パンフルートの形の多くは左手に高音が来る「左上がり型」ですが、まれに逆並びの「右上がり型」の需要もありま
す。当パンフルート工房では主流であるとかそうでないとかのこだわりは捨て、両方の形のパンフルートを製作する
ことといたしました。そのための準備を進めます。
組み立て治具用に厚めの板を張り合わせて土台を作ります。 管の並びが反対になるので改造をいたします。
みなさんご存知のように現在流通している標準的なルーマニア型パンフルートは演奏者の側から見てピアノの鍵盤の
並びとは反対方向の左に高音が来る「左上がり型」となっております。
どうしてパンフルートがこの形になったのかは「その形でルーマニアに伝承されて来たから」としか言いようはあり
ませんが、いま基準としているピアノの鍵盤の並びも逆の時代があったと聞いております。
ようするに平面に音程を配置するタイプの楽器の低音から高音へ向けての並びはこうでなくてはならないという明確
な基準は見当たらないと思われます。
ということでパンフルートの低音管が左右の端に位置する2つの形が存在しています。
多くの方は入手された形でパンフルートにふれられ、その形で習熟されています。
私が実際に見聞きしたパンフルート所有者約70名のうち4名のパンフルートの形が低音管左の「右上がり型」
パンフルートであることを確認しています。
また、茨城の「壱越」さんの工房では右上がり型パンフルートを製作されており、いままでに数十台頒布されている
とのことで「右上がり型」パンフルートの割合はもう少し高くなると思われます。
当パンフルート工房では100%右側低音のルーマニア型パンフルートを製作(1台注文により逆方向製作)して
来ましたが、視野を広げ両方のパンフルートの型を製作することといたしました。
パンフルート工房では地元広島の素材を使いパンフルートを製作しております。
購入・修理・パンフルート教室などのお問い合わせは082-894-0854または panfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。