風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

パンフルート上達講座・音の広がりをイメージ化する

2015-12-30 | パンフルート演奏講座

パンフルートの音を自在に操るためビーム反射後の空気の広がり方を想像して形としてとらえてください。

   

 パンフルートは風の音、歌口を流れる空気の塊の形によってさまざまな表情を見せてくれます。

パンフルート演奏者は自分の肺のなかの空気を管の歌口に吹き付けて音を出して行きます。

この両唇の隙間から空気の塊が出る時、人の動きは脳からの指令をもとに体の筋肉を動かし空気に圧力を加え流れを

作って行きます。

いわばコントロールされた意思のある塊が体から飛び出すわけです。

こう考えるとその塊の形は容易に想像できるはずです。

これが管中央で反射され管エッジを通りすぎる時音が発生するのですが、その地点での空気塊の広がり方をイメージ

して見ましょう。

そして形をイメージした時の音を聞き記憶しましょう。

その積み重ねで音作りをコントロールできるようになってください。

   

 

 

風の音パンフルート製作工房では自然の中の音とともに楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。


管底コルク詰め

2015-12-29 | 被爆樹木のパンフルート

被爆樹木カイヅカイブキの木のパンフルート(ソプラノ2台、アルト6台、テノール4台)の製作は管底にコルクを

詰める作業に入っています。

   

 パンフルート各管の長さは音程位置より長めにとってありますので、ミツロウを埋める1~2音深さを残しコルク

を埋めて行きます。

コルク埋めは4ミリから10ミリのコルク板から皮抜きポンチで円板数枚を作り丸棒で底に押し込んで行きます。

所定音程の1~2音下で止め、ミツロウを埋めていきます。

ここでは調律はせず、所定音程の少し下で止めておきます。

 

風の音パンフルート製作工房では自然と共に心に響く音の楽器作りを行なっております。

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パンフルート上達講座・意図を持った音

2015-12-27 | パンフルート演奏講座

パンフルートは管の底に詰め物をしてあるだけの単純な構造ゆえに吹き手の意図が伝わる音を出すことができます。

   

 22管アルト(高音域4G~7G)と23管テノール(中音域4C~7D)パンフルート。

パンフルートの管からは素朴な透明感のある音が出ますが、演奏者の多くはその音に甘え切ってしまい「パンフルー

トの特徴ある音だけ出ておればおのずと聞き手に伝わる」とばかりに音さえ出ておれば良いという姿勢で表面的な

平坦な演奏に陥っています。

スマートできれいな音だなという印象は残るのですがそれ以外の感情は伝わってこないのです。

私はもっと泥臭く感情むきだしの音があっても良いのではないかと考えています。

私は全ての事象には両面があり、どちらも極めて行きたい姿勢で研究を続けています。

具体的に自分の意図を表す方法ですが、空気の塊が演奏者の両唇を出た瞬間の形で決定してしまいますので演奏者は

それまでの手順で形を操作しなくてはなりません。

空気の塊の形を大きくしたり小さくしたり、弾くようにしたり遠くへ届けるようにしたり、タンギングの位置を変え

たり、ビームの上下角を変えたり、両唇の締め付けを変えたり努力してみてください。

そして意図を持った音を出す第一歩は「音の強弱をつける」ことです。

1曲のなかで5段階、最低3段階の聞いて明らかにわかるような意図を持った強弱をつけてください。

    

 

風の音パンフルート製作工房では自然の音を大切にした楽器作りを行なっております。

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パンフルート上達講座・のどにリンゴを腹式呼吸

2015-12-25 | パンフルート演奏講座

今は空気の塊が出た後の反射の話をしていますが、その操作を支える空気量は全て肺の中に吸い込んだ量によって

決まります。

   

 パンフルートの自然素材である竹や木の組織の中は毛細管や気泡があり、外の大気と繋がって空気のやりとりを

 しています。その分音を出す時吸収されたりして金属管に比べ余分な空気量が必要となります。

みなさんはパンフルートをうまく演奏したいということで音出しばかりに注目されていますが、土台作りである

「空気の吸い込み」の重要性に気づかれもっと注目ください。

息の吸い込みといっても普段の深呼吸をする時などはいくらでも空気を吸い込むことはできますが、こと曲の途中と

なると時間的余裕はなく瞬時に大量の空気を吸い込む技術を身に付けなくてはなりません。

そのためのスローガンが「のどにリンゴを、お腹にスイカを」です。

空気の吸い込みを瞬時にしかも大量に行なうためにはお腹の方をふくらます腹式呼吸で吸引力をアップし、その時

できるだけ気道を広げてたくさんの空気を通す工夫が必要となります。

空気を効率よく貯め込むことができるようになると演奏にも余裕が生まれます。 

どうか演奏と同じレベルで空気の吸い込みにも意識を向けてください。

   

 

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パンフルート上達講座・荒い音なめらかな音

2015-12-23 | パンフルート演奏講座

パンフルートの音出しで反射を利用すれば荒いビリビリ音と滑らかな絹衣のような音を作り出すことができます。

   

 パンフルートは管底を密封した閉塞管です。この特性を知り大いに利用して行きましょう。

パンフルート発表会などでみなさんの演奏を聞いていると最初から最後まで同じ音出しで、同じ調子で表現されて

いる姿が多々見受けられます。

音が平坦でおとなしいのです。

本来パンフルートは多感な楽器ですのでその特性を利用してもっと極端な表現を目指して行きましょう。

もちろん曲調が崩れるぐらい1曲の中でクルクル表情を変えてはいけませんが、何もアクションを起こさないよりも

1度破綻するまで限界を試したうえで元にもどす手もありだと考えています。

私の音作りは空気の塊を反射させた後の塊の広がりの肌をギザギザにしたりシルク衣のごとく滑らかにしたりする

イメージで行なっております。

その反射を利用するためにはまず両唇のすきまから出る空気に意思を持たせる工夫をいたしましょう。

トランペットを吹く時のように両唇をビリビリ震わせて短い交点で空気を荒くすれば荒い音になりますし、ビームの

交点を数十㎝先に合わせるような長い空気の流れを送ればきめ細かい音が発生いたします。

みなさんも独自な方法・イメージで音作りに挑戦してください。 

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然の音を大切にした楽器作りを行なっております。

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