パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ファイナル・カット★★★

2017年03月17日 | DVD作品ーな行、は行
人の一生の記憶が脳に埋め込まれた小さなチップに記録されている近未来の世界を舞台に描くSFスリラー。監督・脚本は、これが長編映画デビューとなるレバノン出身のオマール・ナイーム。弱冠26歳の無名の青年の脚本に惚れ込み、演出も任せたプロデューサーは、インディペンデント映画の先駆けとなった「セックスと嘘とビデオテープ」や「ラッグストア・カウボーイ」を世に送り出したニック・ウェクスラー。「グッド・ウィル・八ンティング/旅立ち」でアカデミー賞助演男優寅を獲得したロビン・ウィリアムズが、近年ハマり役の“どこか不気味な中年男”を絶妙に演じる。
あらすじ:少年のころアラン(ロビン・ウィリアムズ)は、両親と一緒にその町を訪れていたメガネをかけた少年ルイスと廃工場で遊んでいた。底の抜けた床にむき出しになった細い梁の上を歩くアラン。
臆病なルイスも渡ろうとするが、足を踏み外してしまう。アランが思わず目をつぶった瞬間、ルイスは深い床の底へと転落し、アランの手にはルイスのペンダントだけが残された。
大量の血を流して横たわるルイス。恐怖に襲われたアランは一目散に工場から走り出た。それから数十年後。アランはゾーイ・チップの編集者として働いていた。ゾーイ・チップとは、人の脳に移植して全生涯を記憶することができるチップ。死後、脳から取り出されたチップは編集者によって編集され、<追悼上映会-リメモリー>を行うのがセレブ階級の流行になっていた。
しかし同時に「人殺しを聖人にする行為」 他人の目の奥を透かし見るのは神のみに許されること、とするゾーイ反対運動も起こっていた。
アランはどんなに不道徳な人生も感情移入せずに直視できる性格から、“人間のくず"といわれている大物たちに重宝がられていた。
そんな彼のもとに、ゾーイ・チップを扱う大企業アイテック社の弁護士チャールス・バニスターの未亡人から編集の依頼がくる。アランはずっと少年時代の記憶に苛まれ、罪の意識が彼の性格に大きな影を落としていた。そして自分が死者の罪を引き受け、魂を清めて来世へ旅立たせるキリスト教の“罪食い人(シン・イーター) "であると信じ始めていた。

そんなアランが唯一心を許せる相手は、古書店を営んでいるディライラ(ミラ・ソルヴィノ)だけだった。しかし、数年前に恋人を亡くした彼女にとって、式典で上映される映像は虚像にすぎず、他人の人生を切り張りして都合のよい記憶を作り上げるアランの仕事が理解できなかった。アランは編集の準備のためにバニスターの未亡人と娘へのインタビューを行った。

バニスターのチップには娘へのおぞましい行為が映っていたが、未亡人はこれをカットするよう求める。同じ頃、かつて編集者だったフレッシャー(ジム・カヴィーゼル)がアランの前に現れ、バニスターのチップを譲るよう脅迫する。彼は仲間とともにアイテック社の不正を摘発しようとしていた。翌日、アランは映像の中に死んだはずのルイスとそっくりな男を見つけて激しく動揺する。アランはルイスのチップを探すために、編集者仲間の協力を得てアイテック社の資料部屋に侵入する。しかし、そこでアランが見つけたのは、亡くなった両親が彼の脳に埋め込むチップを購入していたという記録だった。自分のチップを取り出してあの忌まわしい記憶を見てみたい。真実を確かめたい。アランはもう自分の心を抑えることができなかった。(作品資料より)

<感想>故“ロビン・ウィリアムズ”の昔のDVDから鑑賞。この映画の特徴は、本人が生きている間はそこから記憶を取り出せない事になっている。死んだ後に専門の編集人にその数十万時間分の記憶を数十分に編集してもらい、関係者を招いて上映会を行います。
カットされた記憶は捨てられてしまう、確かに人間の生きている間の長い記憶が埋め込まれているので、これはいらないと思うものは残しておいてもね。
この人はいい人だったという部分だけ残せばいいのだから、上映会でも大変な量になってしまうに違いありませんから。
この追悼上映会のためだけに高い金を出してチップを埋める親の気も知れないが、チップが埋め込まれている事を知らされる、子供の気持ちにもなってみたら、これは余り良い感じはしないと思う。
例えば編集人(カッター)は、ゾーイを埋め込まれた人であってはならないのでは、等々。
主人公のロビン・ウイリアムスはこの編集人であり、これがこの映画の内容でもあるのでほとんど一人芝居。それは一個人の純然たる“記憶”データーなのであり、巧妙に手を加えられた鑑賞に堪える映像なのです。
これは恐ろしいことだ。記憶が個人のものではなくなるなんて、脚本と監督のオマール・ナイームは、新人ながらその才能は恐るべし。
世の中がもしこのようなら、さて人間はどのように行動するかという思考実験だとすれば、この映画は随分とややっこしい実験を試みたものです。
親が事故かなんかで子供を先に亡くして、葬儀の後に遺族を招いて上映会をするのはいいかもしれませんね。
しかし、現在では、ビデオとかカメラで写真で残したりして取ってあるのでそれを見ればいいのではないかしらね。設定が近未来なのに、編集に使うPCとかモニターがレトロチックなのが違和感がある。
そのためか映画そのものも中途半端で終わってしまって、SF的な未来のアイデアを十分生かしきれていません。
ロビン・ウィリアムズは生粋のコメディアンだが、こと映画に関してはお笑い抜きで、役者としての実力を発揮している。編集マシン“ギロチン”を駆使するアラン役がハマっていて、ロビン・ウイリアムスが久しぶりにいい味を出していただけに残念です。
他の役者さんミラ・ソルヴィノや、 ジム・カヴィーゼルの出番が少なくキャラが生かされていないのも残念ですね。
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