パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

大いなる休暇 ★★★★

2016年03月13日 | DVD作品ーあ行
カナダの小さな島を舞台に、青年医師と島の人々のユーモラスな交流を描いたハートフル・コメディ。監督は、本作が初の長編映画となるジャン=フランソワ・プリオ。過去にはCM業界で多数の作品を手がけ、カンヌ広告映画祭でシルバーベアー賞を受賞したことがある。
あらすじ:カナダ・ケベック州の小さな島、サントマリ・ラモデルヌ島はかつて漁業に栄え、活気に溢れていた。しかしその繁栄も虚しく、いまやほとんどの島民はわずかな失業手当に頼る生活を余儀なくされている。
ある日、この島に大規模なプラスチック工場誘致の話が持ち上がる。狂喜乱舞する島の人々。これで、みんながまた仕事に就ける! しかし、工場建設には1つ重大な条件が…。それは「島に定住する医師がいること」。慌てふためく島民たち。そう、サントマリ島には「お医者さんがいない」のだ! 島民たちはもう4年以上、医者に会ったことがない。

困り果てたその時、本土に行ってしまった元町長の協力で、一人の若き青年医師クリストファー・ルイスが島にやって来ることになった。これぞ絶好のチャンス! なんとかしてドクター・ルイスに島への定住を決意させなくては…。そのためにはサントマリ島がいかに素晴らしく、理想の島だということをアピールしなければならない。なんとかルイスに島を気に入ってもらおうと、町長のジェルマンを筆頭にアンリやイヴォンら島民たちは頭をひねり一致団結。
いよいよ愛する島を救うための、ウソで塗り固めた大芝居が始まる。少しでもルイスに気に入られようと、彼の好きなことを調べ上げて、こっそり先回りしてそれを実行するジェルマンたちは大忙し。ルイスがクリケットファンと知れば、ルールさえ知らぬ島民たちが真っ白なユニフォームで登場し、チームを結成。筋金入りのクリケット好きを装う。
また今にも倒壊しそうな老朽小屋を、国の重要指定文化財に仕立て上げる。時にはルイスの電話を盗み聞きし、好物や趣味など”ルイス情報”を入手。「大きな魚が釣り上げてみたい!」と聞けば、ルイスの釣り竿に冷凍の大魚を掛けて喜ばせたり。気さくで楽しい島の人々に囲まれて、次第に島に馴染んでいくルイス。そして一人の美しい女性との出会い。なんとかルイスを引きとどめようと、不器用ながらも必死に奔走する島民たち。だが、涙ぐましいウソの数々がやがて、ルイスの知るところとなり……。(作品資料より)

<感想> 都会人が憧れる、ほのぼのとしたスローライフ。でも失業、医療問題、深刻な問題を抱えているのだ。島に医者を住まわせれば、工場が建つ。そのために島中が一致団結して…。
お医者様を助ける物語と思いながら見ていると…どうも違う。なぜだか憎めない“ウソつきな島民”たちが、医師誘致を企てるのだ。

オープニング、のんびりとした人々の暮らしぶりを見せる。夜が明けると一転、島の男が一斉にある場所に向かい行列をつくるのだ。
日雇い?賃金の受け渡し?と、色々想像するが、結局は生活保護(失業手当)の支給日。郵便局で受け取ったあとは、また銀行でズラリと行列をつくり現金化。銀行員もめげずに「預金しないの」とセールスするものの…。

「プロヴァンシュの分も」というジェルマンに、本人の委任状も持っているのになぜか郵便局員はダメだと言う。銀行に行っても「ダメだ」と拒否される。
なぜ?・・・きっと病気等で来れない友人の分だろうと思って見ていると、答えはすぐに明らかになる。
あれまぁ、これだけでどういう生活なのかうかがえますよ(笑)。・・・・難問を次々にクリアしていく、サントマリ・ラモルデヌ島の“スリー・アミーゴ”キャラのおっちゃんたち。おとぼけっぷりに「おいおい」とツッコミたくなるほど、何故か愛嬌があります。
インターネットに触れても訳わかんないし、「汚らしい。第一印象が大事」と言っているセーターはシミだらけだし、ほころびているし。ここぞ!という時にテヘヘ?・・・と失敗しちゃう。

本当に憎めない登場人物たち。そこに洗練された街の医者がやってくる。「ム~ゥ・モホホ」と笑っちゃう出来事が・・・また楽しいのです。
医師は真実を聞くことができるのか。ジェルマンの返答は「Yes」なのか「No」なのか、ハラハラ。<ウソ>と<真実>が織り成す巧みなストーリー。大好きな作品のひとつになりました。

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