八千草薫と『神様のカルテ』などの深川栄洋監督がタッグを組み、柴田トヨのベストセラー詩集「くじけないで」「百歳」を基につづる感動の物語。90歳を迎えて以降に詩を書くようになった主人公の山あり谷ありの半生や、彼女を取り巻く家族にまつわるドラマを優しく見つめる。主人公の一人息子を武田鉄矢、その心優しい妻を伊藤蘭が好演。心が浄化されるような温かくて優しい詩人の言葉に勇気をもらう。
<感想>明治、大正、昭和、平成と、日本の激動の100年を見つめ続けた詩人・柴田トヨ。彼女の詩集として、98歳で刊行された処女詩集「くじけないで」と第2詩集「百歳」は、200万部を超えるという異例の部数を記録した。
作者・柴田トヨさんの人生は、しかし平坦なものではなかった。それなのになぜ、あんなにもささやかな幸せをみいだせたのだろうか?・・・。緑内障の手術を機に、落ち込んでいたトヨさんに、詩を作る事を勧めたのは、絵に描いたようなダメ息子の健一だった。
毎日働きもせず、ギャンブル三昧の遊び呆けている馬鹿息子だ。そんな息子を叱りもせず、妻の静子も子供がいないせいか、働きながら生活を支えている。夫の健一が知能遅れのような、そんな感じもしないわけでもない。小説家志望だなんておこがましい。息子夫婦には、武田鉄也と伊藤蘭が扮して、さすがにベテランなので、違和感なく上手いですよね。
そんな息子の懸命さに心を動かされ、日々の小さな気づいたことや、喜びを言葉に綴るトヨさんの姿が、なんともチャーミングなのだ。トヨさんが生き生きと輝き始める過程は、年を経ても挑戦を恐れず好奇心を忘れないのが、彼女のエネルギーの源なのだ。
「人生は、いつだってこれから」という思いを、軽やかに体現するさまに勇気づけられます。
それは、彼女が生み出す言葉と相まって、みずみずしく輝いて見える。そう、90歳を超えてからなおのこと初々しい姿を見ると、幾つになっても人生はこれからだと気づかせてくれる。
幼少時代の奉公や、戦争を生き抜いてきたことなど、過酷な経験を重ねてきたトヨさんは、生きる大切さ、日々を楽しむ贅沢さを知っているから。辛いことがあっても、気持ちの持ち方ひとつで、未来は変えられることを教えてくれる。
ちなみに、幼少時代のトヨさんには芦田愛菜ちゃんが、戦争時代は、20歳のころ親戚の紹介で最見合い結婚するが、夫は家にお金を入れず半年余りで離婚。
戦火の激しさを増した昭和19年、飲み屋で働きながら客だった貞吉に見初められ再婚。健一が生まれ幸せな日々を過ごす。檀れいが演じているのだが、相変わらずの美人で、ちょい役とはもったいないですよね。
そして、老年時代が八千草薫さんのトヨさんは、本当に実物と変わらないようなヒロイン像を演じているのが素晴らしい。
奉公に出た少女時代の苦労、最初の夫との離婚。「私、辛いことがたくさんあったけれど生きていて良かった」という言葉が、そっと寄り添う優しい言葉が、ぽっと心を温かくしてくれる。それが、説教臭くなく心に沁みるように入ってくるのだ。
誰だって辛い時がある。それをくよくよせずにバネにして、どんなに辛くてもうつむかずに、他人を責めない。そんなトヨさんの生きる姿勢に、凛と生きるトヨさんに、勇気と希望をもらいました。
女性は強い、それに母親ならなおのことだ。与えられた命を、自分の人生を前向きにくじけずに、あまりいきまないで頑張らないこと、そうすれば寿命が延びて、残りの人生をゆっくりと歩んで行ける。
2013年劇場鑑賞作品・・・325 映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
ねぇ、不幸だなんて溜め息をつかないで、陽射しやそよ風はえこひいきしない。夢は、平等に見られるのよ。私、辛いことがあったけれど、生きていてよかった。あなたもくじけずに
<感想>明治、大正、昭和、平成と、日本の激動の100年を見つめ続けた詩人・柴田トヨ。彼女の詩集として、98歳で刊行された処女詩集「くじけないで」と第2詩集「百歳」は、200万部を超えるという異例の部数を記録した。
作者・柴田トヨさんの人生は、しかし平坦なものではなかった。それなのになぜ、あんなにもささやかな幸せをみいだせたのだろうか?・・・。緑内障の手術を機に、落ち込んでいたトヨさんに、詩を作る事を勧めたのは、絵に描いたようなダメ息子の健一だった。
毎日働きもせず、ギャンブル三昧の遊び呆けている馬鹿息子だ。そんな息子を叱りもせず、妻の静子も子供がいないせいか、働きながら生活を支えている。夫の健一が知能遅れのような、そんな感じもしないわけでもない。小説家志望だなんておこがましい。息子夫婦には、武田鉄也と伊藤蘭が扮して、さすがにベテランなので、違和感なく上手いですよね。
そんな息子の懸命さに心を動かされ、日々の小さな気づいたことや、喜びを言葉に綴るトヨさんの姿が、なんともチャーミングなのだ。トヨさんが生き生きと輝き始める過程は、年を経ても挑戦を恐れず好奇心を忘れないのが、彼女のエネルギーの源なのだ。
「人生は、いつだってこれから」という思いを、軽やかに体現するさまに勇気づけられます。
それは、彼女が生み出す言葉と相まって、みずみずしく輝いて見える。そう、90歳を超えてからなおのこと初々しい姿を見ると、幾つになっても人生はこれからだと気づかせてくれる。
幼少時代の奉公や、戦争を生き抜いてきたことなど、過酷な経験を重ねてきたトヨさんは、生きる大切さ、日々を楽しむ贅沢さを知っているから。辛いことがあっても、気持ちの持ち方ひとつで、未来は変えられることを教えてくれる。
ちなみに、幼少時代のトヨさんには芦田愛菜ちゃんが、戦争時代は、20歳のころ親戚の紹介で最見合い結婚するが、夫は家にお金を入れず半年余りで離婚。
戦火の激しさを増した昭和19年、飲み屋で働きながら客だった貞吉に見初められ再婚。健一が生まれ幸せな日々を過ごす。檀れいが演じているのだが、相変わらずの美人で、ちょい役とはもったいないですよね。
そして、老年時代が八千草薫さんのトヨさんは、本当に実物と変わらないようなヒロイン像を演じているのが素晴らしい。
奉公に出た少女時代の苦労、最初の夫との離婚。「私、辛いことがたくさんあったけれど生きていて良かった」という言葉が、そっと寄り添う優しい言葉が、ぽっと心を温かくしてくれる。それが、説教臭くなく心に沁みるように入ってくるのだ。
誰だって辛い時がある。それをくよくよせずにバネにして、どんなに辛くてもうつむかずに、他人を責めない。そんなトヨさんの生きる姿勢に、凛と生きるトヨさんに、勇気と希望をもらいました。
女性は強い、それに母親ならなおのことだ。与えられた命を、自分の人生を前向きにくじけずに、あまりいきまないで頑張らないこと、そうすれば寿命が延びて、残りの人生をゆっくりと歩んで行ける。
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ねぇ、不幸だなんて溜め息をつかないで、陽射しやそよ風はえこひいきしない。夢は、平等に見られるのよ。私、辛いことがあったけれど、生きていてよかった。あなたもくじけずに