風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

金太郎あめ音からの脱出

2014-04-30 | 音の出しかた研究

パンフル−トの音は魅力的ですね。なぜ魅力的なのかバラバラに分解して探ってみたい欲望に駆られます。

   

中国・雲崗窟の技楽飛天が手にしているパンフル−トの形をモデルに1台製作中です。他にも通常モデルも製作中。

たしかにパンフル−トの楽器自体は表情のある音を出してくれます。

しかし多くの方はその音に酔ってしまって、よい音を出し続けていると勘違いされています。

そのよい音をいかに磨き上げるかを苦心されていて、結果的に単一感情が支配する金太郎あめ的平板な演奏になって

いるのです。

   

 パンフル−ト工房前の畑では玉ねぎが日に日に大きくなっております。     タンポポの種も空を舞います。

パンフル−トは自ら音を出すことはできません。

演奏者から送り出されるビーム(圧力のある空気の塊)を受け止めることにより初めて音を出すことができます。

この瞬間の出来事で全てが決定します。

ここでパンフル−トの音に頼り、あなたまかせにしておくのは実にもったいない話です。

ビームに心を込めて質量を変化させましょう。

具体的にはタンギングの位置・その位置から両唇までの空間処理・両唇で再度の絞り込みの3つで質量を加工します。

このビーム質量加工で千変万化の光輝く音が作りだされるはずです。

この考えで進んで行くとついつい度が過ぎて「楽器を演奏者の意に従うようねじ伏せる」まで行くと音に傲慢さがにじ

み出て来ますので注意して下さい 。

人間関係とおなじで、演奏者は押す所は押す、引く所は引くと心得てパンフル−トと良好な関係を保ちながら二人で

音の世界を創り上げてください。

パンフル−ト製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

調律道具販売・パンフル−ト修理・メール添削教室なども行なっております。お申し込みください。


音作りは土台固めから

2014-04-28 | 音の出しかた研究

パンフル−トの音作りの土台は「調律」です。これが狂っていると音も表情もフラフラになってしまいます。

   

 メダケのパンフル−ト(標準型アルト22管)       組み立て台座の上に管を並べて接着して行きます。

パンフル−トの楽器の最大の特徴は、「自ら使用する楽器は自ら調律するしかない楽器」ということであります。

ピアノやフルートのように誰が弾いても同じ音程が出るようには作られていないのです。

それはパンフル−トの構造が単純であるということに起因しています。

   

  パンフル−ト工房近くホウライチクの竹林。     黒竹(クロチク)は園芸用として庭先で栽培されます。

円筒の底をふさいで一定の体積をつくり出しているだけのものですから。

例えば50ccの管を初心者と経験者が吹いたとしますと、経験者のほうが半音以上音が下がってしまいます。

初心者のビームはロスが大きく有効に使われる空気は限られます。

おそらく体積の全てを使いきれていなく、45ccぐらいの音程となり高めの音が出てしまうのです。

その点経験者のビームは形もくずれていなく、ほぼ100%の空気は有効に作用いたします。

50cc全てを使い切り正当な音程が出て来ます。

その経験者といえども日々成長していますので有効に空気が使い切れる方向、すなわち音が下がって行きます。

演奏者の音程は積み重ねた経験の度合いにより日々変化していることを認識ください。

とは言えその量はわずかなものですから1ヶ月単位での調律見直しでよろしいでしょう。

その時々の技量に合わせてしっかりと土台を作り、よい音程で練習を続けてください。 

パンフル−ト製作・販売を行なっております。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

調律道具販売・パンフル−ト修理・メール通信添削教室などもおこなっております。お申し込みください。


楽器と共に成長する

2014-04-26 | 音の出しかた研究

パンフル−トの音が表情豊かになるためには演奏者と愛器による共同作業が不可欠です。

   

山桜の木のパンフルート(標準タイプ・アルト22管)   パンフル−ト製作は各工程ごと着々と進んでいます。

演奏者とパンフル−トは演奏者の吹きかける息を通じて静寂の扉を開け、音の世界を創り上げていきます。

両者は常に一体であり友でありますが、ときには相反目する関係も生まれます。

見た目には演奏者の一方的な働きかけに素直に従っているように見えるパンフル−トですが、なかなかの頑固者で

こちらの思惑通りには動いてくれません。

「とりあえず格好良い音」を出そうとするような横しまな心はすぐに見透かされてしまいます。

   

