風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

バスパンフルートについて

2013-02-28 | パンフルート

      昨日バスパンフルートについて問い合わせのメールをいただきました。

    

    パンフルート工房から約1㎞のホウライ竹林。       標準タイプのアルトと並ぶバスパンフルート。

 昨日埼玉県の方からバスパンフルートについて問い合わせのメールをいただきましたが、返事をする前に子守りとし

て預かっている幼児のいたずらで大切な内容が消去されてしまいました。

まことに申し訳ありませんが「再メールいただけないでしょうか」。

 当工房で製作しているバスパンフルートは標準タイプのアルトパンフルート(G~G22管)の低音から1オクターブ

7管を下に追加して楽譜表記でいえば5線譜の下の補助線2本半の位置からはじまります。

管数は2オクターブ15+5管の20管で組み立てております。

黒竹のように節間の短い種は節が入るのは避けられませんがトウチク・ホウライチク・金明竹・メダケの一部などは低音

部に(管長50㎝前後)節が入らない形で出来上がっております。

種によって音質・音の立ち上がり方・響き方など違ってきますのでバスパンフルート購入を考えられている方とは綿密に

意見交換をして機種を決めたいと考えております。

バスパンフルートにたどり着く方は2台目以降の購入でしょうからパンフルートには精通されている方と推測されます。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org

 


自然と共存する

2013-02-25 | パンフルート作り

   パンフルート作りは自然の中の生物を使わせてもらっています自然のルールには従わなければなりません。

    

        パンフルート工房近くメダケの竹林。    2種類の形を寸切りする時、一方は数をそろえます。

 パンフルートの素材となる竹は自然の中で生きてたくましく育ったものを切り取って使っています。

その素材は同じメダケの種であっても育った場所の環境により体力の差が生まれ音の性格となって現れます。

具体的には太陽光の当たり具合やその土地の水分量や養分の違い気温の違いや降雨量の違いなど全てが異なります。

パンフルート製作者はその自然のままを受け入れる心で溶け合って作業にあたらなければなりません。

決して製作者の技術でもって人為的に音質を変えるとか形を変えるとか思ってはなりません。

製作者はその竹管の持っている性質を尊重し、できるだけ自然の形を保って組み立てるだけです。

仕上げのニスも汚れが染み込まない程度の薄塗にして素材の音を外に導きだすことを優先します。

当工房で作られるパンフルートは同じ場所、同じ年月日に伐採されたものの純潔にこだわって組み立てられますが、

出来上がった個体の音はすべて個性が違います。

これらパンフルートは製作過程を通して1管ずつ個性を封じ込めぬよう伸ばす方向に細心の注意を払って作業をして

いる結果であって個性が違うのは当然のことであると思われます。

製作者は自然とともに生き、自然に生かされてパンフルートと関わっていきます。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


限りある資源・竹を有効に使う

2013-02-22 | パンフルート作り

     パンフルート製作は自然界の輪廻から逃れることはできません。天敵を知り防御していきます。

    

      煮出した竹管は天日干しで乾燥させます。     パンフルートに組み立てられる日まで保管します。

 地球上の生命はこの世に誕生した後いずれは朽ち果てて土に帰っていきます。

パンフルートの材料として使っているメダケも密生した竹林を形成していきますが、太陽光を受ける空間には限度が

あり約10年後には枯れ葉を落とし次の代にその空間をゆずります。

パンフルート用の材として使わせてもらっているのは3~5年生の竹で竹林の中で選んで伐採しております。

5年生以降の竹は表面に老人性斑点のような模様が出たり8年生ぐらいになると褐色の肌が目立つようになり最上部

から順に枯れ始まります。

パンフルート製作者は竹林に入り若く元気な、真円に近い、曲がりの少ない材を選んで伐採し笛の材として使わせて

もらっています。

工房に入った後は天敵である虫と共存しながら生活をし、数工程の下処理加工を経て虫に負けない体に鍛え上げて

いきます。

当工房では虫の侵入防止に安易な薬品による防御態勢はとりません。1管1管手をかけて育てて行きます。

だって自然界の数ある竹の中から選ばれて工房を訪れた貴重な1管なのですから。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

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竹を煮沸して食い荒らす虫の侵入を防ぐ

2013-02-19 | パンフルート作り

       パンフルート作りは見えない材料の下処理のほうが重要で多くの時間と手間をかけます。

    

  パンフルート工房の中、土間部分で作業をします。   鍋はカニ茹で用中古品で上から中身を網で押さえます。

 パンフルート製作工房には笛の材料である竹が大量に保管されています。

この竹がある種の虫にとって生きて行くための食料となります。

パンフルート製作者の私はこの虫たちの育ての親となっているのが現状であります。

この悪循環を断ち切るために今年は全ての素材を加工して煮沸消毒することとしました。

今夏の虫の繁殖期には工房内には食料となる未処理の竹を無くしてしまうのです。

寸法に寸切りした竹管を30分間煮沸しその後1本ずつ取り出し歌口や管尻をプライヤーでつまんで真円にしながら

冷まして固めるのです。

最後の1本を取り出すのは2時間後になりますので管は30分から2時間半煮沸されることになります。

こうして竹の中の油分と言われている虫の食料となる成分を抽出して後は繊維質だけの状態、いわば食べかす状態に

して虫の侵入を防ぐのです。

こうして処理をしたパンフルート用竹管には虫の侵入は皆無とは言い切れませんが数千本に1本ぐらいの被害ですん

でおります。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


楽器を動かさない方法で半音を出す

2013-02-16 | 半音のだしかた

       半音の出る頻度が多くなると楽器を傾ける方法では限界があります。

    

            パンフルート工房付近風景。      松の木のパンフルート(アルトパンフルート)

 パンフルートG調管1本で全ての調の曲を演奏するとどうしても半音の出る頻度が多くなり半音箇所をスムースに

乗り切り音を繋いで行くことが重要不可欠となります。

そのためには基本の楽器の構えから安定した管の移動について考えてみましょう。

パンフルートの構えは両手で柔軟性をもって保持し上下左右の動きに楽器がぐらつくことの無いように求められます。

ローリングなど無駄な動きのないよう最短距離をできるだけ直線的に進むことが良い動きとなります。

ところが楽器の底部分を体から離れる方向に前に押し出し「楽器を傾けて半音を出す方法」では、わざわざ楽器の安定

を崩してしまっているのです。

3音が全音位置で4音が半音位置の曲の場合の管移動のようすを想像してみてください。

真横から見るとパンフルートは激しく揺れ、そこには動きに翻弄されている演奏者の姿が目に映ることでしょう。

パンフルート演奏の安定したフォームを追求するならば「楽器を傾けないで半音をだす方法」を研究・実践されるよう

提案いたします。

技術的事項は以前「半音のだしかた」で紹介しておりますので参考にしてください。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org