
1985年に出版された、オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。昆虫型生命体と人類の戦争を終息させる能力と宿命を背負った少年の成長と苦悩が描かれる。監督は、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』などのギャヴィン・フッド。『ヒューゴの不思議な発明』で注目を浴びたエイサ・バターフィールドが主人公のエンダーを好演、名優ハリソン・フォードやベン・キングズレーなどの実力派が脇を固める。宇宙船の艦隊が銀河を行く戦闘シーンなどのVFXビジュアルも必見。
あらすじ:強大な軍事力を持つ昆虫型生命体、フォーミックとの宇宙戦争を続けている人類。その第2次侵攻に備えるべく、世界中から優れた少年兵士たちが防衛軍ベースキャンプのバトルスクールへと集められ、宇宙で戦う技術と知識をたたき込まれていた。そんな中、戦いを終わらせる特殊な能力を秘めているとして少年エンダー(エイサ・バターフィールド)もベースキャンプに送られる。生命を持つ者同士が戦争で殺し合うことに強い疑問を抱きながらも戦士の才覚を発揮し、少年戦士の指揮官となるエンダーだった。

<感想>2070年を舞台に、宇宙空間での戦いに備え、少年少女たちが訓練を受ける物語なのだが、強さともろさ、攻撃力と冷静さを備えた少年エンダーが、リーダーとして成長していき、過酷な運命に立ち向かう少年のヒューマンドラマになっている。
一見ピュアな少年のようで、実は内面に凶暴性やカリスマ性も秘められている。そんなエンダーが、自分自身とも葛藤しながら、想像を絶する困難に打ち克っていく姿は、最近のアニメの主人公とシンクロしている。

戦いに駆り出される少年少女たち。傷つきやすい主人公の性格、まだ幼い彼が抱えるにはあまりにも大きな宿命など、「機動戦士ガンダム」や「新世紀エヴァンゲリオン」とリンクする点が多いと思います。
オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。そう言われれば共通する部分は多いと思うが、そのあたりを強く意識することなく、重く苦いムードが全体に蔓延する本作では、同じディズニーの「スターシップ・トゥルーパーズ」(97)と比べものにならないほどの宇宙戦争ものである。
異性生命体とのバトルはよくあるパターンだが、本作では少年少女の戦闘員を育成するシステムや、彼らがゲームのように戦闘訓練を行う設定がユニーク。特殊なキーワードも独自の世界観を広げていく。

徹底した少子化政策によって第2子までしか出産を許されないなかで、第3子として生まれてきたエンダー。その出自からしてドロップアウトしている彼が、エリートたちにつまはじきされ虐められながらも、彼らには思いもつかない言動を繰り返すことで、頭角を現していく痛快な姿に「新世紀エヴァ~」の主人公碇シンジを思い浮かべてしまった。
そして、彼と出会ったのを機に、排泄的で優生主義的な考えを改め、友情や絆といったものを学んでいくエリートたち。上官のハリソン・フォード、にベン・キングズレーのベテラン俳優陣に囲まれて、秘めた天才児エンダーの華麗なるステップアップを、嫌味なく受け入れることができた。

また、最大なる見せ場といっていいのが、広大な無重力訓練エリア「バトル・ルーム」で繰り広げられるゲームである。それは、総ガラス張りで、地球を望み、青白い光を鈍く発する星“スター”と呼ばれる障害物があちこちに浮遊するエリアの、幻想的な造形。
そこで様々な陣型を組みながらレーザーガンを撃ちまくっては、他の訓練生チームを倒していく。だが、このシーンは「ゼロ・グラビティ」での、無重力の宇宙空間を遊泳する映像を見た後では物足りなかった。
エンダーをリーダーとした“ドラゴンチーム”の激しくも流麗な戦いぶりに息を飲んでしまうほど。それがシミュレーション・バトルであって、ゲームが好きな人なら尚のこと、きっと夢中になるでしょう。だが、それが訓練のシミュレーションバトルではなく、本当の戦争になるとは考えてもいなかったことで、少年の心は悩み苦しむことに。

主人公のエンダーには、「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールドが演じて、ちっとも背が伸びないんだね。でも体が締まって大人びたような、演技もしっかりしてましたね。
エンダーの姉ヴァレンタインの、アビゲイル・ブレスリンちゃん。ぽっちゃり目だが、少し大人になって美人になっていた。「ザ・コール 緊急通報指令室」では、車のトランクに監禁された役を懸命に演じてました。
それに、高いところから見ている年寄の上官たち。頭脳戦となると、少年少女たちの若い知能にはかなわない。だが、エンダーはいつも夢に出て来るフォーミックの女王に、自分の家族を思い浮かべて、自分が彼らの棲みかを攻略してしまったことに悔い、悲しみを浮かべ、彼らの新しい棲みかとなる星を探しに出かけるとは。
驚異のビジュアルと深い人間ドラマが合体した物語。地球の未来での人間の戦争も、子供たちが皆このような考え方があれば、地球での内戦がなくなるのではと、感慨深く思いました。
2014年劇場鑑賞作品・・・15
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あらすじ:強大な軍事力を持つ昆虫型生命体、フォーミックとの宇宙戦争を続けている人類。その第2次侵攻に備えるべく、世界中から優れた少年兵士たちが防衛軍ベースキャンプのバトルスクールへと集められ、宇宙で戦う技術と知識をたたき込まれていた。そんな中、戦いを終わらせる特殊な能力を秘めているとして少年エンダー(エイサ・バターフィールド)もベースキャンプに送られる。生命を持つ者同士が戦争で殺し合うことに強い疑問を抱きながらも戦士の才覚を発揮し、少年戦士の指揮官となるエンダーだった。

