風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

昨日の作業・右上がり型治具

2014-08-30 | パンフルート作り

パンフルートの形の多くは左手に高音が来る「左上がり型」ですが、まれに逆並びの「右上がり型」の需要もありま

す。当パンフルート工房では主流であるとかそうでないとかのこだわりは捨て、両方の形のパンフルートを製作する

ことといたしました。そのための準備を進めます。

   

 組み立て治具用に厚めの板を張り合わせて土台を作ります。   管の並びが反対になるので改造をいたします。

みなさんご存知のように現在流通している標準的なルーマニア型パンフルートは演奏者の側から見てピアノの鍵盤の

並びとは反対方向の左に高音が来る「左上がり型」となっております。

どうしてパンフルートがこの形になったのかは「その形でルーマニアに伝承されて来たから」としか言いようはあり

ませんが、いま基準としているピアノの鍵盤の並びも逆の時代があったと聞いております。

ようするに平面に音程を配置するタイプの楽器の低音から高音へ向けての並びはこうでなくてはならないという明確

な基準は見当たらないと思われます。

   

ということでパンフルートの低音管が左右の端に位置する2つの形が存在しています。

多くの方は入手された形でパンフルートにふれられ、その形で習熟されています。

私が実際に見聞きしたパンフルート所有者約70名のうち4名のパンフルートの形が低音管左の「右上がり型」

パンフルートであることを確認しています。

また、茨城の「壱越」さんの工房では右上がり型パンフルートを製作されており、いままでに数十台頒布されている

とのことで「右上がり型」パンフルートの割合はもう少し高くなると思われます。

当パンフルート工房では100%右側低音のルーマニア型パンフルートを製作(1台注文により逆方向製作)して

来ましたが、視野を広げ両方のパンフルートの型を製作することといたしました。

パンフルート工房では地元広島の素材を使いパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854または panfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


昨日の作業・銘を入れる

2014-08-28 | パンフルート作り

現在製作しているグループのパンフルート低音管側面に当パンフルート工房製作である証の銘を入れました。

   

     当パンフルート工房製作であることを証明する「香」の刻印を火で熱して管側面に焼き付けます。

日本ではパンフルート製作に携わる人も少なく、歴史も浅いので製品が市場に出回っている状況ではありません。

当パンフルート工房を含め数名が個々の工房でパンフルートを製作して知人やインターネットを通じて細々と頒布を

続けているのが現状です。

広島に5団体あるパンフルート教室や大学同好会の会員の所有する楽器をみても簡易型韓国製のパンフルートが

ほとんどで、まれに本格的ルーマニア型の楽器を持っておられるのを拝見するとヨーロッパ製であります。

パンフルートに携われている方の中でもまだまだ日本製のパンフルート製品の認知度は低いですね。

   

     パンフルート工房のある地区では秋の象徴であるうろこ雲が見られるようになりました。

当パンフルート工房では地元広島の素材を生かしてパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


昨日の作業・歌口天場角度つけ

2014-08-26 | パンフルート作り

パンフルート歌口のラインが決まったら前後の角度を決め一定になるよう削り進めます。

   

    パンフルート歌口部分に定規をあてながら各管の角度が一定になるよう加工して行きます。

パンフルート歌口を全管左右水平に削りとった後、次に前後の角度つけの作業に移ります。

ここでも角度が違うと歌口手前の唇のあたる部分に段差ができパンフルート演奏に障害となります。

1管1管慎重に角度を削りそろえて行きます。

   

          白菜を育苗中                  トマトの収穫もそろそろ終わりです。

パンフルート工房では地元広島の素材を使ってパンフルートを作っています。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


昨日の作業・歌口天場ライン作り

2014-08-24 | パンフルート作り

パンフルートの歌口作りは20数本の管の水平・垂直ラインをきれいに揃えることから始まります。

   

パンフルートを逆さまに置いた時垂直になるよう削ります。 平面板と各管の隙間や凸凹がないよう削り進めます。

パンフルート歌口の加工に入るにはまず各管のラインをきれいに削りそろえることが前提となります。

歌口はパンフルートの音を出すために演奏者と楽器が接する点でありますので、念には念をいれて垂直・水平を確保

いたします。

   

パンフルートは原則1管1音で演奏を進めて行きます。

当然音符の進行によっては1オクターブ飛んで音管を大きく移動することもありますし、高音部から低音部へと音楽の

表情が展開して行きます。

その時歌口天場の水平がとている楽器とそうでない楽器とでは唇のタッチが違って来ます。

あらゆるところに配慮が行き届いている楽器が「使いやすく自分にフィットする楽器」であると言えるでしょう。 

当パンフルート工房では地元広島の素材を使ってパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


昨日の作業・底部箱型色ぬり

2014-08-22 | パンフルート作り

広島市では20日未明に起きた集中豪雨で大きな土砂崩れ被害が起きています。

   

 パンフルート底部箱型の色塗り。              今朝も雷を伴う集中豪雨がありました。

パンフルート工房のあるこの地区は広島市安芸区で今回大きな被害が起きている安佐南区とは700m級の山地を

はさんで東南の谷あいにあります。

一つの山地を離れただけでこの谷あいは通常と変わらぬ雨の降り方でありました。

テレビの報道によりますと雷雲が同一個所で次々と発生する「バックビルディング現象」が起きたとされています。

   

 7台のパンフルートの工程を同時進行しています。       毎日どんよりした曇り空が広がっています。

パンフルート底部の箱型土台作りは前回より1㎜の航空ベニアを使っていますが、表面仕上げに木工パテを薄く

何回も塗り重ねております。

この土台の上にハケ塗りで塗料を塗っていきます。

パンフルート工房では地元広島の素材を使ってパンフルートを製作しております。

購入・修理・パンフルート教室などの問い合わせは082-894-0854またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。