パピとママ映画のblog

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アルゴ ★★★★

2012年10月31日 | アクション映画ーア行

1979年に発生し、18年間機密扱いにされていたイランアメリカ大使館人質事件の真相を映画化。CIAは、人質を映画クルーに仕立てて出国させようとするが……。監督・主演は、「ザ・タウン」のベン・アフレック。共演は、「リトル・ミス・サンシャイン」のアラン・アーキン、「アーティスト」のジョン・グッドマン。

あらすじ:1979年11月4日、イランの過激派がアメリカ大使館を占拠する。混乱の中6人が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込むが、残った52人の大使館員は人質となる。イラン側は、癌の治療のために渡米した前国王パーレビの引き渡しを要求する。大使館員の写真つき名簿は襲撃前にシュレッダーにかけていたが、名簿が復元されれば脱出者がばれ、捕まれば処刑される。
国務省はCIAに応援を要請し、人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)が呼ばれる。トニーは、6人をニセ映画のロケハンに来たカナダの映画クルーに仕立て上げて出国させるという作戦を閃く。トニーの知人で特殊メイクの第一人者、ジョン・チェンバース(ジョン・グッドマン)は協力を快諾する。チームに参加した大物プロデューサーのレスター(アラン・アーキン)は、自宅で山積みになっているボツ脚本から、イランでの撮影に相応しいSFアドベンチャー『アルゴ』を選び出す。事務所を立ち上げ、大々的な記者発表を開き、本物さながらのプロジェクトが始まる。
一方、イランでは200人以上の民兵が空港を監視していた。1980年1月25日、プロデューサー補に扮したトニーはイランへと向かい、文化・イスラム指導省で撮影許可を申請した後、カナダ大使邸に入る。6人は計画に反発するが、それぞれの役柄を暗記する。翌日、ロケハンを許可した指導省が、バザールで担当者と面会するよう要求してくる。トニーは怖気づく大使館員を説得して連れ出し、何とか乗り切る。
しかし翌日、トニーの上司オドネル(ブライアン・クランストン)から緊急電話で、計画の中止が告げられる。軍による人質奪還作戦が決定したのだ。航空券は取り消され、ハリウッドの事務所は閉鎖される。トニーは6人に黙ったままホテルに帰る。翌朝、トニーは電話で、6人を出国させると上司に宣言する。しかし作戦の復活には、カーター大統領の承認が必要だった。一方、大使館名簿の復元もあと数分に迫っていた……。

<感想>俳優ベン・アフレックが監督した、手に汗握るスリリングな演出で映画化した社会派サスペンス。ジョージ・クルーニーが本作のプロデューサーとして関わるなど、モテモテ状態が続くアフレックだが、元々「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」(97)のオスカー受賞脚本家の片割れだけに、益々侮れなくなってきている。
1979年、イランではイスラム革命が成功し、国王だったパーレビは国外へ逃亡し、アメリカが受け入れた。これに起こったイランの若者たちはパーレビを引き渡しを要求し、テヘランのアメリカ大使館を占拠、大使館員たちを拘束した。
しかし、この時6人の職員たちが密かに脱出。カナダ大使公邸に身を寄せた。アメリカは彼らの国外脱出の手段を画策するが、なかなか良いアイデアが浮かばない。イラン側が大使館員全員の身元を確認すれば彼らの脱出のチャンスはなくなる。
昔のシュレッターは、粉々に粉砕するのではなく、トコロテン流しのように押し出すだけなので、イランの子供たち総動員して、まるでジグゾウパズルのように組み立てて行くシーンもある。

その時、CIAの人員救出のプロ、トニー・メンデスはとんでもないプランを提案した。彼らを架空の宇宙SF活劇映画のスタッフと偽り、ロケハンに来たふりをさせて帰国させようというのだ。
そのため、ハリウッドの業界人の協力を得て、偽SF映画「アルゴ」制作スタジオのでっちあげが始まった。驚いたことに、これは実話がベースだというのだ。作戦に協力したのは「猿の惑星」のスペシャル・メイクアップで有名なジョン・チェンバース。本職のプロデューサーを巻き込んで、偽の事務所を開設、制作発表までやらかすのだ。
このニセモノ具合が実に絶妙で面白い。当時は「スター・ウォーズ」によるスペースオペラ・ブームの真っただ中で、怪しげなパチモノ・スターウォーズが我が国も含め、あちこちで作られていたから、こんな企画があっても不自然には見えない。

しかし、イラン側が問い合わせた時に実在すればいいわけで、このシーンでも事務所近くに来ているのに、二人が電話に出られない状態の緊迫感が最高。それにマスコミが本気にして注目されても困る。だからどうせポシャるだろうと思われるような、ダメさ加減にも気を配らなければならないのだ。
このあたりが、当時のSFブームを思い起こすと笑える部分なのだ。実際に起きた事件に基づいているけれど、コメディチックなハリウッドの部分と、シリアスなドラマの部分のバランスが上手く撮られていて、ストーリーにサプライズがあるのでメリハリが効いていい。
ハリウッドのいい加減さを知り尽くしているベテラン・プロデューサーを、完全に爺さんになったアラン・アーキンが飄々と演じているのもいい。それにスペシャル・メイクアップで有名なジョン・チェンバースには、ジョン・ググッドマンなど、キャスティングが最高。
ハリウッドの雰囲気にかぎらず、ファッションやヘアスタイルなど、当時の様子の再現は見事ですね。もちろんクライマックスの空港でのシーンには、ハラハラの脱出劇で、成功した話であっても充分に盛り上げてくれる。劇中でアフレックが演じたCIAの元スパイ、トニー・メンデス本人が空港のシーンでカメオ出演しているというのだ。トニーの妻や息子たちの他、妹一家までもが参加したという。
監督と主演を兼ねたベン・アフレック。メンデスの演技はリアリティを感じさせて秀悦であり、もしかすると、“イーストウッド”の後継者になれるかもしれないですよね。今後が楽しみです。
この79年のイラン革命では、一般のアメリカ人もほうぼうで拘束され、痺れを切らした実業家ロス・ペローが、退役軍人を雇って自前で救出した話が、「鷲の翼に乗って」としてTVM化されている。
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