<感想>2070年を舞台に、宇宙空間での戦いに備え、少年少女たちが訓練を受ける物語なのだが、強さともろさ、攻撃力と冷静さを備えた少年エンダーが、リーダーとして成長していき、過酷な運命に立ち向かう少年のヒューマンドラマになっている。
一見ピュアな少年のようで、実は内面に凶暴性やカリスマ性も秘められている。そんなエンダーが、自分自身とも葛藤しながら、想像を絶する困難に打ち克っていく姿は、最近のアニメの主人公とシンクロしている。

戦いに駆り出される少年少女たち。傷つきやすい主人公の性格、まだ幼い彼が抱えるにはあまりにも大きな宿命など、「機動戦士ガンダム」や「新世紀エヴァンゲリオン」とリンクする点が多いと思います。
オースン・スコット・カードによるSF小説の名作を実写化。そう言われれば共通する部分は多いと思うが、そのあたりを強く意識することなく、重く苦いムードが全体に蔓延する本作では、同じディズニーの「スターシップ・トゥルーパーズ」(97)と比べものにならないほどの宇宙戦争ものである。
異性生命体とのバトルはよくあるパターンだが、本作では少年少女の戦闘員を育成するシステムや、彼らがゲームのように戦闘訓練を行う設定がユニーク。特殊なキーワードも独自の世界観を広げていく。

徹底した少子化政策によって第2子までしか出産を許されないなかで、第3子として生まれてきたエンダー。その出自からしてドロップアウトしている彼が、エリートたちにつまはじきされ虐められながらも、彼らには思いもつかない言動を繰り返すことで、頭角を現していく痛快な姿に「新世紀エヴァ~」の主人公碇シンジを思い浮かべてしまった。
そして、彼と出会ったのを機に、排泄的で優生主義的な考えを改め、友情や絆といったものを学んでいくエリートたち。上官のハリソン・フォード、にベン・キングズレーのベテラン俳優陣に囲まれて、秘めた天才児エンダーの華麗なるステップアップを、嫌味なく受け入れることができた。

また、最大なる見せ場といっていいのが、広大な無重力訓練エリア「バトル・ルーム」で繰り広げられるゲームである。それは、総ガラス張りで、地球を望み、青白い光を鈍く発する星“スター”と呼ばれる障害物があちこちに浮遊するエリアの、幻想的な造形。
そこで様々な陣型を組みながらレーザーガンを撃ちまくっては、他の訓練生チームを倒していく。だが、このシーンは「ゼロ・グラビティ」での、無重力の宇宙空間を遊泳する映像を見た後では物足りなかった。
エンダーをリーダーとした“ドラゴンチーム”の激しくも流麗な戦いぶりに息を飲んでしまうほど。それがシミュレーション・バトルであって、ゲームが好きな人なら尚のこと、きっと夢中になるでしょう。だが、それが訓練のシミュレーションバトルではなく、本当の戦争になるとは考えてもいなかったことで、少年の心は悩み苦しむことに。

主人公のエンダーには、「ヒューゴの不思議な発明」のエイサ・バターフィールドが演じて、ちっとも背が伸びないんだね。でも体が締まって大人びたような、演技もしっかりしてましたね。
エンダーの姉ヴァレンタインの、アビゲイル・ブレスリンちゃん。ぽっちゃり目だが、少し大人になって美人になっていた。「ザ・コール 緊急通報指令室」では、車のトランクに監禁された役を懸命に演じてました。
それに、高いところから見ている年寄の上官たち。頭脳戦となると、少年少女たちの若い知能にはかなわない。だが、エンダーはいつも夢に出て来るフォーミックの女王に、自分の家族を思い浮かべて、自分が彼らの棲みかを攻略してしまったことに悔い、悲しみを浮かべ、彼らの新しい棲みかとなる星を探しに出かけるとは。
驚異のビジュアルと深い人間ドラマが合体した物語。地球の未来での人間の戦争も、子供たちが皆このような考え方があれば、地球での内戦がなくなるのではと、感慨深く思いました。
2014年劇場鑑賞作品・・・15
