演奏中管の間を行き来するのはパンフルートの構造上不可欠のことですが、ここに「空白時間が生じる」という
厄介な問題が起きてきます。
数年前当工房に取材に来られた新聞記者の方に私のパンフルート演奏を披露したところ「良い音はしますが、音が
プツプツ切れて聞こえます」と言われてしまいました。
この管移動の間の空白は1管1音を担当する多管楽器のパンフルートの構造上、いたしかたないものです。
ただしこの状況を「なんとかしなければ」という姿勢は必要で、全く意識なしで漫然と音を出していたのでは上記
のように聞く人にとっては音と音の間の無音状態が際立ってしまいます。
私は意見を深刻に受け止め、以後は「空白受け入れ」を演奏研究の一つのテーマとしています。
工夫の一つはできるだけ空白時間を短くすれば良いと考え、今出している音を出来るだけ伸ばして次に素早く移る
という動作を徹底的に練習いたしました。
音を出す動作上で言えば、いままで早めに切り上げていた管上の唇を限界まで置いて、首振りと構えた手での楽器
移動を併用して次の管に移動することです。
空白を受け入れそれをなんとかしようと苦闘しています。
風の音パンフルート製作工房では優しくほのぼのとした音の広島産竹を使って楽器作りを行なっています。
購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。