参議院選挙投票日の夜に私の神経を逆なでして激怒してしまった母をようやく赦す気持ちになってきた頃に珍しく母から電話がかかってきた。携帯は壊れていなかったからという連絡で謝るという気持ちは全くなさそう。それでもまぁいいかと思って、日曜日に天気とお互いの体調がよければさいたま新都心のシネコンでジブリの映画「風立ちぬ」を一緒に観ようということにしていたら、条件が揃った。
ついでに娘も一緒にくることになり、母娘三代が久しぶりに揃う。娘に映画の座席指定チケットを買いにやらせてデニーズで順番待ち。ランチをして、ヨーカドーものぞいて15:10からの上映回へ。観た後もまたデニーズに行って私と娘はスイーツを、母は夕食を食べて帰って行った。冒頭の写真は「風立ちぬ」のプログラムと桃のミニパルフェを欲張って一緒に撮影したもの。
シネコンには数種類の大型ポスターが貼りだされており、そのうちの1つが以下の画像のもの。
飛行機の残骸が単体のものと死屍累々状態のものが使われていて、ゼロ戦賛美のスタンスではないことがはっきりと打ち出されている。82歳の母にはちょっと難しかったようだが、自身が体験した3月10日の東京大空襲と重なったという場面もあった。
主人公堀越二郎の精神的な師匠であるイタリアのカプローニが「飛行機は戦争のために使われる宿命を背負った呪われた夢」というようなことを言う台詞があった。また、飛行機の残骸が死屍累々と横たわる大写しになる場面は衝撃的で、飛行機が並んで残骸になるということは滅多にないだろうから、これが人間だったらとイメージしてしまい、ゾッとした。美しく空を飛ぶというイメージと表裏一体!
しかしながら、きちんと堀辰夫の「風立ちぬ」のヒロイン菜穂子をもってきて二郎との恋愛・結婚も盛り込まれた30数年の物語は、従来のファンタジー作品とは別の次元の作品になっていた。
「大正大震災」「昭和の恐慌」「戦争」の3つが今の時代とまさに重なってくる。さすがにジブリは今の時代に合わせてきたなぁと痛感。
しばらく映画を反芻して、いろいろ考えるつもり。
さらに9月公開の高畑監督の「かぐや姫」の予告編に引きつけらた。姫の表情が凛々しい!これは絶対観ないといけない!!