風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

パンフルート上達講座:3連符にかかるスラー

2016-03-22 | パンフルート演奏講座

パンフルート演奏譜面上では2音以上数音つづけてスラーがかかる場面も出て来ます。

   

多管楽器のパンフルートでは管飛びで滑らかに音をつなぐ技術が求められます。

 

 管移動中に音が途切れることが宿命のパンフルート演奏にとって、いかに両音をなめらかにつなぐかと言う課題は

各演奏者に課せられた研究項目の一つです。

これは各自の感覚的な受け取りに属しますので「音と音の間に空白の時間がある」ということを認識し、その対処の

仕方を常に意識しながら日々の練習に取り組まれることが望まれます。

私の場合の3連符の扱いは「ト・フ・コ」と3つの音を滑らかにつなぐことはもちろんですが、3つの音が同じ強さ

にならないよう差を付けて表現しています。

そして次の音は「ト」で始まり、際立ちをはっきり差を付け流れを作っています。

ちなみに4つ・5つの音にスラーがかかる場合はダブルタンギングを基調に「ト・フ・コ・フ」「ト・フ・コ・フ・

コ」とか「ト・フ・フ・フ」など曲調にあわせて使用しています。

いずれにせよシングルタンギングで「ト・ト・ト・ト・ト」と進むのは舌ももつれますし無理があるようです。 

   

 

風の音パンフルート製作工房では柔らかく優しい音の広島産竹を使って楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


パンフルート上達講座:多段飛びのスラー

2016-03-20 | パンフルート演奏講座

パンフルート演奏で音を滑らかにつなぐスラーは大切な要素の一つですが、隣の管以外数段飛びのスラーは突然難し

くなります。

   

パンフルート演奏では管の間を行き来する動作の中に上達の秘密が隠されています。

 

 パンフルートでの楽曲のメロディー進行は両手で構えた楽器をスライドさせたり、顔の向きを左右に動かしたりする

2つの動作を併用して管の間を移動、目的の管上に唇のセンターを軽く押当てます。

これを繰り返しながら音を出して行くわけですが、この時の管歌口と唇の関係は音を出し終わった瞬間に両者が離れ

て行きます。

離れる形は前後の直線上の動きではなく、次の音管の方向に斜めに切り離します。

両者を切り離す瞬間から次の準備に入っているのです。

音を出さない管上の移動は大きく離すのではなく、唇が触れるか触れないかの微妙な間隔を保ちながら進みます。

目的地には斜めに着地いたします。

この間音は絶対に出ていないわけですから両者を滑らかにつなぐことは至難の業となります。

私はトのタンギングで前の音を出し、切り離したあとも少し空気をもらしながら次の音の直前にフのタンギングを

始めロケットカプセルが逆噴射するような形で空気を出しながら着地します。

こうすることで両者を滑らかにつなぐ努力をしているわけですが、みなさんも工夫されて良い方法があったら教えて

ください。 

     

 

風の音パンフルート製作工房では暖かく聞く人を包み込む音を持つ広島産竹を使って楽器作りを行なっております。

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パンフルート上達講座:移動空白時間を短く

2016-03-18 | パンフルート演奏講座

多管楽器であるパンフルートでは管の間を移動する間に生じる空白時間を短くする努力をしなくてはなりません。

   

なんの楽器でもそうだと思いますが、パンフルートでも演奏上独自・独特の留意する事項がたくさんあります。

 

 ピアノの音が減衰するのをだだ待つしかないように、パンフルートの音も管移動中必ず音は途切れます。

しかし手をこまねいているわけには行かないので、何とかその時間を短くする工夫をいたしましょう。

少なくともそういう事項があるのだという意識を持って演奏に向いましょう。

空白時間を短くするには「音の終わりをできるだけ長く、始まりを確実に鳴らして行く」ことです。

パンフルートの音出しでは何のアクションも起こしていない次の管(管内空気は1気圧)に唇を移動して空気を送り

込み気圧がある基準まで高まった時に音振動が発生するわけですから、定刻に唇がたどりついたのでは遅れてしまう

のです。

フライング気味に動作を始めていないと全ての音がシンコペーション・あと打ちになってしまいます。

空白時間を短くするどころか長くなってしまいます。

みなさんは音の立ち上がりについて意識をもって研究してください。

   

 

パンフルート製作工房では暖かく柔らかい音が特徴の広島産竹を使って楽器作りを行なっております。

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パンフルート上達講座:管移動中に生じる空白

2016-03-16 | パンフルート演奏講座

演奏中管の間を行き来するのはパンフルートの構造上不可欠のことですが、ここに「空白時間が生じる」という

厄介な問題が起きてきます。

   

数年前当工房に取材に来られた新聞記者の方に私のパンフルート演奏を披露したところ「良い音はしますが、音が

プツプツ切れて聞こえます」と言われてしまいました。

 

 この管移動の間の空白は1管1音を担当する多管楽器のパンフルートの構造上、いたしかたないものです。

ただしこの状況を「なんとかしなければ」という姿勢は必要で、全く意識なしで漫然と音を出していたのでは上記

のように聞く人にとっては音と音の間の無音状態が際立ってしまいます。

私は意見を深刻に受け止め、以後は「空白受け入れ」を演奏研究の一つのテーマとしています。

工夫の一つはできるだけ空白時間を短くすれば良いと考え、今出している音を出来るだけ伸ばして次に素早く移る

という動作を徹底的に練習いたしました。

音を出す動作上で言えば、いままで早めに切り上げていた管上の唇を限界まで置いて、首振りと構えた手での楽器

移動を併用して次の管に移動することです。

空白を受け入れそれをなんとかしようと苦闘しています。 

   

 

風の音パンフルート製作工房では優しくほのぼのとした音の広島産竹を使って楽器作りを行なっています。

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パンフルート上達講座:3段飛び10段飛び

2016-03-14 | パンフルート演奏講座

パンフルート演奏の技法では管移動なしでは語れません。

   

パンフルートは1管1音を担当した3オクターブ22管前後の楽器です。

 

 パンフルート演奏での管移動について多数の楽器とつき合っている製作者の立場から言いますと、管の径も歌口の

形状も微妙に違う各楽器に何の違和感もなく対応できていることに驚きます。

演奏前には楽器を手に取り、目で大きさとか全体のカーブとか直接唇が触れる歌口の形状とかを確認して演奏に入り

ます。

一旦演奏に入ると楽器は視野の外になってしまい、後は目以外の五感にたよるしかありません。

私の工房にはいま100台以上のパンフルート在庫がありますが、これらの楽器は初期には内径が大きく堂々とした

音作りをしていましたし、中期には細い径の繊細さに重点を置いた楽器作りを行なってまいりました。

現在はこれらをふまえて豊かな響きを持つパンフルートが作れるよう邁進しています。

このように寸法や形状がすべて違う楽器を五感で瞬時に対応してしまう能力を人間は持っているのですね。

ときおり違う管へと飛んで間違えることはありますが、このときは距離感に狂いが生じていますので繰り返し練習し

て修正してください。 

   

 

風の音パンフルート製作工房では柔らかく暖かい音色の広島産竹を使って楽器作りを行なっています。

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