山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。
と思っていたけど、もうそんな年齢じゃなくなってきた。

13 クラレ(環境系新素材)

2011-12-28 21:46:45 | 産業・技術
今年も残すところ、今日を入れて、あと4日となりました。17日に行ったエコプロダクツのご紹介をしていますが、あと4件で終わりにしようかなと思います。



今日の会社は「クラレ」です。ガスバリア性のある、性能のよいプラスチック素材などを作っている会社であるということは、以前から知っていたので、改めて見学してみました。

まず、皆様に人気のあるアルパカのクラレです。このアルパカがCMでしゃべる言葉「ミラバケッソ」は「未来に化ける新素材」の略なのですね。言われてみれば「なるほど」ですが、最初は何の意味やらわかりませんでした。



クラレは世界各国で製品を活躍させているようです。例えば、クラレの人口皮革「クラリーノ」はランドセル用素材として7割のシェアを占めているそうですが、アフガニスタンの子供たちに、日本の使用済みのランドセルを送る活動などをしているそうです。



クラレの製品である「エバール」は、ガスバリア性があるので、食品の包装に良く使われているそうです。空気を通さないので、鮮度を保つことができ、賞味期限を延ばすことができます。また、においも通しません。マヨネーズや焼き肉のたれなど調味料の入れ物に使われているそうです。それらの容器は複数の樹脂の層が重なっていて、層と層の間にエバールが挟まれているそうです。その厚みは、全体の4~10%と非常に薄いものだそうです。昔は調味料はガラスの瓶等に入っていましたが、プラスチックだと軽いし、割れることもないので、輸送も効率的にできるようです。

ここで、エバールというのは、今話題になっているような天然素材のものではなく、石油からつくられるわけで、どこがエコかという疑問も出るのですが、瓶などのガラスの重いものに入った食品を運ぶのには、それだけエネルギーが必要となります。それらが軽くなると、ガソリンなども少なくて済みます。また、ガスバリア性があって、中の食品が腐らないので、未開封のものは冷蔵庫に入れなくても長持ちするのでしょう。



エバールは、自動車のガソリンタンクにも使われているそうです。ポリエチレンではガソリンの揮発成分が分子の隙間を通って外に出てしまうそうですが、間にエバールの層を挟むと通ることができません。ガソリンタンクは、昔は金属だったそうですが、重いし、腐食もします。プラスチックだと錆びることもなく、軽量です。車が軽量化されれば、それだけガソリンも使わずに済むので、省エネになりますね。



それから、クラレは、工場排水を再びきれいにして再利用できるようにする「ゼクルス」という排水処理システムを開発しているそうです。小さいスペース、低コストで排水処理ができるようです。クラレの「ポバール」という樹脂でできた小さなつぶつぶが入っています。このつぶつぶのことを「クラゲール」というようですが、クラゲールは微細な網目構造になっていて、そこにたくさんの微生物が棲むことができます。そして、廃水の中の有機物を、その微生物(バクテリア)が食べてくれるそうです。
写真では、このような生物処理槽が2つありますね。それから、汚泥減容槽、活性炭槽を通って、きれいになった水が再利用されるようになっています。



CMでおなじみのアルパカが、この会社をとっつきやすいものにしていますね。


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