パピとママ映画のblog

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キングダム★★★★・5

2019年04月22日 | アクション映画ーカ行

中国の春秋戦国時代を舞台に、大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年と、中華統一を目指す若き王(後の始皇帝)の物語を壮大なスケールで描く原泰久の大ヒット漫画を、「図書館戦争」「BLEACH」の佐藤信介監督が豪華俳優陣をキャストに迎えて実写映画化した歴史エンタテインメント大作。主演は「四月は君の嘘」「羊と鋼の森」の山崎賢人。共演に吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多、高嶋政宏、要潤、大沢たかお。

あらすじ:紀元前245年、春秋戦国時代の秦。戦災孤児の少年・信と親友の漂は、天下の大将軍になることを夢みて剣術の鍛練に励んでいた。そんなある日、漂だけが王宮に召し上げられ、2人は別々の道を歩み始める。しかしその後、致命傷を負った漂が信の前に姿を現わし、地図を信に託して落命する。悲しみに暮れる信が地図の示す小屋にたどり着くと、そこには漂と瓜二つの男が静かに佇んでいた。男はクーデターを起こした弟・成キョウによって玉座を追われた秦の若き王・エイ政だった。漂がエイ政の身代わりで命を落としたことを知り、一度は激高した信だったが、エイ政の中華統一に懸ける信念と漂から託された遺志を受け止め、エイ政と行動を共にすることを決意する。こうして王宮奪還への過酷な戦いに身を投じていく信だったが…。

<感想>原作をまったく知らなかった私でも、『キングダム』が中国を舞台にした壮大なストーリーであることは知っている。そのため、「実写化」はかなり厳しいのではないかと疑ったのだが。ところがである、広大な原野での戦闘シーンや王宮セットなど、中国での大掛かりなロケが物語のスケール感になっていて、各キャラクターの衣装や、メイクも凝っているのだ。

壮大な背景に蟻のような人の大群は、なんか想像の中の『キングダム』っぽさがあった。キャスティングを知らなくともコスプレには見えなかったし。馬やエキストラの数にも感心した。特に王宮とか山の民の国とか、建築物に迫力がありますね。さすが中国でロケしただけはあると思った。

ただし、どうしても戦闘絵巻ふうの物語にこちらの気持ちが乗って行かず、観るというよりも人物やそのアクションを眺めている気分でもあった。

ですが、始めの主人公である信の山崎賢人は最高でした。鬼気迫る演技、ストイックに絞り込んだ体など……下僕の頃の信を完全再現していると言っても過言ではなく、作品に込める思いとプロフェッショナル魂を感じました。

そして、もう一人の主人公である政を演じた吉沢亮さんも、代えがきかないくらい存在感がありハマリ役でした。信の山崎賢人さん同様、いやそれ以上に完全なる政。吉沢亮さんの信の親友である漂(ひょう)役、王の政と2つの役を演じる難しさはあったに違いないが、違和感を微塵も感じさせないほどハマり役で素敵でした。

 

きっと貴方も、信と政を演じる2人に引き込まれて涙腺が緩んでしまうと思いますね。惚れてしまったと言っていいほどに、嬴政(えいせい)を演じた吉沢亮が、これがマジで嬴政であった! 冷静な言動の中にも確固とした熱い情熱が見え隠れし、それでいてあの高貴な佇まい、目が完全に政だった。

そして特別なのが、ズバリ、長澤まさみ演じる楊端和(ようたんわ)である。

山の神ともいえる楊端和が、王都奪還の戦闘シーンに入ったが最期、馬上の太もも、そして戦闘中の太ももと、いまだかつてここまで白く眩しい太ももがあっただろうか? 真面目な話、まさみが演じる楊端和の美しさと、抜群のスタイルからスラリと伸びる美しすぎる脚は、和製ワンダーウーマンと言ってもいいだろう。

そして誰もが気になるであろう、大沢たかおが演じる王騎(おうき)の貫禄ぶりである。かなり頑張って筋肉作りをしたであろう、体つきなんてほぼレスラーで、本人の努力がひしひしと伝わってくるかのようでした。

 

大沢たかおが演じる王騎は、コミック同様映画でも重要なキャラクターである。体のサイズやビジュアルは、素晴らしく王騎であったが、その王騎がしゃべり始めた瞬間、私は「えっ!?」と面喰らってしまった。王騎のオカマ口調がどうしてもすんなり入って来なかったのだ。原作の王騎がオカマ口調なので、映画の王騎がオカマ口調にしたのであろう。でも「ンフゥ♡」の溜息の度に “絶対に笑ってはいけない” 的な感覚に襲われたのは確かです。

そして、個人的良かったのは成蟜の本郷奏多。ずるがしこい弟の役、成蟜(せいきょう)を、本当にいい味を出していましたね。

しかし、全体を通して作品を見ると「良かった」という感想だが、当然ながら腑に落ちない部分もあった。橋本環奈の河了貂(かりょうてん)が可愛すぎて性別を隠すどころか完全に女性だったり、彼女の活躍するシーンなどが明瞭でなかったのも事実だ。

クライマックスは、城内に入り戦うシーンと、巨漢なラスボスのランカイを信が倒すシーンも見どころの一つといっていい。

無表情ながらも姿勢や所作に対する細やかな配慮によって、荘厳さを感じさせる独特のオーラを漂わせている吉沢亮。

それに漫画原作の映画化に再現性が求められがちだが、漫画の特性でもある“明確なビジョン”を超越したキャラクターを山崎賢人は実践して見せている。そして、脇役陣のキャラクターにも抜かりのないのも最高。よくぞやってくれたと感無量であります。ですが、1年に1本制作しても、完結するには十年以上を要する憂慮はあるのが心配です。

2019年劇場鑑賞作品・・・63  アクション・アドベンチャーランキング

 

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