
「赤ずきん」「シンデレラ」「ラプンツェル」「ジャックと豆の木」といった世界的に有名なおとぎ話の主人公たちのその後を描く、ディズニー製作のミュージカル。ブロードウェイで上演され、トニー賞を受賞したミュージカルを基に、『シカゴ』『NINE』などのロブ・マーシャルが映画化。魔女をオスカー常連のメリル・ストリープが演じるほか、ジョニー・デップ、エミリー・ブラントらが出演。ハリウッドが誇る人気も実力も兼ね備えたスタッフやキャスト陣による作品に魅了される。
あらすじ:魔女(メリル・ストリープ)に呪いをかけられたために子供のいない夫婦は、「子を授かりたければ、四つのアイテムを森から持ち帰るのだ」と魔女に命令される。夫婦は赤いずきん、黄色い髪、白い牛、黄金の靴を手に入れるべく森へと出発する。一方赤ずきん、ラプンツェル、ジャック、シンデレラ、魔女、オオカミ、2人の王子も森に足を踏み入れており……。

<感想>元ネタは1987年に初演されたブロードウェイミュージカル。「ウェスト・サイド・ストーリー」のスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲、朋友のジェームズ・ラパインが脚本を担当。日本では2004年に宮本亜門の演出振り付けで上演されている。
ここからネタバレですので、内容を知りたくない方はご遠慮下さい。
昔、パン屋の主人の父親に魔法の豆を盗まれた魔女は、復讐にパン屋の子供の妹をさらい「ラプンツェル」となずけて塔の上に幽閉し、パン屋の若夫婦に不妊の呪いをかける。お婆さんにパンを届けるために、パン屋によりガツガツとパンを貪り食う少女赤ずきん。

森の中でジョニデ扮するオオカミの誘惑に負けて、花畑で花を摘み寄り道をする赤ずきん。もうこれで、ジョニデの出番は終わりですからね。
お婆さんの家に行くと、すでにお婆さんはオオカミに食べられ、お婆さんに化けたオオカミがベットに寝ていた。パンを全部食べてしまいプクプクの真ん丸の赤ずきんもオオカミに食べられてしまう。
そこへパン屋の主人が来て、オオカミのお腹をナイフで裂き、お婆さんと赤ずきんを助けてくれる。お礼に赤いマントをパン屋の主人に上げる。普通は、赤ずきんとお婆さんはオオカミのお腹から出してもらい、替わりにオオカミのお腹には石コロをたくさん入れて上げる。というそこは省いてしまい、そのオオカミの毛皮でマントを作ってもらう赤ずきんなんですから。

と、ここまでくると主人公は、魔女にパン屋の若夫婦ということになっており、後は白い牛なのだが、爺さんのコートのポケットに入っていた豆を、ジャックの持っている白い牛と交換してもらう。ジャックは、豆を持って帰って母親に叱られ豆を庭に捨てて寝てしまう。すると次の朝には、豆の蔦が天まで届きジャックは登って行き、金貨5枚を盗んでくる。そして、パン屋の主人にその金貨5枚と牛を返して欲しいと頼む。

シンデレラも森で母親の墓の前で嘆き悲しんでいると、母親の精霊がシンデレラを美しく変身させて舞踏会へと行かせる。城では、王子がシンデレラにぞっこんで、12時になる前に急いで帰るシンデレラを追い掛け、階段に黒いタールを垂らして靴が、・・・酷い王子だった。それでも、その片方の靴で姫を探す下りも、意地悪な継母が、自分の娘に靴を履かせるため足を削って履かせるのにびっくり。一応、それでも靴が入ったのでお城へと、これで贅沢三昧の生活ができると喜ぶ継母。
「ラプンツェル」の話も、本当は魔女が娘のように愛情を感じ始めていたのに、裏切ったと彼女の長い髪の毛を切ってしまう。王子が助けにくるも魔法で荊の柵を作り、王子がそこへ突っ込んでしまい失明してしまう。それを見たラプンツェルが森へ逃げて沼地に住む。巨人が襲ってきて、怖がる彼女の声を聞き目の見えない王子が近寄り、ラプンツェルの涙で王子の目が見えるようになる。

お伽噺の王道ストーリーを皮肉った名作舞台劇を、おとぎ話の帝国ディズニーが映画化したもので、やはり見どころは魔女役のメリル・ストリープでしょうかね。そして、豪華キャストが美声を披露する本作のキモは、それぞれの願いが叶ってからの後半部分にあります。
豆の木を育てたジャックを追って、巨人が来襲したり、厳しい現実を突きつけるダークな展開になっています。巨人が来襲しているのに、地震だこれは、大丈夫という王子が楽観的で笑える。それも、シンデレラの王子と、ラプンツェルの王子が、兄弟で歌うのに、胸を開けて胸毛を見せ大らかに歌い上げるシーンには笑いが込み上げますから。

