パピとママ映画のblog

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地下室のヘンな穴★★★

2022年10月04日 | アクション映画ータ行

            

「ラバー」「ディアスキン 鹿革の殺人鬼」などの独創的な作品で知られるフランスの鬼才カンタン・デュピューが監督・脚本を手がけ、「時間が半日進んで肉体が3日分若返る」という不思議な穴に翻弄される夫婦の運命を描いた異色ドラマ。

あらすじ:平凡な中年夫婦アランとマリーは怪しげな不動産業者に案内され、郊外に建つモダニズム風の一軒家を下見に訪れる。不動産業者は購入すべきか迷う彼らに、奇妙なセールスポイントを教える。それは、家の地下室に空いた穴に入ると「時間が12時間進み、肉体が3日分若返る」というもの。夫婦は半信半疑でその家に引っ越すことを決めるが、やがてその穴の存在は、彼らが胸の奥深くに秘めていた欲望や衝動を呼び覚ましていく。
「恋愛睡眠のすすめ」のアラン・シャバと「ジュリアン」のレア・ドリュッケールが主人公夫婦を演じ、「ピアニスト」のブノワ・マジメル、「彼は秘密の女ともだち」のアナイス・ドゥムースティエが共演。

<感想>ミニシアターにて上映していたので鑑賞したのだが、いやはや人間の強欲というものは、はかりしれないということ。夫しか働かないのに、ローンで郊外の大邸宅を購入する。その邸宅には地下室に穴があり、降りてみると時間が12時間進み、3日分若返るという不思議な穴。その穴に興味をもったのが、働かないで家にいる専業主婦の妻。夫は家のローンを返済するので、そんな穴には興味をもたない。

ですが暇人の妻は、若返るということに興味をもち、毎日殆ど地下室の穴に入ってはシャワーを浴びて必死に身体を磨いての繰り返し、鏡を見ては自分の若返りにご満悦であります。しかし、せっかく自分が若返っても夫は、仕事から帰ると疲れて夜の相手はしてくれないのだ。

それに、鏡を見ては、自分が若返り美人になったと勘違いして、モデルの仕事に申し込むのだが、モデル業界ではその見てくれに取り合わないのだ。奥さんは気がつきません。その若返りには落とし穴があり、外見は若く見えるが、中身は元の実年齢のままなのに、そのことに気が付かないお馬鹿な妻である。

あと、夫の会社の社長がブノワ・マジメルで、昔はかなり美男子だったのに今では中年のおじさんになっていたのに、がっかり。その社長は、自分の性欲に関心があり、日本製の電子チンチンを手術して下半身に埋め込み、スマホで自由自在に動かすのにご満悦。これは笑ってしまった。男って、経済的に裕福だと若い女性にモテたいがために、下半身をデカチンに作り直してしまうのかと苦笑いです。

その日本製の電子チンチンなるもの、やはり故障してしまい、日本まで修理の手術に行かなければならないのだ。仕事をアランに任せて、日本へと行く社長。何で日本製なのか不思議です。

しかし、この映画は近未来のSF作品ではありません。決して若くはない二組の夫婦による物語。老いへの抵抗だからなのか、女も男も自分のエゴを剥き出しにして、今までの年月や年齢に実体を伴い切れない中高年の悩みなどを描いている。

それに、回りの人たちのことに無関心。だから、なるようになっていく最後が、実に悲しい結果となってしまうことに。めでたし、めでたしでは終わらないのがいい。

 

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