パピとママ映画のblog

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サマー・オブ・84★★★・5

2019年10月05日 | アクション映画ーサ行

長編デビュー作となる前作「ターボキッド」で世界的に注目されたカナダの3人組監督ユニット“RKSS”が80年代オマージュ満載で贈るジュブナイル・サスペンス・スリラー。

あらすじ:1984年のアメリカの郊外住宅地を舞台に、近隣で発生した連続殺人事件の犯人探しに夢中になる少年たちの危険な冒険をノスタルジックな筆致で描く。1984年、夏。オレゴン州イプスウィッチ。猟奇的犯罪の記事収集が趣味の15歳の少年デイビー。近くの町で同年代の子どもたちばかりが狙われる連続殺人事件が発生し、彼はひょんなことから向いの家に住む警官のマッキーが犯人だと思い込む。さっそく親友のイーツ、ウッディ、ファラディとともに独自の捜査に乗り出すデイビーだったが…。

<感想>連続殺人鬼も誰かの隣人だ。80年代のジュヴナイル映画みたいな、15歳の少年4人組が、ヒッチ・コック作品「裏窓」のジミー・ステュアートたちみたいに、不謹慎な野次馬根性で、謎解きと冒険に乗り出す。

4人組の少年たちは、無名の俳優さんたちのようで、安い資金で制作できる映画になっていたが、これが結構面白くて、怖くかった。郷愁を深め合いながらRKSSという、ユニットで、事件が好きな男女3人の監督たちが、ホラー映画を演出していた。

冒頭で、主人公のデイビー少年役のグレアム・ヴァーシェルが「ポルターガイスト」を見た影響で「うちの土地は、先住民の墓場なんだ」と言い、エイリアン、幽霊、猟奇事件などの記事を収集し、望遠鏡で犯罪者だと疑った、隣人宅を異常なほど見続けるのだ。彼の友人たちも妙にリアリティがあり、物語の押し方には納得がいく。

主人公が新聞配達のバイトをしているデイビーは、隣人の警察官マッキーに「ちょっと、ゴミを埋める穴を掘るのを手伝ってくれ」と頼まれる。そのことで、何かが変だと、そう気づいたデイビーが、世間が騒いでいる子供を狙った連続殺人の犯人は、マッキーではないかと疑う。

その疑いを仲良し友達3人に打ち明けるも聞き入れないのだ。家の父親にも相談するが、全否定されてしまう。警察官という特権で、まさかそんな殺人犯だとは思っていないのだ。

それでも、友達3人はマウンテンバイクを乗り回し、マッキー連続殺人鬼説を証明するために、様々な大作戦を決行する。彼の家の裏庭を掘り返したり、深夜のジョギングなど怪しい行動も逐一チェックする。

そして、マッキーが怪しいと感じるようになるが、でもどうしたらいいのか分からない。大人たちは、お前たちのやっていることは犯罪だ。マッキーは警察官の仕事をしている。何てことをするのだ」とかんかんに叱られる。

追い打ちをかけるようにTVでは、連続殺人鬼犯人逮捕のニュースが流れて来るし。1980年代が舞台で、シンセサイザーが響きまくる音楽はいかにもだが、これみよがしに同年代へのオマージュを押し出してこないのが、何だか新鮮さを感じた。

 

確かに少年たちはが活躍するし、BMXを駆るし、玩具のトランシーバーを駆使するが、ジュヴナイル的な雰囲気が極めて薄く、まっとうなスリラーというべき仕上がりになっているのも良かった。

ラストが、主人公のデイビーが掘り返した穴に、警察官のマッキーにその穴に埋められそうになる。父親が気が付いて、助けに来てくれたからいいのもを、もし気づいていなかったらば、デイビーは生き埋めになって殺されてしまうことになるのだ。

「うわーっ」と恐ろしい事件の収束には、それを経て成長するどころか、精神的に死んでしまう主人公の姿など、爽快感がまったくないラストにも悪くないと思った。

 

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