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パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

デンジャラス・ラン ★★★

2012年09月20日 | アクション映画ータ行
「グローリー」「トレーニング デイ」で2度に渡りアカデミー賞を獲得したデンゼル・ワシントンが、今では世界36ヶ国で指名手配され命を狙われている元CIAエージェントを演じたスリリングなアクション映画。デンゼル・ワシントンは本作の製作総指揮も務めている。CIAに投降してきた元エージェントを守るためにともに逃走する新米CIAを「グリーン・ランタン」「[リミット]」のライアン・レイノルズが演じる。ほか、「マイレージ、マイライフ」のヴェラ・ファーミガらが出演。監督は「Outside Love」(英題/07/未)で国際的に高い評価を受け、「イージーマネー」(10/未)では裏社会に生きる3人の男たちの姿をスタイリッシュに描いたダニエル・エスピノーサ。

あらすじ:南アフリカの米国領事館に、一人の男が出頭した。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントでありながら敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)。CIAの隠れ家に連行された途端、鉄壁のはずの隠れ家が何者かにより襲撃される。壊滅状態にまで追い込まれる中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から脱出。敵の正体も目的もわからないまま、マットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる。
(作品資料より)
<感想>いつもデンゼル・ワシントンは「正義の男」を演じてきた。しかし役者人生たまにはウサ晴らしもしたくなるのだろう。それが彼にとっては「悪役に扮する」という代償行為によって、ガス抜きされてきたのだと思う。
クリーンなイメージが定着している俳優だからこそ、たまにワルを演じた時のインパクトの強さは、当人と映画によって絶好のセールスポイントになるのだから。デンゼルが初めて悪の部分を発散させた「トレーニングデイ」(01)は、そうしたギャップが功をそうして、黒人俳優として史上初となる2度目のオスカーをもたらした。1度目は確か「マルコムX」だったと思う。

これに気をよくしたのか次は、07年の「アメリカン・ギャングスター」ここでは、麻薬密売でのし上がるギャング王フランク・ルーカスを熱演。そして今年も、悪役を演じるのだが、本作の製作総指揮も務めている気の入れようだ。
本作で彼が扮したのは、元CIAのエージェントである国際犯罪者のトビン・フロスト。世界情勢を左右する極秘ファイルを闇密売し、あらゆる公安組織からマークされている特級の危険人物である。

そんな彼がCIAに身柄を拘束され、容疑を吐かせる隠し拷問部屋(セーフハウス)へと送り込まれる。だが、そこに配属されていた新人CIA工作員のマット(ライアン・レイノルズ)は、任務に不慣れなスキを突かれ、手練のフロストに心を掌握されてしまう。
さらにフロストが持つ極秘ファイルを闇に葬ろうと、謎の組織が彼を殺しにやってくる。マットは立場上フロストを保護しなければならず、この恐るべき犯罪者と、謎の暗殺組織との不幸な板挟みになるわけ。
かつては正義の側にいながら、今は不義に転じて悪事を遂行する男。そして、そいつに翻弄される新米のマット。

いまやクラウドで、データーがやり取りされる時代に、メモリにコピーされた極秘資料の争奪戦なんて成立するの?・・・という突っ込みはさておき、「ボーン」シリーズの撮影監督を起用しただけあって、ガンファイトやカーチェイスといったハードアクションの数々は、見応え十分です。
しかし、何となく絵ズラはまるっきりトニー・スコットの映画みたいだけど、また重要な取引の際には、5大シャトーの高級ボルドーワインを必ず相手に奢ってもらう。グラスで一杯たしなむという、デンゼルのワイン通アピールは、見なかったことにしようではないか(苦笑)

だが、今回のデンゼルは、これまで演じて見せたヒールに留まらず、善悪の二元論を超えたさらにミステリアスな存在となって、我々を驚かす。
しかも、そんな男のカリスマ性が、ダメダメだった新米工作員の意識を改革し、促していき男義を上げ、観ている者の魂を振るわせる最後がいい。何となく思ったのだが、「裏切りのサーカス」と少し似ている部分があると思った。
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