米作り作業が始まりました。水に浸けてあった種籾を苗箱に蒔きます。  30箱作ってビニール温室に入れます。

パンフル−トと演奏者の関係は成長の背比べです。

初対面が終わると演奏者はパンフル−トの素直な音に感激して練習が進みます。

パンフル−トはこの上ない透明で暖かい音を出してくれるのです。演奏者はうれしくて楽しくて仕方ない時期です。

しばらくするとパンフル−トは「こんなはずではなかった」というようなクスんだ感じの音に変わって来ます。

演奏者の耳が肥えて来て初対面時の感激した音は「実は大した音ではなかった」と気付く時です。

演奏者が成長して次のステップの新しい感覚の音を模索しようとする時期です。

パンフル−トのほうも演奏者のいろいろな試みに合わせて行こうと努力しますが、なにせ演奏者が迷っている時期

なので一貫性のない指令が飛んで来ます。

お互いのコミニュケーションが取れないまま演奏者にとっては憂鬱な練習が続きますがここは「音の生みの苦しみ」

「この山を乗り越える」意気込みで苦しいでしょうが練習を続けてください。

やがてお互いの心は通じ合い晴れ晴れとした音の世界が広がるようになります。

言っておきますが、この山あり谷ありの成長過程はパンフル−トを続けるかぎり何度も訪れますよ。

成長する二人で一山ごと乗り越えて行ってください。

パンフル−ト製作・販売を行なっております。お問い合わせは0890-5235-7664又はxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

調律道具販売・パンフル−ト修理・メール通信添削教室なども行なっております。お申し込みください。


視点をどちらに

2014-04-24 | 音の出しかた研究

いまパンフル−トの音に表情をつける研究をしていますが1ヶ月・2ヶ月の単位で完結するものではなく、息の長い

取り組みが必要であることが分かりました。

   

  金明竹のパンフル−ト(標準アルトタイプ)              パンフル−ト底部加工をしています。

パンフル−トの音を極めて行く道には「テクニック・技巧」と「音の表情・感情表現」の2つの道が考えられます。

当然どちらも大切で両方を極めれば良いことはわかっていますが、人生限りある時間の中で両兎を追いかけるには

無理があります。

どちらかを優先してパンフルートに向き合われることをお勧めします。

   

春は午後のティータイムにタンポポ茶を楽しみます。  昨秋から植え付けてあった春野菜も順調に育っています。

というのもそれぞれの到達点によってパンフルートの音の見え方や感じ方が違っているのです。

例えば一人のパンフル−ト演奏ビデオをテクニック優先の人と表情優先の両名が見て評価を話し合ったとします。

テクニック優先の人は、間違い個所がないか。音がくすんでいる箇所がないか。などが目につきコンクールの審査員

的な立場で数値化して評価します。また自分とのレベルの差も気にしたりします。

一方表情優先の人は、間違いは暖かかく見守りながらも平面的な演奏などで音が伝わって来ないと厳しい評価をいた

します。全体の雰囲気など感覚的な見方をします。テクニックは練習量により克服できるという立場です。

あなたは今、人の演奏を聞いた時どの立場で「どの視点」で見ていますか?

どちらが良いとも言い切れませんので「違った見方をする人もあるものだな」ということを認めてあなたのいまの道

を進んで極めてください。

パンフル−ト製作・販売を行なっております。お問い合わせは香原 良彦 <xiaxi@go8.enjoy.ne.jp>または

080-5235-7664までどうぞ。パンフルート工房住所 広島市安芸区上瀬野町205(739-0302)


音に色をつけよう

2014-04-22 | 音の出しかた研究

今までパンフルートの音の表情の込め方について具体的に見て来ました。

  

山桜の木のパンフルート(標準型アルト22管) パンフルート底部に取り付けた薄板は底ラインを切り出します。

今は否定されていますが、一昔前までスポーツ界では「根性論」がまかり通っていました。

パンフルートの音の伝え方に置き換えてみたとき、気合いばかり先行しても空回りした音しか出ないのではないかと

心配になります。 

ここはバランスを取って「気持ちを込めること」+「具体的な音の出し方の形の裏ずけがある」の両方を進めて行き

ましょう。

   

       久しぶりにホウライチクの竹林を訪ねてみると八重桜と竹の緑が見事に調和していました。

パンフルートの音に演奏者の心を乗り移させたいとき普通に考えられるのは『小川のせせらぎ」とか情景を想い浮か

べて、その状況を音に表そうと努力します。

こういう方法もありでしょうが、もっと具体的なパンフルートを吹くときの空気の流れを調節して音の質を変化させる

ような方法がないでしょうか。

わたしは最近広島パンフル−ト愛好会の先生から「音に色がある」という話を聞いて「これだ!」と感じました。

このイメージならば口の中で空気をとおす道を広げたり細くしたり、圧力をかけたり弱めたりして意図的に音を作り

出すことができます。

大きく別けて暖色系・寒色系の両極に吹き別けることは容易にできると思います。

あとは色を濃くしたり薄くしたりして細かい色の表現にたどり着ければよいですので研究してみてください。

パンフルート製作・販売を行なっています。お問い合わせは080-5235-7664またはxiaxi@go8.enjoy.ne.jpまで。

調律道具販売・パンフルート修理・パンフルート添削教室なども行なっております。お申し込みください。