風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

パンフルートはパイプオルガンの原型

2012-12-31 | 古代楽器を再現する

      パンフルートはパイプオルガンが生まれる時の形や音のでる原理の原型となりました。

    

  大型のコントラバスと定型のアルトパンフルート。           パンフルート前畑お正月用の白菜。

 パンフルートは1音の音程を出す管を横一列に束ねて固定したシンプルな楽器であります。

1管1音と言いましたけれど、1管で半音下げる奏法はパンフルート演奏上必要不可欠な技法であります。

上級クラスになると1音半から2音下げることも可能になります。

歌口から送り込む空気の圧力を変えたり角度を変えたり管の口径を下唇で半分塞いだりして音程を下げて行きます。

音程を下げることが可能ならば上げることも出来るだろうと思われるでしょうが1管で音を上げて行くことは非常に

難しくなります。私で半音まで上がりきりません。

私はパイプオルガンに精通しているわけではないので軽々なことは言えませんが、オルガンの鍵盤を叩くちからを

てこの原理などで伝え管上部に空気を送り込むことで音を出しているとおもわれます。

パンフルートは人の唇から直接、パイプオルガンは間接的に空気を送り込む違いがあるだけで音の出る原理は全く

一緒です。

その他にも管の径と長さにも共通点があり後世パイプオルガンが発想されたときパンパイプ(パンフルート)が

手本になったことは容易に想像できます。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


パンフルートはパンフルートではナイ?

2012-12-29 | 古代楽器を再現する

       日本でパンフルートと呼ばれていますが本場ヨーロッパでは別の名前で呼ばれています。

    

       PANPIPESとなっている2つのCD。    東日本大震災被災松の木のパンフルート(PANPIPES)

 日本ではパンの笛・パンフルート(PANFLUTE)と呼んでいますが世界的にはこの名前では通用しないようです。

多くの地域では「パンパイプ」と呼ばれていますが、ギリシャでは神話で葦に身を変えた女性の名をとって「シュリ

ンクス」と呼ばれたりパンフルートが伝わってきた地ルーマニアでは「ナイ」と呼ばれています。

ナイはステージ上でパンフルートの名前を紹介するとき「(そこに)あってもナイ」という定番のジョークでその場

を和らげる効果があったりします。

37年前日本に初めてこの笛をヨーロッパから持ち帰り普及させようとされた方は日本での普及に効果的な名前を

つけようと「パンの笛」と名付けられたと聞いています。

「笛」の総称はフルートですからその後「パンフルート」に変わりつつあります。

その方は「パンパイプ」ではビニール管を並べたような現実的なイメージが強すぎるし「シュリンクス」では夢は

あるが名前を浸透させるには時間がかかる「ナイ」ではあってもナイの冗談になる・・・

などと考えられ日本的な呼び名「パンの笛」に決められたのでしょう。

パンフルート購入・修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org


パンフルート誕生の物語

2012-12-27 | 古代楽器を再現する

      ギリシャ神話のなかに初めてパンフルートが作られた時の物語があるので紹介します。

    

             小学校音楽副教材「たのしいリコーダー・ピポピポ」より転写

 「むかし、ギリシャにパンという名の山羊のすがたをした神さまがいました。

たいへんほがらかで音楽がすきでしたが、いたずらもよくする神さまでした。

ある日のこと、パンはシュリンクスという名の美しい森のような精をみつけてつかまえようと追いかけました。

シュリンクスは走ってにげましたが、とうとう川岸まできてしまいました。

つかまりそうになると、シュリンクスは、水の神さまにお願いして川辺にはえる葦に身を変えてしまいました。

パンは悲しみました。ほんとうはシュリンクスのことを大すきだったからです。

パンはなみだを流しながら、葦をぬきとって笛をつくりました。

 ふいてみると、それはシュリンクスの声のようにやさしく美しい音色でした。

それからのパンは、いつも野や山で動物達たちに笛のしらべをきかせていました。」

これがギリシャ神話に出てくるはじめてパンフルートが作られたときの物語です。

パンフルート購入。修理・蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または 香原 良彦

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日野原重明先生と握手

2012-12-25 | 演奏会

   「オリーブ・パンの笛は希望を語る」演奏終了後日野原先生のところへ挨拶にうかがいました。

    

