パピとママ映画のblog

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大河への道★★★★

2022年07月26日 | アクション映画ータ行

           

落語家・立川志の輔による新作落語「大河への道 伊能忠敬物語」を映画化。主演の中井貴一をはじめ、松山ケンイチ、北川景子らキャストがそれぞれ1人2役を務め、現代を舞台に繰り広げられる大河ドラマ制作の行方と、200年前の日本地図完成に隠された感動秘話を描き出す。

あらすじ:千葉県香取市役所では地域を盛り上げるため、初めて日本地図を作ったことで有名な郷土の偉人・伊能忠敬を主人公にした大河ドラマの開発プロジェクトが立ち上がる。しかし脚本制作の最中に、忠敬が地図完成の3年前に亡くなっていたという事実が発覚してしまう。そして、舞台は1818年、江戸の下町。伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく他界する。伊能忠敬の死が露見し、幕府により地図作りが打ち切られることを恐れ、弟子たちは天文学者の高橋景保に協力を仰ぎ、お上へその死を隠蔽し地図を完成させようと一世一代の隠密作戦に乗り出す。「花のあと」の中西健二が監督を務め、「花戦さ」の森下佳子が脚本を手がけた。

<感想>江戸時代に伊能忠敬が全国を測量したと伝わる「大日本沿海輿地全図」だが、地図を完成させたのは弟子たちだった。歴史がひっくり返る知られざる実話。そんな史実を基にした立川志の輔による新作落語「大河への道」に惚れ込んだ中井貴一の企画・主演で映画化されたのが本作。豪華俳優陣が一人二役に挑戦して、何処かリンクしているような令和と江戸時代の配役に注目されたし。市役所の人々が織り成す現代のパートと、忠敬の弟子たちが奮闘する江戸のパートで構成されている。

中井貴一が池本と景保を演じ分けるなど、両時代の人物同一キャストが熱演するのも見どころですね。それに、市役所の総務課員を松山ケンイチが、お調子者だが憎めない池本の部下木下を演じ、伊能忠敬のことは良く知らず、その偉業も理解していない役どころ。

その他には、市役所観光課長の小林を北川景子が、まじめで仕事に厳しく、年上の池本に対しても毅然とした態度で接するのだが、江戸時代では伊能忠敬の妻を演じているのだ。

長い長い九十九里の海岸線を観ていると、それは地図作りの長い道のりを現しているように見えた。ですが、この作品の本当の価値を知るには、物語の終盤で驚かされる。それは完成した日本地図が将軍の前で披露されるシーンである。大広間で畳いっぱいに並べられた二百枚余りの地図を、カメラは海岸線をなめるように映し出されていく。

千葉県知事には草刈正雄さんが、そして将軍も草刈さんと、これは大きな日本地図が出来上がって、大広間で見せられる時に驚く草刈さんの笑顔が素晴らしかった。現代のドタバタ喜劇に、江戸時代末の日本地図を完成させるまでの苦労話、伊能忠敬の死を隠し通そうとする笑いと涙の騒動劇。大河ドラマと日本地図、時代を超えて夢を追う人々の姿を見せていただきました。

 

 

 

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