魔女の呪いを解きたいパン屋の夫婦を軸に、「シンデレラ」「赤ずきん」「塔の上のラプンツェル」「ジャックと豆の木」など童話キャラが、深い森でリンクするところが面白いです。
結局は、パン屋の夫婦に子供を授かるための4つのアイテムを探してこいと命令する魔女なのだが、夫婦がなんとか見つけて来て、それを白い牛に食べさせ、牛の乳を飲むと魔女の呪いが消えて美しいメリル・ストリープになるという。
しかし、いい加減も甚だしく、白い牛は死んでしまい、それでも死んだ牛を生き返らせて、赤いマントとラプンツェルの黄金の髪の毛、金色の靴と、黄色い髪の毛の代用品に、とうもろこしのヒゲでもいいと牛に食わせるあたりも、コメディですから。
シンデレラも王子のクリス・パインの女タラシにがっかりし、パン屋の女房もシンデレラの王子に口説かれてメロメロだったり、巨人の女を倒すのに、誰が一番悪いのだと罵り合いをしたり、罪の擦り付け合いだ。本当だったらハッピーエンドを迎えるおとぎ話なのに、少々皮肉ったようなブロード・ウェイ・ミュージカルの映画版。ですが、それはまるでパロディ・コメディ作品になっていた。夢ばかり見ていられない教訓がチクリと胸を刺すこと請け合いですから。
2015年劇場鑑賞作品・・・52
映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキング
あらすじ:魔女(メリル・ストリープ)に呪いをかけられたために子供のいない夫婦は、「子を授かりたければ、四つのアイテムを森から持ち帰るのだ」と魔女に命令される。夫婦は赤いずきん、黄色い髪、白い牛、黄金の靴を手に入れるべく森へと出発する。一方赤ずきん、ラプンツェル、ジャック、シンデレラ、魔女、オオカミ、2人の王子も森に足を踏み入れており……。

<感想>元ネタは1987年に初演されたブロードウェイミュージカル。「ウェスト・サイド・ストーリー」のスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲、朋友のジェームズ・ラパインが脚本を担当。日本では2004年に宮本亜門の演出振り付けで上演されている。
ここからネタバレですので、内容を知りたくない方はご遠慮下さい。
昔、パン屋の主人の父親に魔法の豆を盗まれた魔女は、復讐にパン屋の子供の妹をさらい「ラプンツェル」となずけて塔の上に幽閉し、パン屋の若夫婦に不妊の呪いをかける。お婆さんにパンを届けるために、パン屋によりガツガツとパンを貪り食う少女赤ずきん。

森の中でジョニデ扮するオオカミの誘惑に負けて、花畑で花を摘み寄り道をする赤ずきん。もうこれで、ジョニデの出番は終わりですからね。
お婆さんの家に行くと、すでにお婆さんはオオカミに食べられ、お婆さんに化けたオオカミがベットに寝ていた。パンを全部食べてしまいプクプクの真ん丸の赤ずきんもオオカミに食べられてしまう。
そこへパン屋の主人が来て、オオカミのお腹をナイフで裂き、お婆さんと赤ずきんを助けてくれる。お礼に赤いマントをパン屋の主人に上げる。普通は、赤ずきんとお婆さんはオオカミのお腹から出してもらい、替わりにオオカミのお腹には石コロをたくさん入れて上げる。というそこは省いてしまい、そのオオカミの毛皮でマントを作ってもらう赤ずきんなんですから。

と、ここまでくると主人公は、魔女にパン屋の若夫婦ということになっており、後は白い牛なのだが、爺さんのコートのポケットに入っていた豆を、ジャックの持っている白い牛と交換してもらう。ジャックは、豆を持って帰って母親に叱られ豆を庭に捨てて寝てしまう。すると次の朝には、豆の蔦が天まで届きジャックは登って行き、金貨5枚を盗んでくる。そして、パン屋の主人にその金貨5枚と牛を返して欲しいと頼む。

シンデレラも森で母親の墓の前で嘆き悲しんでいると、母親の精霊がシンデレラを美しく変身させて舞踏会へと行かせる。城では、王子がシンデレラにぞっこんで、12時になる前に急いで帰るシンデレラを追い掛け、階段に黒いタールを垂らして靴が、・・・酷い王子だった。それでも、その片方の靴で姫を探す下りも、意地悪な継母が、自分の娘に靴を履かせるため足を削って履かせるのにびっくり。一応、それでも靴が入ったのでお城へと、これで贅沢三昧の生活ができると喜ぶ継母。


お伽噺の王道ストーリーを皮肉った名作舞台劇を、おとぎ話の帝国ディズニーが映画化したもので、やはり見どころは魔女役のメリル・ストリープでしょうかね。そして、豪華キャストが美声を披露する本作のキモは、それぞれの願いが叶ってからの後半部分にあります。
豆の木を育てたジャックを追って、巨人が来襲したり、厳しい現実を突きつけるダークな展開になっています。巨人が来襲しているのに、地震だこれは、大丈夫という王子が楽観的で笑える。それも、シンデレラの王子と、ラプンツェルの王子が、兄弟で歌うのに、胸を開けて胸毛を見せ大らかに歌い上げるシーンには笑いが込み上げますから。

魔女の呪いを解きたいパン屋の夫婦を軸に、「シンデレラ」「赤ずきん」「塔の上のラプンツェル」「ジャックと豆の木」など童話キャラが、深い森でリンクするところが面白いです。
結局は、パン屋の夫婦に子供を授かるための4つのアイテムを探してこいと命令する魔女なのだが、夫婦がなんとか見つけて来て、それを白い牛に食べさせ、牛の乳を飲むと魔女の呪いが消えて美しいメリル・ストリープになるという。
しかし、いい加減も甚だしく、白い牛は死んでしまい、それでも死んだ牛を生き返らせて、赤いマントとラプンツェルの黄金の髪の毛、金色の靴と、黄色い髪の毛の代用品に、とうもろこしのヒゲでもいいと牛に食わせるあたりも、コメディですから。
シンデレラも王子のクリス・パインの女タラシにがっかりし、パン屋の女房もシンデレラの王子に口説かれてメロメロだったり、巨人の女を倒すのに、誰が一番悪いのだと罵り合いをしたり、罪の擦り付け合いだ。本当だったらハッピーエンドを迎えるおとぎ話なのに、少々皮肉ったようなブロード・ウェイ・ミュージカルの映画版。ですが、それはまるでパロディ・コメディ作品になっていた。夢ばかり見ていられない教訓がチクリと胸を刺すこと請け合いですから。
2015年劇場鑑賞作品・・・52
