みなさんはハキハキした音を出そうと「はじけ散る系」の音を追求されていますね。
パンフルートの音は元来「凡庸なのんびりとした音」なのですが最近のヨーロッパ製のパンフルートでは熱帯産の固い
竹と分厚いニスにより固くシャープな切れの良い音のものが主流となっています。
パンフルートの音の立ち上がりは歌口での空気の対流で起りますが、自らが出した音が最初に届くのは演奏者自身の
耳です。
自身の耳はごく直近にあるため強烈に響き、あたかもその音量・音質で数m先の聴衆まで届いていると錯覚しがちです。
自らの音に酔って次に進むのも良いのですが、届いて来る音の質について分析する能力を身につけてください。
一例として唇に近いタ行タンギングで出た音は荒い気流のためその場で弾ける性格を持ち、衝撃波的な広がりで聴衆
まで届きます。
一方カ行・ハ行の清流タンギングで出た音は本人にも聴衆にも柔らかいそよ風のような波でとどきます。
演奏者は自分に届く音で判断しながら、常に会場最後列の聴衆にどのような音を届けるのか想像力豊かにパンフルート
の管と対話しながら1音1音出して行ってください。
風の音パンフルート製作工房では柔らかく暖かい音が出る広島産の竹を使って楽器作りを行なっております。
購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。