 被災松の木のパンフルートを先生にお見せしました。    ほほ笑みの会メンバーと日野原重明先生の記念撮影。

 「ほほ笑みと感謝の会」が日野原先生の前座演奏をつとめるのは私で2回目、ほかのメンバーで5回目になります。

いつも先生には一番前の中央席で聞いていただいております。

特に今回はパレスチナ・オリーブの木のパンフルート誕生の物語に加え東日本大震災で被災した松の木のパンフルート

が誕生したことで、被災地の子どもたちの懸命に生きるようすなどの映像が加わりより感動的にバージョンアップされ

た構成で聞いていただきました。ソプラノ歌手の方が加わった構成も初めてであります。

前座演奏終了後出番を待たれている先生のところへ挨拶にうかがって「パンフルートを作った香原です」と紹介された

とき、先生は「よかったよ!ありがとう」と言ってさっと右手を前にさし出されるではありませんか。

私はしばらくの間目の前で何が起きようとしているのか考え、あらためて目の前の先生の手を見たときこれ以上待って

もらっては申し訳ないとあわてて握手に応じました。 

先生はパンフルート製作者の私を認めてくださっており、激励してくださったのですね。感激です。

そこで思ってもいなかった行動に出た私は手に持っていた松の木のパンフルートを差出し先生に見ていただきました。

それにしてもお元気な101歳ですね。私も100まで現役でと行きたいところですがこればかりはわかりません。

パンフルート購入・修理。蜜蝋などの問い合わせは082-894-0854または香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>

までどうぞ。広島パンフルート愛好会教室へもどうぞ。nakamura@an-pan.org 


オリーブの笛は「希望」を語る

2012-12-23 | 演奏会

     12月22日(土)広島女学院で行なわれた子どもたちのための催しに参加いたしました。

    

日野原先生の話と子供達のクリスマス・ページェント  ほほ笑みの会と女学院大学パンルート同好会メンバーで演奏。

 「ほほ笑みと感謝の会」オリーブの木は希望を語る講演一座はオリーブの木のパンフルートをメインとして“世界中の

子どもたちのためにヒロシマから勇気と希望を与えられる演奏会”を行なっているグループであります。

今年11月に当パンフルート工房で東日本大震災で被災した松の木のパンフルートが完成した後は新たに松の木も加わり

子どもたちへのメッセージを発信しております。

今回の一座の出演は新たに被災松の木が加わったプログラムでの3回目の講演となります。

私の演奏出番は後半の東日本大震災被災地の子どもたちへのメッセージの中の一部なので今回は映像と演奏の全体を見て

おこうと客席前端から前半のパレスチナ・ベツレヘムの子どもたちの映像とオリーブパンフルートの音を客席目線で追っ

ていきました。

感動的な内容なのでお客さんたちもハンカチを手に見入っておられます。

私も感動しましたが特に後半被災地の母親が3日後に泥の中から我が子を見つけ抱きかかえる写真映像にはいろんな想い

が浮かんできました。

まもなくわたしの出番がやって来てステージに上がり松の木パンフルートを吹き始めたのですが演奏途中で涙腺を刺激

された鼻水が流れ出してきて塊が管の中に落ちそうになるのです。

「これは困ったことになったな」と気がそちらに向いていると1音間違ってしまい、これは演奏のほうに集中しなければ

と思い直しその後の演奏はなんとか立て直しました。

あまり物語に深入りしすぎるととんでもないことが起きるという教訓です。

パンフルート購入・修理などの問い合わせは082-894-0854またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jp>までどうぞ。