風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

被害管を差し替える

2013-03-31 | パンフルートの修理

       竹を食い荒らす虫の被害にあったパンフルート管は早急に取り外し新しい管と差し替えます。

    

  当該管を割って差し替えます。普段見ることのでき            当地区では桜が満開になりました。

 ない管内底が現れてきました。(上蜜蝋 下コルク)     丘の上から集落を望む。(山あいの静かな町です)

 

 パンフルート管に虫の侵入の兆候が見られたらすぐに取り除き被害管は焼却いたします。

「ここまで形ができているのに崩すのはもったいない」とか言っている場合ではありません。

表面の傷は大したことのないように見えても中では虫が竹を食料として毎日食い広げているのです。

被害管を割って取り外し1本分の空間を作り新しい管を差し込みます。

管にヒビが入ったり割れたりした場合も同じ工程で修理いたします。

みなさんがお持ちのパンフルートに不具合が発生した場合は同様の工程で修理をいたしますので当パンフルート工房に

お申し付けください。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-89-4-0854または 香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


バスパンフルートの修理

2013-03-29 | パンフルートの修理

    製作途中で1年以上中断していたバスパンフルートをチェックすると虫が侵入している管がありました。

    

パンフルート工房前畑の菜の花に蜜蜂が集っています。  6個の穴をあけて虫が侵入、中を食い荒らしていました。 

 自然界の法則には逆らうことはできません。

パンフルート工房内には素材から完成品まで大量の竹が存在いたします。

これらを食料とする生物がいても何ら不思議でもありません。

今回虫の侵入被害にあった金明竹素材のバスパンフルートは、組み立て途中で1年以上中断し工房内で保管してあった

ものです。

通常組み立てる前の管は汚れ防止などの目的で管内を含めてニスを1回塗りしてから次の工程に入ります。

長期間保存する場合は1回塗りだけでは虫の侵入防止にならないようです。

今回の反省は「組み立て工程に入ったら中断することなく最後のニス塗り(当パンフルート工房では4~5回の重ね

塗りを行なっています)まで済ませておくこと」だと感じております。

何事も中途半端はいけませんね。このパンフルートは早速修理に入ります。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


音程を上げて行くレッスン

2013-03-26 | パンフルートレッスン

  とりあえずパンフルートの音が出始めたら次の段階として息を有効に使うレッスンをして音程を上げて行きます。

    

   この生徒さんがパンケーキを作ってくれました。    パンフルート工房前畑で咲きそろい始めた水仙の花。

 パンフルートは人間の体で作った圧力のある空気(ビームと呼んでいます)を使い管の中の1気圧の空気を押さえ

つけ、圧力を高めることによって振動を起こし音を発生させていきます。

圧力がその管の体積の許容範囲を超えたとき爆発的膨張をしてそれによる収縮が起き振動が発生するのです。

強く吹けば大きな音(振動が起きる)が出て優しく吹けば優しい音が出る。息が止まれば音も止まる。

このことを見ても振動は人の作り出すビームに瞬間的に対応していることがわかります。

ここには継続性はありません。管の中の空気は瞬間的に対応した後次の動きを待っているのです。

パンフルート演奏中に息が続かなくなり最後は苦しく絞り出すようなビームを送ることがありますが、このとき待って

いた管は忠実に「苦しそうなかすれた音」を出してくれます。

この生徒さんの場合まだビームの圧力が弱いのでパンフルートの音程が下がり弱々しい音しか出ていませんが、吹き

込んで行くうちに腹筋や頬の筋肉が(肺自体の筋肉は無いそうです)鍛えられ強い圧力のビームを送り込めるように

なると自然に音程は上がりいま詰め込んでいる蜜蝋を掻き出す作業に入るはずです。

それと感情の変化をつけた音を出す訓練をしてください。ビームの圧力の加え方が体感できるはずです。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

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初心者の音程は半音低くなる

2013-03-23 | パンフルートレッスン

    パンフルート上級者が自分用に調律した楽器を初心者が吹くと半音低くなりますなぜでしょうか。

    

 パンフルート工房前畑に水仙の花が咲き始めました。    チューナーで音程を確かめながら調律して行きます。

 「初めてパンフルートという楽器を手に持ち音を出して行く」誰もが経験したこの瞬間は期待と不安でいっぱいの

ことでしょう。

パンフルートの標準的楽器アルトパンフルートは22管からなり吹き手からみて左から低音部・中音部・高音部の

3オクターブの管がならんでいます。

両端(特に高音部は中級レベルにならないと音は出ない)の区域は音を出すのは難しいので中央部分で音を出す練習

をしていきます。

音が出始めたと言っても初心者は口内で圧力を作り出す頬の筋肉が弱かったり、両唇を合わせて出すビームが拡散し

て有効に働いていないなど不十分要素がいっぱいです。

管内に加わる圧力が低いのです。圧力が低いぶん低い周波数の振動が起き音程は半音下がってしまうのです。

一人で練習する時にはあまり問題はないのですが、パンフルート教室で合奏する時とか他の楽器やCD伴奏の時など

周りの音と半音ズレていてはまずいことになります。

当面は蜜蝋を追加して管底に詰め初心者の圧力に合わせて音程を上げておく必要があります。

この生徒さんにはこの作業を自らの手でやってもらうこととしました。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082−894−0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

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最初に調律から始める理由

2013-03-20 | パンフルートレッスン

    調律はパンフルートの音作りの原点です。そこには音を作り出す苦労・楽しさが含まれています。

    

          パンフルート工房前畑の菜の花。   1管ずつ蜜蝋を管の底に詰めながら調律して行きます。

 パンフルートの音程作りは常温で柔らかく扱いやすい蜜蝋を使って調節していきます。

蜜蝋を管の底に詰め管内体積を少なくすると音程は上がり、逆に掻き出して体積を広げると音程は下がります。

空き瓶に水を入れたり出したりして吹いてみると音程が上下していく原理です。

そうなんです。パンフルートの調律は極めて原始的な方法で行なっています。

初心者であれプロであれやり方は一緒です。初心者が調律の音作りから始めても何の問題もありません。

むしろ指導者が近くにいて状態を見ながら進んで行ける条件があるならば一番最初に調律作業を習うのが最善である

と思います。

パンフルートを吹き続ける限りその時おりに自分で音程を作って行かなくてはならないのですから。

空気が漏れてビームが有効に働いていない初期段階からしだいに安定してきて調律をする回数が減ってくる時期まで

蜜蝋の出し入れを自身で経験することにより、初期に何が悪くて現在の良い点が分かり次にどう進めば良いか自立

して判断ができるようになるのではないでしょうか。

※ 調律方法には他にもう1つ「管の中の詰め物をスライドさせる」方法があります。(歌口と管尻の口が開いている

  ことが条件)この方法については当ブログ「簡易型パンフルートを作ろう」を参照ください。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

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