいたら、その記事に関して義母と話をしたでしょうし、読む気があったら、渡されたその場でも読んだでしょうが、私はそれをしませんでした。
だから義母も、この嫁は読む気ないな、と感じ取っていたのではないかと思いますが、行くたびに切りぬきを渡されていたのを思い出します。
あの切りぬきの記事には、どんなことが書かれていたんだろうか?と、これも今になってすごく気になることです。東京新聞の囲み記事だったと思います。
読んでおけばよかったなあ・・・。
義母が亡くなったのは、10年近く前です。介護施設で使用していたものは大部分、そこで処分してもらいました。持ち帰ったのは写真と手紙と義母の作った短歌の短冊と、そして義母の日記です。義母の日記帳は数冊ありますが、未だに開く勇気がありません。